Sponsored Contents

transportationの最新記事

Image credit:
Save

慶大SFCで「レベル3」自動運転(試乗レポ)

6月10日には、無料で乗車体験できるのでお近くの人はぜひ

275シェア
71
133
0
71

連載

注目記事

SIMハイジャック犯、仮想通貨アカウントから数十万ドルを強奪。2要素認証を悪用?

SIMハイジャック犯、仮想通貨アカウントから数十万ドルを強奪。2要素認証を悪用?

View


昨年末に小田急グループの小田急電鉄と神奈川中央交通、そして慶應義塾大学が連携協定を締結し、最寄り駅と大学を結ぶバスの自動運転化や、地域活性化の取り組みを行っていくことを発表。

今回、6月1日から10日かけて、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)内で自動運転技術の実証実験第一弾が行われています。6日にその様子が公開されたので、あいにくの雨模様でしたが早速試乗してきました。

Gallery: 慶応大学SFC自動運転バスの実証実験 | 24 Photos

24

LiDERやミリ波レーダー、磁気マーカーなど装備

今回の実証実験では、キャンパス内に約500mのルートを設定。そこをレベル3の自動運転技術バスが走行します。

このレベル3とは、ドライバーが運転席に座った状態で、万が一のときすぐに対応できる体勢で自動運転走行を行う状態のこと。実験車両はSBドライブが所有する日野のポンチョ型バスをベースにしており、すでに沖縄や北九州、羽田空港などでの実証実験と同じものです。


▲慶応大学SFC内の道路を約500m走行するルートで自動運転を実施。バス停に停車し乗り降りすることも含まれている


▲SBドライブが所有する日野のポンチョ型バスで実証実験。コース以外のところでは、ドライバーが運転

すでに同バスは、レベル3よりも一歩進んだ「レベル4」の実証実験を羽田空港で行っています。SBドライブによると、ドライバーが同乗して、万が一のときに対応できなければならないという道路交通法の規制をクリアするため、遠隔運行管理システムにより万が一のとき緊急停止できるシステムを開発。特別に許可をいただいて実験したとのことです。

今回は、ワンランク下のレベルなので、外から見ているとドライバーが運転しているように見えますが、アクセルやブレーキ操作はせず、ハンドルから手を離した状態で運行しています。実験中は、学生や教職員も試乗して体験することができ、自動運転への理解と、実用化に向けての課題を把握することが実験の主な目的となっております。

自動運転バスを実用化するにあたり、2つの安全が必要だとしています。1つは走行の安全。交通事故の防止はもちろん、インフラとの協調も大きな課題になっています。今回のバスは、前方と後方、側方にLiDER(ライダー)を備え、前方にはさらにミリ波レーダーとカメラ、側方にはカメラと磁気マーカーセンサーを備えています。


▲バスに設置されている自動運転のための機器。人物は小学生低学年ぐらいの身長があれば認識するとのこと。動物は認識できない

基本的には、これらの機器によって障害物や人物などの認識をし、車線維持制御は、GNSS(GPSとみちびき)と磁気マーカーの情報を利用。高精度の地図やAIも活用して、車線変更やバス停での停止制御などを行うとしています。GPSの精度は誤差数センチ程度で、走行コースを実際にドライバーが運転して、道路状況や地図との整合性などを覚え込ませてから自動運転をするとのことです。


▲車体前方のLiDERとミリ波レーダー。


▲車体前方にあるカメラ


▲車体後方と側面のLiDERと屋根の上にあるGNSSのアンテナ

バスの場合、決まった路線を運行することになるので、自由に移動できるクルマと大きく違い、高精度の地図情報を活用しやすく、安全性の確保はしやすいとのこと。

また、SBドライブでは信号に関して、画像認識ではなく信号機に取り付けた発信装置によって、赤信号や青信号に変わるタイミングの情報を得るというスタンスだそうです。画像認識でも99%正確に判断するとしていますが、100%ではないため現状では信号に関して画像認識での利用はしないとのこと。

このあたりは警察との連携も必要となるので、すぐに公道での実証実験を行うのは難しいですが、安全性の確保としては4月に発表された「ロボネコヤマト」でも信号機との通信による信号の認識実験を行っているので、画像認識と信号機からの情報の併用で進められていきそうです。

もう1つの安全は、乗客の安全です。乗合バスの事故の3分の1は、車内での事故だそうで、自動運転により乗務員不在となると、車内での事故やトラブル、乗客への案内をどうすればいいのかが課題となっています。SBドライブでは、車内にカメラを設置し、AIによって人の行動を認識し、例えば走行中に席を立って移動したりすると、注意が促されるアナウンスが放送され、遠隔運行管理システムの方へも通知が行く仕組みを導入しています。乗客の安全をリモートで見守るとともに、車外の状況もカメラで確認できるので、万が一のときでも緊急停止といった対応もできるとしています。


▲遠隔運行管理システム「Dispatcher」の画面。社内外の映像のモニタリングや遠隔操作、緊急通話機能を備える。車内映像はプライバシー確保のため、リアルタイムに顔ぶぶんが色で塗りつぶされて表示されていた

また、通話ボタンを用意して、管理システムの人と話ができるようにしているとのこと。乗客への案内や、事故やトラブル時にどうすればいいのか指示する際にも役立つちます。ただ、この遠隔運行管理システムによってレベル4運用が可能ですが、1人1台のバスを見なければならず、これでは現実的ではありません。1人が複数台見るような監視体制になる必要があり、現状の道路交通法との兼ね合いが課題となっています。


▲現状レベル4の実証実験を行う上でクリアするための考え方

神奈川中央交通の経営企画部事業推進グループ課長 大塚英二郎氏は、今回の実証実験について、「まずは、自動運転バスの取り組みを行っていることを認知してもらうこと。最寄り駅から大学までを自動運転バスで運行できればと思うが、時期はまだ未定。自動運転バスを導入することで事故をなくすとともに、今後、山間過疎地域での住民の輸送手段が求められ、また、ドライバーの人件費削減やドライバー不足を解消する1つの手段として活用していきたい」と語りました。

SBドライブの長橋愛氏は、「今回技術的には新しいものはありません。沖縄での実証実験でも実際のバス運転手に運転席に座っていただき走行しましたが、実際に運転するとミラーでの確認も多いためレベル3の自動運転でもかなり負担が減ると好評でした。ですので遠隔運行管理によるレベル4ではなくても、レベル3の自動運転搭載バスを実用化していけば、運転手の負担軽減につながると思います」と、現状のバスでも実用化に近いことを示しました。

小田急電鉄の経営戦略部 課長代理 モビリティ戦略プロジェクトチーム 西村潤也氏は、「小田急グループとしては電車やバス、タクシーだけでなく、駐輪場や商業施設、ホテルなど不動産や流通も手がけています。自動運転バスの導入によってバス路線を維持していくことは、都市空間の価値を向上させることにつながり、小田急グループ全体にメリットをもたらします。いろいろなパートナーと協議していきながら取り組んでいきたい」としました。


▲ドライバーが運転席に着座しているが、ハンドルからは手を離した状態で自動運転走行が行われている

初心者より運転はうまい

実際に自動運転バスに乗りましたが、キャンパス内だったので、最高速度が15km/hほどに抑えられての走行でしたが、公道では法定速度での走行も可能とのこと。特に交差点でもスムーズに抜け、停止するときもカクンとならず、初心者より運転はうまいと思いました。「止まれ」の標識があるところは、確実に止まり、安全を確認した上で発信。また、バス停での停止時に歩道との距離も調整できるとのこと。今回は、ビッタリ寄せる設定にしていませんでしたが、LiDERとの組み合わせで縁石と5cmまで幅寄せできるそうです。


▲自動運転時の各種情報の表示


▲止まれの標識のところでは、きちんと止まるように設定されていた


▲今回は、縁石スレスレまで寄せて停止することはしていないが、5cm程度まで寄せられるという

車内には自動運転のためのコンピューターや各種機器を動作するための電源などがあるものの、運転席周りは通常のバスとあまり変わりません。6月10日の11時から16時まで、慶應大学SFCにて今回筆者が試乗したボンチョ型バスやエスティマHVベースの自動運転実験車の試乗ができます。無料なのでお近くの人は一度自動運転ってどんなものなのか体験してみるといいでしょう。


▲運転席周りは、そんなに改造や装置が付けられているわけではなく、ドライバーが運転する際にも支障はなさそうだ

関連キーワード: automotive, bus, driving, odakyu, softbank, test, transportation
275シェア
71
133
0
71

Sponsored Contents