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    8月発売予定の最高に変でシュールなスマホ「Hydrogen One」をじっくり見てみた

    4Vの立体映像が半端じゃないそうです

    Engadget US(翻訳 金井哲夫)
    2018年6月5日, 午後12:40 in smartphone
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    [Engadget US版より(原文へ)]

    ドラマ「Pretty Little Liars」の舞台になった高校と、ドラマ「Gilmore Girls」に登場したStars Hollow見晴台との中間地点に駐車したバンの中で、REDの創設者Jim Jannardは彼のスマートフォンを取り出しました。Hydrogen One(ハイドロジェン・ワン)です。

    そして、私にいろいろなデモを見せてくれました。ワーナー・ブラザース・スタジオで開かれたAT&TのShapeエンターテインメント会議に参加していたときのことです。これはもしかしたら、携帯電話を持った手の中で体験した最高にシュールな出来事であり、さらに、それは私が使った中で、もっともシュールな携帯電話でした。

    これまでにいくつかのメーカーがモジュラー式のスマートフォンの開発を試みて、それぞれに異なったレベルの成功を収めています。LG G5とその「仲間たち」は、MotorolaがさまざまなModsを展開したことにより、大失敗に追い込まれました。目玉が飛び出すような3Dディスプレイを搭載した携帯電話を作ったメーカーもありますが、悲惨な結果に終わりました。AmazonのFire Phoneを憶えていますか? その2つのギミックをひとつのスマートフォンに押し込めたメーカーはありませんでした。REDを除いては。この企業は、これまでに映画撮影のためのプロ用のデジタルカメラしか作っていません。そんなことを実行するには、楽観主義という薬を大量に飲まなければなりません。いや、絶対にそうする必要があります。しかし幸運なことに、Jannardは楽観主義などに頼る人間ではありません。失うものがない彼は、自信満々に言葉をしゃべります。

    だからこそ彼は、この8月にAT&TとVerizonからHydrogen Oneが発売されたときの結果を、まったく気にしていない様子です。それは商業的に大成功すると確信しているからではなく、自分の夢のためにそのスマートフォンを作ったからです。

    「これは私が欲しかったスマートフォンだ」と彼は言いました。「ひとつも売れなかったとしても、私が世界でいちばん高価な電話機を持っている人間になる。それは最高にハッピーなことで、大満足だよ」。その点を強調する用に、彼は私たちの会話が続くなかで、さらに大胆な言葉を放っています。

    「世界でいちばんクールなスマートフォンをポケットの中に持ってるんだ。その代金も払った」

    Gallery: Gallery: Red Hydrogen One hands-on | 12 Photos | 12 Photos

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    Hydrogen Oneで最初に気づくのは、その外観です。「とてつもない実用主義者」と呼んでもいいでしょう。他のメーカーは、スタイリッシュなガラスのボディーを追い求めてきましたが、Hydrogenのアルミ(またはチタン)のフレームは、しっかり握れる凹凸付きのエッジで、カーボンファイバーに見えるプレートが、デュアルカメラを取り囲んでいます。確かに厳つい感じだけど、思ったほど重くもなく、すっきりしています。

    デザインは、その製品の性格を表しますが、この場合は、性格はハッキリしています。Hydrogen Oneはオモチャではなくツールだということです。日常の社会には、見慣れたスマートフォンが満ち溢れています。左側にはボリュームキーがあり、右側には電源ボタンとシャッターボタンがあり、microSDカードとSIMのスロットがヘッドホンジャックの隣にある。Hydrogen Oneのどこが特別なのかは、その表と裏を見ればわかります。

    Hydrogen Oneの画面をお見せしたいのですが、それはできません。REDは画面の写真や動画の撮影を禁じています。その「ホログラフィック」ディスプレイの良さを2Dのメディアでは報じきれないからです。REDの本当の凄さはここにあるのに、まったく残念です。ホーム画面や、ランチャーでアプリをスワイプする様子を覗いた限りでは、この5.7インチのクアッドHDディスプレイは普通の画面と変わりありませんが、互換性のあるコンテンツを立ち上げると、画面に生命が吹き込まれます。



    花や消火栓など、Jannardがデュアルカメラで撮影した静止画は、画面から飛び出して見えます。「ブレイブ」のような映画を見ると、映画に取り囲まれたような気分になります。何度かハイライトの場面を止めて、よく見ようとしました。最初から存在しないものは見ることができませんが、画面に奥行きが加わることによって、これまでスマートフォンでは味わったことがないリアルさや存在感が得られます。いわゆる4ビュー(4V)という効果は、画面を真正面から見たときに最大になりますが、斜めから見ても、立体感は感じられます。さらに重要なことには、頭を動かしても3D効果は消えません。見る角度を変えると絵が急に変わったりぎこちなく動くレンチキュラーの立体写真を憶えている人には、その進化ぶりに驚くことでしょう。

    4V効果が与えられるのは、動画だけではありません。Jannardは一人称シューティングゲームを録画したデモを見せてくれましたが、まるで「Afterpulse」のようでした。敵の頭に照準を合わせると、スコープの筒がこちらに向かって飛び出してくるように見えます。Hydrogen Oneのために、ゲーム開発者たちはどのようにゲームを最適化しなければならないかは知りませんが、それよりももっと大きな疑問が間違いなく湧き上がるでしょう。一機種のスマートフォンのために、みんなはそれをするのだろうか? 詳細はまだわかりません。もっとも印象に残ったデモは、4Vに対応したビデオチャットでした。フロントに配置された複数のカメラでキャプチャーされた私の顔が、映画の場面と同じ迫力でもって、立体的に表示されます。単にクールというのを通り越して、まさに体が釘付けになります。

    この立体映像に大きく貢献しているのが、ディスプレイの下に貼られた、複数の方向からの光線を反射させる特別な素材(私がCESで見たこのクレイジーなプロジェクター用スクリーンのようなもの)が、画像より明白な深みを与えているのだと教えられました。さらに、この電話機に搭載されているSnapdragon 835上で直接走るソフトウエアは、従来の3Dコンテンツに見られる2つの視点のギャップを効果的に埋める役割を果たしています。すべてはリアルタイムで一瞬にして行われます。これにより、私がこれまでにスマートフォンで見たことのある中で、もっとも没入感の高い映像が作られているわけです。この画面に対する評価を、Hydrogen Oneを実際に見る前に下して欲しくないとREDが考えるのは大いに理解できます。言葉や写真では、とても言いつくせません。



    4V映像を自分でキャプチャーしたり、自分の写真を4Vの動画で見ることはできますが、その楽しさは長続きしません。なのでREDは、ハリウッドでの長い経験を活かして、映画スタジオが持つ映像ライブラリーをHydrogen Oneで見られるように、彼らと積極的に交渉を重ねて契約を取り付けようとしていると聞いても、とくに驚かないでしょう。そこで登場するのがHydrogen Networkです。有望な相手との正式契約はまだ、結ばれていませんが、Jannardによれば、Lionsgateが話に乗り、彼らの3DライブラリーをすべてHydrogen Oneで見られるようになるとのことでした。3Dコンテンツを4Vに変換する作業はきわめて簡単です。もしスタジオが「最大限に効果を加えていた」としても、1.5時間の映画をわずか3時間で4Vファイルに変換できます。

    もうひとつ、Hydrogen Oneの大きな特徴として、裏面がモジュラー式になっていることがあります。いろいろなコンポーネントを入れ替えることができるのです。たとえば、既存のレンズを取り付けられる映画グレードのカメラがあります。前にも書いたとおり、モジュラー式は新しいアイデアではありませんが、Hydrogen Oneは、明らかに、カメラ関連の製品に大枚をはたいていた人たちをターゲットにしています。なのでこれは、これまで私が見てきた他のメーカーに比べて、より安全な(そして儲かる)アプローチです。Jannardが考えるように、他のメーカーがモジュラー式のスマートフォンで失敗したからと言って、モジュラー式という考え方が間違っているわけではありません。それらのメーカーが用意したモジュールに十分な魅力がなかっただけです。Jannardは、その他にどのようなモジュールを開発しているのかは詳しく話してくれませんでしたが、REDはオープンに他のメーカーと協力して、Hydrogenプラットフォームのためのハードウエアを開発してもらうと教えてくれました。

    「価値を高めてくれる他の企業があって、それを私たちがしなくても済むのなら、こんな有難いことはない」と彼は言ってます。

    Hydrogenのためのモジュールをどこが作るのかについては、REDはとても神経質になっています。「クズ」モジュールが装着されることを避けたいからです。しかし、REDはすでに歩を進めています。あるメーカーとモジュールの開発について話していて、それは「おそらく実現する」とJannardは話していました。

    2015年に特許出願されたREDのモジュールの図。


    Hydrogen Oneにまつわるあらゆる疑問の中でも、いちばん大きなものはこれでしょう。なぜ、こんなスマートフォンを作ったのか? 既存のモバイル企業が市場で伸び悩んでいるというのに? その答えは複雑です。それは、みなさんが想像するよりずっと昔の出来事に端を発します。2000年の中頃にREDが設立される前、Jannardは、サングラスやゴーグルやアクティブなアウトドア用のアクセサリーのメーカー、Oakleyの創設者として、また臨時のCEOとして知られていました。Oakleyで指揮を取っていたJannardは、普通の人たちのための製品を作るプロセスに大変に深い思いを抱いていました。その気持ちは、業務用カメラのメーカーに長年勤めていても変わることがありませんでした。

    「私は民生品畑の人間なんです」と彼は私に話してくれました。「REDを立ち上げたときから、私は、いつかライブラリーとチームと技術を活かして、一般消費者向けの製品を作るという考えを持ち続けていました。5年か6年で実現できると思っていましたが、12年かかりました」



    一般消費者向けの何かを作りたいとは思っていても、Jannardは、REDでスマートフォンを作ろうとして動き出したわけではありません。しかも、王道から外れる技術にこれだけ依存したものなど考えていませんでした。Hydrogen Oneのようなスマートフォンの開発に踏み切る決断を下した理由は2つあります。ひとつは、スマートフォンが人々の生活に良い意味で大きな影響力があること。そしてそれには、彼自身が強く欲しいと思うものがあるということ。とくに、Leiaの研究所でREDが出会った、没入的な次世代のディスプレイの可能性に対する人々の意識が低いことに、彼は驚きを感じていました。

    「3Dの考え方(スマートフォンでの)は、悪くない。ただ、こいつみたいに簡単に実装できなかっただけだ」とJannard。「何も装着しなくてもいいし、充電する必要もない。私にとって、これは本当に楽なものなんだよ」

    REDの専門的なカメラ技術の積み重ねからHydrogen Oneは生まれました。これは「普通」からの劇的な決別となり、結果として、人々がこれまでまったく意識していなかった機能にチェックマークを入れることになるのです。それが、Jannardの望みでした。モバイル業界は「同じものばかりの海」から抜け出せずにいると彼は考えています。悲しいまでに従来型の製品を持って、もがきながら生きることだけは避けたいと思っていました。Hydrogen Oneは、そんなゲームの流れを変えるかも知れません。またはポシャる可能性もあります。ひとつだけ明らかなのは、REDは恐ろしいまでに素晴らしい、良い意味で最高に変な、非常に野心的なデバイスを作ったということです。成功するか否かは別として、モバイル業界はHydrogen Oneに大切なことを学べるはずです。

    編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
    原文著者:Chris Velazco

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