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Amazonが次に征服を狙う業界はアパレルだ

TechCrunch Japan Staff
2018年4月24日, 午後02:30 in amazon
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Kiyoshi Tane, 12 時間前
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【編集部注】著者のSunny DhillonはSignia Venture Partnersのパートナーである。

Amazonが、昨年末にトールキンの叙事詩「指輪物語」のテレビ放映権を2億5千万ドルで買収したと発表した際に、私はそれがAmazonによる「全てを支配する」単一プラットフォームへの、情け容赦ない追求姿勢を強調したものだと書いた。 そして今やAmazonは「中つ国の物語」を制作するために5億ドルもの投資を行っている。史上最高に金のかかったTVシリーズとなるのだ。ほどなくジェフ・ベゾスが、エミー賞で最高の栄誉を受け取ることになったとしても驚きはしない。

しかし、ハリウッドだけがAmazonが攻略を狙う唯一の業界ではない。アパレル業界に対してAmazonが抱く大きな野望を考えれば、ニューヨークファッションウィークで、アナ・ウィンターの隣にジェフ・ベゾスを見る日も遠くないかもしれない。

ファッション業界の800ポンド(約363キロ)のゴリラ

従来の小売業が引き続き弱り続ける中、商業ファッションブランドへの直接コマースは増え続けている。以前私は、Stitch FixWarby Parker、Everlane、そしてAllbirds などを、直販モデルで成功できることを証明した革新的企業の例として紹介した。D2C(Direct to Consumer:顧客直販)コマースの王者として、Amazonはそのファッションオペレーションを、15年にわたって調整し続けてきている。

もともとAmazonがアパレルに参入したのは2002年のことである。2009年にはオンラインシューズ販売業者のZapposを12億ドルで買収した。これはその当時史上最高額での買収だった。しかし、ファッションを支配しようとする同社の追求は、歴史的にいくつかの障害に直面してきた。その中心となる障害は、人びとはまず商品を試着したいという欲求から、オンラインでアパレルを購入することを信用していなかったこと、そしてAmazon自身がクールなブランドではないと思われていることだった。

しかし逆風は止み、いまや追い風が吹いている。アパレルのオンラインショッピングが認知され、いまや消費財部門でもっともオンライン化が進んでいる分野となった。多くの女性が衣料をオンラインで購入しているのだ。衣服をオンラインで購入する人の割合は、小売一般におけるオンラインの利用率のおよそ2倍である(17%対10%)。一方Amazonは、返品無料、より良い写真、より良い品揃えを提供する形でアパレル戦略を磨いてきた。現在同社は、取引総量としては最大のアパレル小売業者である。ミッション終了?いや、まだまだだ。

プライベートブランド「Fashion House」の開発

Amazon提供のファッション写真

かつてBonobosのCEOAndy Dunnは「他人の品物を大量に売ることは、巨額の資金を要求される利益の薄いゲームだ。結局その点でジェフ・ベゾスを打ち負かすことは難しい」と語った。これは事実だが、アパレルに関しては、Bezosは他人の品物を売るということよりも、さらに大きな野心を持っている。とはいえ、現在Amazonが中心的にやっていることは他人の品物を売ることだ。

Coresight Researchの分析によると、米国のアマゾンファッションサイトに掲載されている品物の約14%がAmazon自身によるものであり、残りの86%がサードパーティによるものだ。Amazonには、そのパイのシェアを高めるための高いインセンティブが与えられている。同社にとって、アパレルは極めて利益率の良いカテゴリだからである。過去10年を見れば、最も良いときには粗利率は40%にも達している。さらに、米国のプライムメンバーたちはAmazonでのアパレルの購入に引き込まれている。昨年はほぼ3分の2のメンバーがアパレルを購入しているのだ。

プライベートブランドが充実するにつれて、Amazonは明らかに、Amazon Essentialsブランドを通して、電池やおむつに相当する勢いでアパレルも売ろうとしているのだ。9月にはサイハイベルベットブーツ(太腿の高さまであるヴェルヴェットブーツ)の販売を開始したが、Coresightの分析によれば、Amazonはより高価格のカテゴリに注力しているという。

最近の「指輪物語」の権利取得が、若く裕福な消費者の眼をさらに惹きつける試みであり、Whole Foodsの買収がその胃袋をガッチリ掴もうという試みだとすると、Amazonはさらに彼らの衣服もおさえたいと考えているのだ。ホットなデジタルネイティブ向けのブランド(たち)を買収することは、そうしたことを達成する近道だ。Walmart は既にこの戦略を、Bonobos、Modclothなどを買収することで追求している。AmazonもEverlaneのような人気のブランドをその店舗に並べることで、同様の方策を模索しているようだ。とはいえAmazonがその「なんだかダサい」イメージを拭い去るにはそれなりの時間はかかるだろう。

ファッション(パワー)ハウスになる

Echo Lookは、Amazonがファッション世界の支配を、真剣に考えているサインの1つだ

昨年Amazonは、アパレル事業を加速し、オンラインショッピングの経験を可能な限り簡単にするようにデザインされた多くのイノベーションを投入した。たとえばPrime Wardrobeは、Stitch Fixに似たサービスである。自宅で3つ以上のアイテムを試着することが可能で、気に入らないものは料金支払い済みのラベルのついたパッケージを使って無料で送り返すことができる。

また同社は「ハンズフリーカメラ兼スタイルアシスタント」と名付けた、新しいAlexa搭載機器Echo Lookも発売した。カメラを追加したことで、機械学習と人間のスタイリストからのフィードバックを組み合わせて、所有者の衣服の選択を記録しコメントすることができる。このアドバイスは、レコメンデーションの形もとるため、Amazon Fashionの収益を伸ばす役割も果たすこともできる(特にそのプライベートブランドに関して)。

AmazonはEcho Lookのための様々な機能を、繰り返しリリースしてきている。その中にはキュレーションされたコンテンツや、クラウドソーシング(つまり人間だ!)スタイルのフィードバックも含まれている。 さらに同社は、服をデザインするためのAIアルゴリズムを作成し、仮想的に服を試着できるARミラーの特許も取得した。このようなARミラーの価値は、最近ロレアルがModiFaceを買収したことによって裏打ちされた。ModiFaceは美容ARの分野で似たようなアプリケーションを支えるテクノロジーを開発している企業だ。

これらの動きをすべて分析することで、Amazonのアパレル戦略の全貌が見えてくる。まず、衣服の売られ方を学ぶために、たくさんの服を販売する。そして、より高い粗利益を生み出すために、自分自身で作った服を売り始める。そして今では、Prime Wardrobeを用いてロックインを高め、顧客がAmazon自身の服を買わない可能性のあるポイントを潰す(もちろんその過程で個人の嗜好データは収集している)。そしてEcho Lookをデータ収集と声コマースのポータルとして利用する(おまけに、曖昧な購買要求を、自社のプライベートブランドの在庫へと誘導することも可能だ)。もしこの戦略が成功すれば、Amazonには、非常に利益率の高いセールスをもたらす深いデータの堀が与えられることになるだろう。他のファッション小売業者やブランドがそれを真似することは極めて難しいものとなる。

Beszosはこの問(「それが上手くいくと思っているのか?」)を口にする必要すらない。

Amazonは、クラウドサービス、音声アシスタント、Amazon Goに代表される実店舗、そしてもちろん「オンラインなんでもストア」としてのこれまでの役割など、ますます重要になる分野でますます支配的になっている。同社は、アパレルもこの成長するリストの項目に加える覚悟を固めている。人びとが衣料を買う方法を(またもや)変え、その顧客がますますAmazonの掌の上で買い物をするように誘導するのだ。そしてAmazon Fashionが、Amazon Studios(映像作品を作成する部門)からの何らかの手助けを得ることも表明されている。Bezosはかつて、「ゴールデングローブ賞を獲得すれば、より多くの靴を売ることに」と語った。もし彼がそのやりかたを貫くならば、Amazonはこの先何年も、両者を押し進めて行くことだろう。

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(翻訳:sako)

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