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一緒に泳げる水中ドローンBIKIを試す。尾びれで静かに泳ぎ、音波リモコンで水中操作可能

一方で現状では、画像データ転送など粗いところも

小山安博(Yasuhiro Koyama)
2018年6月7日, 午後06:30 in drones
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ドローンといえば、プロペラを使って空を飛んで動画や静止画を撮影するマルチコプター(クアッドコプター)を思い浮かべる人が多いでしょう。ドローンの細かい定義は置いておいて、最近では無人航空機以外でもドローンと呼ばれることが増えています。

今回紹介する「BIKI」は、水中ドローンと呼ばれる製品。その名の通り、水中を移動して動画や静止画を撮影できるモデルです。元々は米国のクラウドファンディングサイトKickstarterで成立した製品ですが、日本ではMakuakeによるクラウドファンディングを経て、先行販売が行われている状態です。

メーカーはRoboseaことBoya Gongdao (Beijing) Robot Technology Co., Ltd。価格は9万8000円(税別)ですが、現行執筆時ではMakuakeにおいてキャンペーン中で、8万4672円(税込)から入手できます。



本体デザインだけを見るとややずんぐりむっくりとしているようにも見えますが、流線型のボディの後部に魚の尾ヒレを装着して水中を移動します。この尾ヒレがポイントです。


▲魚というにはずんぐりですが、尾ビレや背ビレなどがあって泳ぎも安定しています

水中で移動する方法はいくつかありますが、スクリューの回転やジェット噴射のような機構の場合、どうしても水中をかき乱してしまいます。こうした機構では進行の安定性や速度は確保しやすいでしょうが、この方法だとどうしても波や泡が立つなど、周辺の環境に影響が出てしまいます。魚がいた場合は驚かせてしまうことにもなるでしょう。

そこで登場したのがこのBIKIです。魚の泳ぎ方を参考にして作られたこのモデルは、尾ヒレを左右に振ることで推進力を得ます。さらに人間のバタ足のように勢いよくではなく、一般的な魚と同じく静かな動きです。

ゆっくりと尾ヒレを動かすだけで泳ぐので、水をかき混ぜたりしません。そのため、BIKIの後ろからついて泳いでも視界を遮られることもなく、海底の砂を巻き上げたり魚を驚かせたりといったこともありません。一緒に泳いで尾ヒレに触ってしまってもけがをすることもないという安全性もポイントでしょう。

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▲実際に泳いでいるところ。周囲がほぼ波立っていないのがポイントです

実際に操作してみると、ちょっと気持ちが和むような泳ぎ方です。多少ぎこちないところもありますが、子供が一緒に泳いでもけがの心配をしなくてすむ安心感があります。


▲ライブビューで見ても、視界はほぼクリアです



その代わりスピードはそれほど出ません。機動性はスクリューなどに比べて落ちるので、そのあたりはトレードオフでしょう。また、海で試したところ、波に逆らって動けるほどの馬力はないようです。基本的には、静かな水域で遊ぶドローンという印象です。

改めて全体を眺めると、背ビレも有しており、全体的に魚らしいデザインです。興味深いのが、底面後方に2つある足のような突起です。何かのキャラクターのような見た目ですが、これは重量バランスをとるためのものでしょう。

実際にBIKIの安定性は高く、試用中にも水中で横転するといったことはなく、常に安定していました。このあたりの作りがしっかりしているため、安心して使えそうです。

本体サイズは272×110×181mm、重量は約1.2kg。大きさは抱えるほどもあって思ったより大きく重く感じますが、基本的には水に浮かせるだけで安定します。

ドローンで気になるバッテリーは、容量は3180mAhで、連続使用時間は90~120分間とされています。今回海で試した限りは、思ったよりも持続するといった印象です。空中を飛ぶドローンと比べると、長時間駆動なのがうれしいところ。



搭載しているカメラは1600万画素で4K映像の撮影が可能です。元々ゆったりと動くBIKIですが、カメラ部はさらにブレ補正用ジンバルを搭載。さらに尾ヒレの左右の動きを吸収する「チキンヘッドトラッキング」を搭載しています。これらにより、移動中に発生する揺れを補正するそうです。

実際に撮影結果を見てみると、こうした工夫がある程度は成功しているようで、多少の揺れは抑えられています。こうした点は穏やかな水域、特にプール内のような場所で効果を発揮しそうです。


▲これが付属の専用リモコン。スマホアプリに加えて、水中でもこのリモコンで操作できるシステムです


操作は、付属リモコンとスマートフォン(無線LAN経由)に対応。無線LANが届く範囲の場合は、ライブビューを見ながら操作できる、スマートフォンアプリからの操作が便利です。これはもっともドローンっぽい操作方法ですが、残念ながら無線LANの電波は水中ではあまり届かなくなります。

そこで付属のリモコンでは、とある工夫により、水中でも距離が稼げるようになっています。形状は「短いWiiリモコン」といった風情ですが、ボタンを押すことで前進、転回、上昇・下降、そして動画と静止画の撮影がコントロールできます。

このリモコンが水中でも距離が稼げる秘密ですが、ボタンを押すとクリック音が鳴るのがポイント。音波を使って操作するタイプなのです。水中では電波が飛ばないため、通常は有線を使って遠隔操作を行いますが、BIKIでは水中音響トランスデューサーを搭載し「コントロール信号をイルカのように音波に変換するシステム」を利用しているわけです。

一方、リモコンを使う上での注意点もここにあります。水中で音波を伝える必要があることから、コントローラーが水上にあり、BIKIが水中にある場合はコントロールができません。
BIKIが水中にいる場合、必ずコントローラーも水に沈め、水中からコントロールする必要があるわけです。

この水中音波リモコン、仕組みとしては面白いのですが、今回のテストではなかなかコントロールが難しいところでした。

近場の場合はコントロールできるのですが、いったん離れるとコントロールできないことがあり、そのままBIKIが水中を進んでいってしまうのです。コツがあるのかもしれませんが、今回はテスト時間を十分に確保できなかったため、自在に操作できるまでにはいたりませんでした。

また、コントローラーには水中での上昇下降を指定できるのですが、テストではどうしても沈んでくれず、こちらもテストできませんでした。海水用に重しも用意されており、そちらを装着したのですが、結果としては水面下をコントロールするだけにとどまってしまいました。

それに加えて、コントローラーは音波として信号を発するだけで、BIKIからのフィードバックがありません。そのため、動画や静止画を撮影できているのかどうかが分からないという問題もありました。

こうしたコントローラーのクセを考えると、基本的にBIKIは「一緒に泳ぎながらその様子を撮影するドローン」と言えそうです。



今回は浅瀬でのテストでしたが、より深いダイビングスポットなどで、一緒に泳ぎながらコントロールすることができればかなり楽しいように思えます。もちろん、プールでの利用も最適でしょう。不特定多数がいるようなプールでの利用は難しいでしょうから、なかなか使える環境は限られそうですが......。

そして今回難点だったのが、動画を撮影した後、本体からデータを取り出す方法が判明しなかったこと。本来はスマートフォンアプリに転送機能が用意されていそうなものなのですが、現状ではそうした機能がなかったため、直接の作例を紹介できません。

BIKIはこのように、現状では難しい点も多々ある製品です。ただし、もともと飛行ドローンも扱いが難しかったのが、各社の切磋琢磨により、昨今では比較的安価なドローンでも、簡単に、安定して操縦できるようになってきた歴史があります。

水中ドローンはこれまでももちろん存在していましたが、BIKIは比較的求めやすい価格で、しかもワイヤレスで操縦できるという点など、長所となる点は非常に面白いものを持った製品です。

現状でいくつか気になる点も、アプリ側やファームウェアののアップデートで解消できそうな点も多くありますから、今後のさらなるバージョンアップに期待したいところです。

※取材協力:モバイルプリンス

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