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巨大な粒子加速器を1/1000サイズに小型化するための研究施設、スタンフォード大が建設へ

LHCが数十mになる?

Munenori Taniguchi
2018年6月13日, 午前08:00 in Atom
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日本語では単に加速器と表記される機械は、荷電粒子を光に近い速度まで加速させて的に当てたり、同じ速度で対抗してくるもう一つの粒子に衝突させることで発生する物理的現象を観測するためのもの。

扱うのが目に見えない粒子であるにもかかわらず、詳細な研究をするには巨大な装置が必要となります。なかでも最大のものが、スイス・ジュネーブ郊外にあるCERNの大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider : LHC)で、リング状の加速器の全長は27kmにもなります。

スタンフォード大学と米エネルギー省(DOE)によるSLAC加速器研究所は、どんどん巨大化する加速器の小型化を目指す、新たな加速器の研究開発に着手しました。

FACET-II (Facility for Advanced Accelerator Experimental Tests)と呼ばれるこの加速器は、高品質な電子ビームを使い、プラズマウェイクフィールド加速と呼ばれる手法を用いることで、今日の一般的な加速器に比べて1/100~1/1000ほどの大きさに収まるとされます。

プラズマウェイクフィールド加速では、強力に励起された電子を射出し、それがプラズマの中を通過する際に発生するウェイクフィールドという"追随する流れ"の中に収まるように粒子を配置することでこの粒子にエネルギーを供給します。電子のスリップストリームを利用する、とでも言えばわかりやすいでしょうか。

既存の加速器では十分な速度まで加速するのに数km~数十kmを必要としますが、この方法ではほんのわずかな距離があれば加速を完了できるのだそう。

またFACET-II では将来的に陽電子(電子の反粒子)の加速にも対応できる柔軟性があり、X線レーザーのような新しい電子発生源を使うこともできるとのこと。


FACET-II はまだ建設が始まったばかりで、早くとも完成は2019年になる見込み。また建設費用は2600万ドル(約29億円)にものぼるとされます。ただイニシャルコストは高くとも、そのコンパクトさからランニングコストは低くなると考えられます。また将来新しい加速器を設置するにしても、広大な土地をおさえる必要もないのは利点であることに違いありません。

また、加速器は素粒子分野や宇宙の起源に関する研究だけでなく、様々な分野で応用されています。したがってSLACだけでなく医療や半導体などにおける研究でも活用されることが考えられ、そこから人類にとって新たな発見が生まれるのだとすれば、コストに見合う価値があるものでありえるはずです。

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