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携帯エリア対策の切り札「マンホール基地局」、ドコモが公開

夏モデルは約1GbpsにLTEが高速化

小山安博(Yasuhiro Koyama)
2018年4月11日, 午後06:45 in docomo
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NTTドコモは11日、同社のネットワークに関する説明会を開催しました。2018年夏モデルでは下り最大約1Gbpsのサービスを提供し、さらに上り速度も75Mbpsへと拡張するなど、ネットワークの改善を進めていくことをアピールしました。その中で、「マンホール型基地局」も紹介されています。

●夏モデルは受信約1Gbps(988Mbps)に

ドコモは、現在国内最速となる下り最大788Mbpsのサービスを提供しています。3.5GHz帯を導入したことに加え、4×4MIMOや256QAMといった技術を使うことでこうした通信速度を実現しています。ちなみにiPhone 8/8 Plus/Xでは、iOS 11.3以降で下り最大594Mbpsを達成しています。


▲これまでのドコモのLTEの高度化の歩み


▲総務省の実行速度調査では、大手3社で下り速度は1位、上り速度は2位となっていました

これが18年になってさらに高速化します。同社のネットワーク本部ネットワーク部技術規格担当部長 宮下真一氏は「速度もギガの時代へ」と強調。約1Gbpsとなる下り最大988Mbpsという通信速度を実現。複数の夏モデルで利用可能になる見込みです。


▲今回には988Mbps、それ以降には1Gbps超のサービスを提供します


▲高度化が遅れていた上りに関しても75Mbpsに拡張します

これは3.5GHz帯を2波に加え、1.7GHz帯を1波加えた3CAに、それぞれが4×4MIMO、256QAMに対応することで、988Mbpsを達成する計画です。さらに18年以降のなるべく早い段階でさらに高速化して1Gbpsを超える通信速度を実現するとしています。


▲LTE高度化の要素技術は3つ

「今まであまり高度化できていなかった」(宮下氏)上り速度に対しては、今年の複数の夏モデルで64QAMに対応して上り最大75Mbpsに達する予定です。こちらも18年夏以降、上り100Mbpsを越えるサービスを提供する計画。

こうしたLTE通信の高度化はCA(キャリアアグリゲーション)の拡張、MIMOの拡張、変調多値化といった技術が使われています。CAでは上記の3CAに加え、3.5GHz帯を2波、1.7GHz帯を1波、2GHz帯を1波使った下り最大938Mbpsの4CA、さらに800MHz帯1波を加えた5CAによる下り最大794Mbpsと、多彩なCAを提供します。


▲5CAにも対応し、4×4MIMOによって既存のCAも高速化します

これによる組み合わせは14パターンとなり、「最適なCAの組み合わせをベストセレクトする」と宮下氏は強調します。2×2MIMOが4×4MIMOに、64QAMが256QAMに、といった技術の改善で、着実に通信速度を伸ばしていくドコモですが、課題もあります。



▲MIMOや変調方式の拡張も高速化に寄与します

それが都内の山手線内のようなトラフィックの高いエリアでの通信品質の改善です。たくさんの人が同時に利用することで帯域を消費して通信速度が低下したり繋がりにくくなったりする場合、通常のマクロセル基地局の配下にさらに小さなスモールセル基地局を設置してトラフィックの分散を図っています。


▲高トラフィックエリアでのトラフィックは増加の一途


▲トラフィック対策として、日々のネットワークの状況を監視し、アンテナのチルトを変更するといったきめ細やかな品質改善を行っています

このスモールセル基地局は、ビルの屋上や壁面などに設置されますが、ビルオーナーからすると余計なアンテナが設置されて見栄えが悪くなるというデメリットもあるほか、そもそも山手線内のような高トラフィックエリアでは「ビルの上などにかなり基地局があってこれ以上置くのは難しい。設置したいエリアに設置できるビルがない場所がある」(同)そうです。


▲従来の対策の1つがスモールセル基地局の設置でしたが、設置できる場所が限られています

●スモールセル基地局と同等の「マンホール基地局」

こうして基地局自体をなかなか作れなくなった結果、ドコモが考え出したのがマンホールをヒントにした「マンホール型基地局」です。直径70cm、深さ70cmの穴を掘り、その中に基地局を設置して周辺をエリア化する、というものです。これにより、スモールセル基地局と同等の約90mの範囲をエリア化できるといいます。


▲周囲の景観にも配慮して基地局を設置できる場所として考え出されたのがマンホールです


見た目は完全にマンホール。この下に基地局が設置されています

あくまで「マンホール型」なので、既存のマンホールに設置するわけではありません。これはフタの材質である鉄が電波を通しにくいためで、今回のマンホール型基地局では素材として独自開発したFRP製のフタを採用。電波を通しつつ、25tの重さにも耐える耐荷重を実現しました。




▲実際にはこんな風になっています

設置場所として想定しているのは歩道や公園、テーマパークなどで、特に高トラフィックの東名阪都市部が挙げられます。マンホール上に自動車が停車すると減衰の影響が大きいとのことで、こうした自動車が来ない場所に適しているようです。


▲従来の吹き下ろすタイプに対して、地下から吹き上げる形になります


▲構成イメージ

海外では、すでにスイステレコムが同様のマンホール型基地局を導入しているそうですが、ドコモでは国内の電波防護指針に準拠したうえで必要なスペックを満たせるように、独自にアンテナ素子を選択して配置を考えるなど、工夫を凝らしてきたということです。

従来のスモールセル基地局に比べると、地面にあるためメンテナンスは楽になる反面、現時点で設置費用が1000万円弱とスモールセル基地局より割高になるそうです。これは量産効果で多少下がるとは言え、「スモールセル基地局並みにはならないが低減できる」(同社)としています。また、設置場所の関係上、景観に配慮してフタの外観を個別に自由に設定できるようにする予定で、これも設置コストに上乗せされます。しかし、そうしたコスト増を踏まえても基地局を設置できる方がメリットがある、というほど、基地局の設置場所の問題は深刻のようです。


▲フタの外観は希望に応じてカスタマイズ可能になるそうです

ドコモでは2018年度内に本格運用を開始することを目指しており、すでに3月6日からは北海道札幌市で実証実験を開始したほか、今夏には沖縄県で台風や大雨、高温の影響を中心に実験を行い、秋には東京都渋谷区の高トラフィックエリアでの実験も行う計画です。

ちなみにマンホール型基地局のフタの耐荷重25tは、マンホールの規格で最も厳しい条件で、緊急車両の重さにも耐えるそうです。また、マンホールのフタの形状は「マンホールの規格のひとつに準拠している」(同社)。マンホールのフタを開けるためのネジ形状を独自のものにして、盗難などの対策もしてあるとのことです。

こうした継続的なLTEの高度化、トラフィック対策を続けていき、2020年には5Gの商用サービスを開始する計画です。高速大容量を生かしたトラフィック対策も5Gの重要な役割で、3.7GHz帯と4.5GHz帯である程度の面をカバーし、28GHz帯で高トラフィックな場所をカバーする計画です。


▲5Gのエリア展開は3G/LTEをベースに3.7GHz帯と4.5GHz帯でエリアを広げ、トラフィック対策として28GHz帯を使うイメージ

既存のLTE基地局に対して、ソフトウェアのアップグレードや一部ハードウェアの追加で5G対応ができるため、コストも低くエリア拡大も速く、「経済的にエリアが作れる」(宮下氏)としています。将来的には、マンホール型基地局も5G対応することも検討しているそうです。


▲既存装置を生かせるため、エリア拡大は経済的


▲ドコモのネットワーク本部ネットワーク部技術規格担当部長 宮下真一氏


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