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2年連続Androidスマホシェア1位に向けた、シャープAQUOSスマホの戦略とは :週刊モバイル通信 石野純也

ブランド統一と戦略モデルの投入、そして進化

石野純也 (Junya Ishino)
2018年5月9日, 午後12:45
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シャープが、夏商戦に向け、「AQUOS R2」「AQUOS sense plus」の2機種を発表しました。前者は国内市場向けのプレミアムクラスの端末。納入するキャリアなどは明かされていませんが、昨年からの流れを考えると、3キャリアから発売になることが予想されます。一方で、後者のAQUOS sense plusは、シャープ初となるSIMフリー専売モデルになります。

AQUOS R2は、シリーズ初となる「ツインカメラ」を背面に搭載。2つのカメラを搭載したスマホは一般的になりつつありますが、おもしろいのはその用途です。シャープは、「写真と動画では、撮り方が違う」(通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長 小林繁氏)というところに着目して、2つのレンズの画角や画素数などを写真と動画、それぞれに最適化しました。

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▲ツインカメラ搭載でディスプレイも縦長化したAQUOS R2

具体的には、静止画用が2260万画素で、22mmの広角レンズ、F値1.9なのに対し、動画用は画素数を動画用に1600万画素まで落として、代わりに135度の超ワイドレンズを採用しています。手ブレ補正も静止画用は光学式、動画用は電子式ですが、これは動画撮影時に本体を動かすことで発生するブレをより抑えやすくするためだといいます。

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▲背面のカメラは動画用と静止画用に分かれる

このように2つのカメラを静止画用、動画用と完全に分けたうえで、両方を同時に撮影できる「AIライブシャッター」を搭載しました。これは、動画撮影中に、自動で静止画を撮影する機能のこと。シャッターを切るために活用しているのがAIで、「カメラ業界で『いい写真』と言われている構図の写真を大量に学習させた」(同)というのが特徴。ユーザーが動画撮影に集中していれば、自動的に最適な構図の写真が保存されているというわけです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲動画撮影中にシャッターチャンスが訪れると、自動で静止画が保存される

実際、筆者は動き回る子どもを撮影しているようなときに、動画と静止画、両方で同じシーンを撮りたいことが多く、しかも自動で写真を保存しておいてくれるとなると、かなり魅力的です。それぞれに必要な構図が異なるため、最適なカメラが必要であるという説明も、納得ができました。デュアルカメラで同等の性能を持つ機種はほかにないだけに、AQUOS R2の強いオリジナリティといえそうです。

ディスプレイも19:9になり、より"縦長化"しました。「AQUOS R Compact」で導入したインカメラだけがディスプレイ側にせり出す形状は踏襲。ハイスピードIGZOをさらに高速化し、高速でスクロールさせても画面が滑らかに追従します。「ビジュアルコミュニケーションを刷新する端末を作りたいと思った」(同)というコンセプトどおり、撮ってよし、見てよしのスマホに仕上がっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲ディスプレイは19:9と縦に長くなり、ハイスピードIGZOの応答速度も上がった

これに対し、AQUOS sense plusは、docomo withに採用された「AQUOS sense」や、MVNO各社から発売され人気を博した「AQUOS sense lite」のスペックアップ版。チップセットの処理能力を向上させているほか、5GHz帯のWi-Fiに対応するなど、コスト重視のAQUOS senseで省かれてしまった部分をカバーする端末になります。小林氏はこれを「必要十分なAQUOS senseのブランドメッセージはそのままに、あと一歩を加えたモデル」と評しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA▲AQUOS senseの機能を向上させたAQUOS sense plus

昨年の同時期に、シャープはスマホのブランドを刷新。元々、キャリアごとに分かれていたフラッグシップモデルのブランドを「AQUOS R」に統一して、形状などの細かな差異もなくしました。リソースを集約して、ブランドの認知度を上げるとともに、アクセサリーなどの数を増やすというのがシャープの狙いでした。同時に、戦略モデルとして、AQUOS senseも発表しています。

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昨年の夏モデルから、フラッグシップとミドルレンジのブランドを統一

この目論見が見事に当たり、AQUOS RとAQUOS R Compactを合算したAQUOS Rシリーズは、「3月末時点で100万台を突破した」(通信事業本部 本部長代行 中野吉朗氏)といいます。対するAQUOS senseもドコモのヒット商品となり、ほぼ同スペックのAQUOS sense liteもMVNOやそのユーザーから好評を博しています。こちらも、シリーズ累計で100万台を突破と、シャープ躍進の原動力になっています。

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▲両シリーズとも、販売台数は100万台を超えた

結果として、シェアも向上しており、Androidスマホでは、ソニーモバイルを抑えて、年間で1位(BCNランキング)を獲得するまでに至っています。台数では、「出荷ベースで40%増ぐらいの数字に着地できている」(同)といい、ブランド刷新やミドルレンジモデルの投入で、スマホ事業が急回復している様子がうかがえます。

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▲Androidスマホでのシェアは1位に(BCNランキング)

ブランド刷新や商品力の強化を支えたのが、親会社になった鴻海との連携です。中野氏は、「生産、調達、一部開発についても連携を深めている」といい、AQUOS躍進の「原動力の1つ」になっていることを認めています。特に価格と性能のバランスが重要になるAQUOS senseでは、鴻海の強みが十分に発揮されている印象。これは筆者だけでなく、シャープの競合になるメーカーの関係者も、「やり方がうまくなった」と舌を巻くほどです。

AQUOS R2とAQUOS sense plusは、この戦略をさらに推し進めるための端末といえるでしょう。AQUOS R2は、フラッグシップモデルに必要なオリジナリティに磨きをかけ、カメラでの新提案が光ります。
AQUOS sense liteも、ほどほどの性能とおサイフケータイなど、日本仕様を必要とするユーザーに人気が出そうです。

一方で、夏商戦には、強力なライバルもいます。ファーウェイは3月にフランス・パリで発表された「P20 Pro」の日本投入を予定していますが、ある業界関係者の話によると、日本仕様に対応したうえで、最大手のドコモから発売されるといいます。ソニーモバイルも、2つのカメラと独自の画像処理チップで暗所撮影性能を高めた「Xperia XZ2 Premium」を発表しており、おそらくこれも日本で発売されるはずです。

SIMフリーのミドルレンジについても、ASUSが発表会を控えており、「ZenFone 5」が発売される可能性が高まっています。例年の傾向を踏まえると、ファーウェイも「P20 lite」などを投入することになるでしょう。「Androidスマートフォン、2年連続1位になることを目標に取り組んでいく」というシャープですが、AQUOS R2やAQUOS sense plusでライバルの攻勢をどこまで防げるのかが鍵になりそうです。

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▲2018年度は、2年連続Androidスマホシェア1位を目指す

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