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PS4『Detroit: Become Human』序盤レビュー。膨大な選択肢で紡ぐ近未来SF大作

早く人間になりたーい!!

Ittousai, @Ittousai_ej
2018年4月26日, 午後10:20 in Detroit
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プレイステーション4の独占目玉タイトルのひとつ、5月25日に発売を控えた『Detroit: Become Human』のファーストインプレッションをお伝えします。

『Detroit: Become Human』(デトロイト:ビカム・ヒューマン。以下Detroit) は、人間そっくりな労働用アンドロイドが普及した2038年のデトロイトを舞台に描く「オープンシナリオ・アドベンチャー」ゲーム。

プレーヤーの選択でストーリー展開が変わるゲームはめずらしくありませんが、Detroitは大きな決断だけでなくあらゆるシーンに膨大な分岐があり、プレーヤーの行動によって全く異なる展開を辿る物語の密度、自我に目覚めたアンドロイドの葛藤をプレイに組み込む巧みな演出、役者の細かな表情まで再現したPS4最高峰のグラフィックが特徴です。

綿密な設定で描かれた近未来デトロイトの世界観や、章の区切りごとに分岐点のチャートを見せるなどリプレイやフラグ立ての煩雑さを軽減するシステム、そして何より、受賞多数のストーリーテラー デヴィッド・ケイジ氏による感情に訴えるドラマが魅力です。


プレーヤーは革命を率いるマーカス、幼い人間の少女を連れて逃げるカーラ、アンドロイド犯罪を追うために造られたコナーという、三人のアンドロイドの視点で物語を体験します。

ストーリー分岐を売りにするゲームには、テキストや映像を見ることがメインで操作は選択肢選びだけという作品もありますが、Detroitは三人称視点で主人公を操作し歩き回れるタイプ。時には激しいQTE的アクションや、急な判断を迫られる場合もあります。

ゲームプレイやプロットがだいたいどんな感じかは、分かりやすいトレーラーをご覧ください。



つまりはブレードランナー的な、人造人間が人間に叛逆する世界の事件を描くノワールです。人間そっくりで人間でない存在を通して人間性とは、自由意志とは〜あたりを描くとともに、移民排斥と暴力といった社会的なテーマも反映しています。

今回開発中バージョンを試遊したのは冒頭の数チャプターのみ、時間にして2時間ほど。

ゲーム全体の規模感は、選択肢のやり直しなしでひとつのエンディングまで通して約10時間(ルートによる)、すべての分岐を辿ろうとすれば30時間以上とされています。

デトロイトのここがすごい:閾値を超える物量。 分岐がアホほどある!




正直なところ、プレイする前は「インタラクティブ媒体ならではの革新的なストーリーテリング」的な宣伝文句を聞いても、結局は大昔からあるルート選択・マルチエンディングなゲームの分岐をめっちゃ増やしただけでしょ?と半信半疑でした。

プレイできたのはあくまで序盤のみですが、分岐の量を増やした「だけ」と言ってもあながち間違いではありません。しかし、

・尋常でない量の分岐があり、
・表示される選択肢から選ぶだけでなく、プレーヤーの行動が反映されるシステムで、
・選択により展開が劇的に変わり、別の世界線が続いてゆく

という点で、量は量でも閾値を超えて質的なプレイ感覚まで変えるレベルの物量でした。

Detroit: Become Human_20180218181328

開発元Quantic Dreamの創業CEOで、脚本を担当したデヴィッド・ケイジ氏いわく、展開を管理する変数やフラグは1600種類以上。エンディングの数は、どう数えるかにもよるものの「我々にも分からない」。

特に驚くのは、三人の主人公それぞれに途中で死んでしまう展開が用意されているだけでなく、誰かが退場してしまっても、作品全体の物語はその後も続くように作られていること。

主人公のうち二人までがいなくなっても、Detroitではそれに応じた先の展開が用意されています。いわゆるゲームオーバーは三人全員が死亡した場合のみです。

デトロイトのここがすごい: チャート公開でリプレイを楽に、IFを探索させるシステム


ケイジ氏によれば、プレーヤーそれぞれの遊び方ができるシステムにはしてあるものの、できれば初回のプレイはやり直しをせず、最後まで自分だけのストーリーとして終わらせて欲しいとのこと。

仮に早い時期に主人公のひとりが死ぬ選択をしてしまった場合でも?と尋ねたところ、それでも「不正解」と見なしてやり直すのではなく、選択で何が変わったか、物語を最後まで体験してほしいとの答えでした。


(2017年の東京ゲームショウでは、劇中のアンドロイド販売店さながらのセットが作られ話題でした)


ストーリーが売りのゲームでは一般に、主人公を失うような選択は袋小路のバッドエンドになるものですが、デトロイトの場合はその人物の退場により影響を受けた世界が続くことになります。

ケイジ氏いわく、一般的なゲームでは「プレーヤーのうち10%しか見ないような分岐に開発リソースを割くことは許されない」ため、分岐があるゲームであっても、結局は少数の主要ルートに収束せざるを得ません。

しかし本作デトロイトの場合、チャプター終了にどこが分岐だったのかフローチャートで見せ、別ルートも内容を伏せたままツリー構造の広がりを見せたり、どこでフラグが立ったのか示すなど、別ルートも積極的に探索したくなる設計にしたことで、従来ならばあり得ないほどの多様な展開を用意できたとのこと。このフローチャートはゲームプレイ中、メニューからいつでも参照できます。





ケイジ氏によれば、過去の作品では分岐を敢えて見せないようにしたところ、実際には用意されたシナリオの一部しか体験していないにもかかわらず、ほぼ全て見届けたと思っているプレーヤーが多いことが分かったため、今作では別展開の存在に気づかせるためチャートを導入しました。

実際にデトロイトのチャプターをプレイしてフローチャートを見返すと、プレイ中には「まあそうなるな、そうしないと話が続かないもんな」程度に思っていた場面にも実は思いもよらない分岐が用意されていることに気付いたり、通過するだけと思っていた場所に重要な分岐があったりと、物語の全貌が気になってきます。

フローチャートは分岐の確認と別ルートのリプレイに活用できるほか、ルートを埋めることでポイントが手に入り、コンテンツをアンロックできる要素もあります。

まず初回はやり直しを気にせず終わらせてから、他のプレーヤーと展開を比べて、そんなルートもあったのか!と楽しんで欲しいとのことでした。



念のため。プレイ前の期待マネジメント的な意味で言えば、ストーリー展開はどう分岐してもあくまで脚本としてデヴィッド・ケイジ氏が意図して書いたものであって、完全にアルゴリズム的に展開が生成されるタイプではありません。

「オープンシナリオ」という言葉からは、ルールの範囲で完全に自由に振る舞える箱庭シミュレータ系オープンワールドゲームを連想するかもしれませんが、デトロイトはあくまで用意された選択肢を辿って、用意された展開を楽しむアドベンチャーゲームです。

いきなり通行人を殺害してみたり、与えられた目標を無視して世界の果てまで探索を楽しめるようなタイプ「オープン」系ゲームではありません。)

デトロイトのここがすごい: 物語、演出とゲームデザインの一体化




「選択肢の数がすごい」と「何でも自由に選べるわけではない」は相反するようですが、プレーヤーにそれを感じさせないのが物語の役割です。

Detroitはお話の基本設定として、高い知能と身体能力を持ちながら、道具として感情も自由意志も与えられていない(はずの)アンドロイドたちを主人公とすることで、ゲームが「リアル」になるほど逆説的に感じる不自由に必然性を持たせることに成功しています。

プレイ画面で目立つのは、選択肢や指示といったテキストが画面の手前に、つまりプレーヤーに向けて正面にオーバーレイ表示されるだけではなく、ゲーム内の空間に三次元的に浮いて固定されたように描かれること。

これは二次元グラフィックが三次元的に配置されるカッコいいビジュアルスタイルであると同時に、主人公たるアンドロイドたちの実際の視界を表しています。

たとえば働くアンドロイドとしてお使いを命じられる場面で、往来を無関係な方向に進もうとするとき。「そちらには行けません」とプレーヤー向けのメッセージが字幕表示されたり、見えない「シナリオ都合の壁」に阻まれて足踏みするのでは興ざめも良いところですが、本作の場合「アンドロイドに組み込まれた行動制限プログラムが視覚化されたもの」として、空間に赤い柵と進むべき方向の指示が浮かび上がります。



この視覚化された行動制御プログラムには「マインドパレス」なる用語が与えられており、アンドロイドが本来は存在しないはずの感情や意思に目覚める場面、人間からの命令と芽生えた自我との葛藤を、視界に浮かぶプログラムの檻を心の中で破ろうとする姿として描く演出にもなっています。



この「機械なので人間には見えないものが見えてます」演出は、マルチシナリオのアドベンチャーにありがちなフラグ立て作業の改善にも使われています。

本作のようにある程度自由に動けるタイプのアドベンチャーゲームでは、後で必要になる何らかの伏線を見落としたりフラグを立て忘れていないかと気になるあまり、主人公として自然に行動するよりも、見慣れたはずの場所を念入りに調べまわったり、特に必然性もなく全ての人物に話しかけたりすることが合理的なプレイになってしまう場合があります。

さすがに今は無意味な探索を強いるゲームは少なくなり、シナリオやレベル設計でうまく誘導するものが大半と思いたいところですが、いわゆる世界観の演出を作り込んだゲームであるほど、本筋を先に進めるべきなのか、隅々まで調べて用意された会話や読めるテキストを見つけるべきか迷うことも少なくありません。




デトロイトではこれを、アンドロイドには「スキャン」という特殊能力があることにして強引に解決。Rボタンを押すことで画面がスキャンモードになり、捜査ロボットのコナーであれば手掛かりが、逃亡するカーラであれば身を隠せそうな場所や有用そうな物が浮かび上がります。

デトロイトのここがすごい: PS4最高レベルのグラフィック。作り込まれた世界観と本物の演技

ないはずの感情に目覚め、命令と自由意志の狭間で悩むアンドロイドたちも、職を奪われたと考えアンドロイドを憎む人間も、実際の俳優による演技を表情に至るまで取り込みデジタル化するパフォーマンスキャプチャの手法を使って描かれています。



実写と見分けがつかない......というほどのフォトリアルな方向ではないものの、ゲームエンジンの制約のなかで、思わず引き込まれてしまう演技を見せてくれます。

俳優による演技と声に加えて、アンドロイドのこめかみ部分にあるLEDリングも芝居に使われるアイテム。アンドロイドは人間との区別のため制服の着用が義務付けられ、光るLEDリングで容易に識別できるとされており、正常稼働時は空色、一時的な異常では黄色、異常時は赤く光る設定です。つまり東西線に乗っているあいだは安心、有楽町線に入ったら要警戒で、丸ノ内線マークに出くわしたら一目散に逃げるのがデトロイト市民の常識。



2038年のデトロイトという舞台設定も見どころ。20年先だけあって、アンドロイド産業で急速に発展した地域は近未来的に、貧困に喘ぐ地域は現在の建物がさらに20年分荒廃しているなど、現実の写し絵として説得力のある描写です。

バスの後部がアンドロイド専用の立ち乗り区画になっていたり、店舗に「アンドロイドお断り」のステッカーなど、いくらなんでもストレートすぎる点も多々あるものの、人間以上に高性能で人間そっくりなアンドロイドがすでに普及している世界という大嘘を小ネタの積み重ねでもっともらしく、ゲーム世界として成立させることに成功しています。



主人公のひとりマーカスが出奔するきっかけとなる老画家カールを演じるのは、映画『エイリアン』シリーズでアンドロイドのビショップとその製作者を演じたランス・ヘンリクセン。

まとめ: 無数の選択が紡ぐ独特の物語体験。演技だけでも一見の価値あり



序盤数章で印象に残った「すごいところ」を羅列してきましたが、ゲームプレイ自体は、歩いて調べてフラグを立てるいわゆるアドベンチャーそのものです。

「カットシーンを鑑賞するのではなく、プレーヤー自身が選び体験するストーリー」との掛け声は、コントローラのタッチパッドをスワイプして皿洗いしたり、不意にコントローラの振りや傾きを要求されるQTE的イベントといった意味では嘘ではありません。しかし、重要な展開はやはり介入不可能なカットシーンを鑑賞する形で進行します。

さらに根本的な話をすれば、「選択肢を通じてプレーヤー自身が紡ぐ物語」との表現も、決して嘘ではないものの、選択した結果がどうなるのかは脚本家の考えるドラマ展開しだい。

主人公キャラクターの目的から最善と思える行動を選んだとしても、脚本で決められた「運命のいたずら」から逆効果になることもあります。スクリプトのあるゲームの宿命であり、ある意味で現実同様です。

ある種のゲームの楽しみには、現実よりも単純化されたゲーム世界のルールを読み取り、最善の結果を予測し行動する問題解決と反復学習による攻略の面白さがあります。

しかしデトロイトの面白さはまた別の、分岐するお話を楽しむもの。プレーヤーに選択権が与えられている意味は、未来を望みどおりに変えるためでは必ずしもなく、どう転ぶか分からなくても、自分の心に従って正しいと思える行為を選び結果を見届けることにあります。

膨大な分岐で語られるデトロイトの物語も最後まで辿れば、選択肢がある意味、我々がこのままならない世界で自由意志を持つことの意味について、プレーヤーなりに得るものがあるかもしれません。エンディングまで見てないので適当なことを言いました。



PS4『Detroit: Become Human』はパッケージ通常版6900円、アートブックやサウンドトラック等が付属するプレミアムエディション8900円(税別)、ダウンロード通常版は税込7452円、デジタルデラックス版8532円で5月25日発売予定。

4月26日からは、冒頭の1チャプターだけが遊べる体験版も配信しています。

Detroit: Become Human 体験版 | 公式PlayStation™Store 日本




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