Sponsored Contents

androidの最新記事

Image credit:
Save

今年10周年を迎えるAndroidが「フラグメンテーション(断片化)」の撲滅に追い打ちをかける(石川温)

最新OSがいち早く利用できるようになるかも

石川温
2018年5月10日, 午後01:00 in Android
587シェア
143
238
0
206

連載

注目記事

SIMハイジャック犯、仮想通貨アカウントから数十万ドルを強奪。2要素認証を悪用?

SIMハイジャック犯、仮想通貨アカウントから数十万ドルを強奪。2要素認証を悪用?

View
グーグルは5月9日、本社の隣にある屋外シアターで開発者向けイベント「Googel I/O 2018」を開催。その日にAndroidの次期バージョンとなる「P」のベータ版がリリースされた。基調講演会場がどっと沸いたのが、対応機種が発表された瞬間だった。グーグルが販売する「Pixelシリーズ」だけでなく、ソニーやシャオミー、ノキア、Oppo、Vivo、Essentialなど複数メーカーのAndroidがPのベータ版に対応するというのだ。


Android向けにアプリを開発している人たちからすれば、ベータ版を扱える機種が増えるというのは、ありがたいはずだ。しかし、このベータ版の複数機種対応というのは、グーグルの涙ぐましい努力の成果がようやく実った形なのだという。

グーグルの努力は、昨年のAndroid Oの開発までさかのぼる。Android Oでは、フラグメンテーションを解決しようと「Treble」というプロジェクトを立ち上げている。振り返ってみれば、Android Oのバージョンアップは見た目に派手とは言えなかった。実際のところ、こうしたフラグメンテーションの問題を取り除こうと、OSの設計を見直すといったところに開発は注力されていたのだという。その目処が立ったこともあり、今回のAndroid Pでは、ホームボタンの操作性を大幅に変えると言った大胆な変更が盛り込まれたのだった。

これまで、Androidのバージョンが上がる際、まず労力を使ってきたのが、半導体メーカーだ。クアルコムやメディアテックなどは、Androidのバージョンに合わせた「Board Support Package(BSP)」を作らなくてはならず、そのコストと労力に時間が割かれていたのだった。半導体メーカーがBSPを完成させると、BSPはスマホメーカーの元に渡る。スマホメーカーはBSPを元にOSのバージョンを上げても問題ないか、検証を行っていくわけだ。メーカー独自の操作性やキャリアから提供されるアプリなども検証し、問題なければ、ようやくアップデートがユーザーに配布されるという流れになる。

このBSPはOSがバージョンアップされるたびに作らなくてはいけないため、とにかく時間とコストがかかる。結果として、商戦期に合わせて最新のOSを搭載したモデルを発売できないというジレンマが発生することがあった。

「新しいAndroidが配布されました」といってもメーカーによって対応する時期はバラバラ。iPhone・iOSのバージョンアップに比べて、Androidのバージョンアップが全く盛り上がらないのは、こうしたBSPの問題があったからなのだ。

そこでグーグルでは、BSPの課題を取り除こうという動きが出始めた。

Android Pの開発当初からグーグルは、クアルコムとメディアテック、サムスン電子とともに一緒にBSPを開発しはじめている。これにより、半導体メーカーは、Android Pの開発終了を待つことなく、BSPを開発できるようになる。結果、スマホメーカーは、すぐに新製品に最新OSを搭載することが可能になるというわけだ。また、OSのアップデートのたびにBSPを作るのではなく、一度作ればいいような仕組みも採用されている。



今回、Android Pのベータ版に複数メーカーが対応したのも、Trebleプロジェクトの成果だという。

この2年の成果により、Android Pの正式版が配布されれば、すぐにアップデートできる機種は一気に増えることだろう。また、Android Pを搭載したスマホも例年よりも早いタイミングで発売される可能性が高い。

ただ、日本のAndroidスマホは、この恩恵をどこまで受けられるかは未知数なところが大きい。今回の対応メーカーにソニーの名前があり、また、シャープはできるだけピュアなAndroidの操作性を維持しようと必死に活動している。

メーカーとしては「最新OSをいち早く使えるようになる」という環境を整備しつつあるが、あとはキャリアという大きな壁をどう乗り越えるかが課題だろう。

これまで、キャリアは自分たちの仕様やサービスのアプリをメーカーに押しつけてきた。メーカーはBSPの完成を待ったあとは、キャリアのサービスに新しいOSのバージョンが対応できるかに、労力とコスト、時間をかけてきた。

今回、グーグルと半導体メーカーが一致団結して、BSPの課題を解決してきた。あとはキャリアがスマホメーカーに対して、無理な押しつけを我慢できるかどうか。我々、日本のユーザーにとって「最近のAndroidをいち早く使えるかどうか」は結局、キャリア次第ということになりそうだ。

関連キーワード: android, google, google io, mobile, xperia
587シェア
143
238
0
206

Sponsored Contents