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アメリカが開発した新スパコン「Summit」、世界最速の座を中国から5年ぶりに奪還

処理能力は1秒間に20京回

Engadget US(翻訳 金井哲夫)
2018年6月12日, 午後05:00 in science
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[Engadget US版より(原文へ)]

米エネルギー省は6月8日金曜日、世界でもっともパワフルなスーパーコンピューターを公開しました。「Summit」(サミット)と名付けられたそのコンピューターは、最大の能力を発揮すると、処理能力は200ペタフロップス(1秒間に20京回)に達します。これは、それまで世界記録を保持していた中国の「神威・太湖之光」(93ペタフロップス)も霞みます。

サミットは、以前のアメリカ記録を保持していた「Titan」(タイタン)と同じテネシー州オークリッジ国立研究所にあり、その7倍の速さです。言い換えれば、サミットは、普通のデスクトップコンピューターで30年かかるパスワード解析を、わずか1時間でこなしてしまうことになります。

サミットの4608台のサーバーは、テニスコート2つ分の面積を専有しています。IBM Power9プロセッサーを9000個以上、NVIDIA Tesla V100 GPUを2万7000個以上使用しています。このシステム冷却には、1秒間に約1万5000リットルの水が使われます。これは、8100世帯分の電力を発電できるだけの水量です。

サミットは、中国が5年間保持し続けた記録を単に破ったというだけではありません。これは人工知能を扱うために作られていて、機械学習、深層学習に使用でき、保健、物理学、気候モデリングなど、さまざまな分野に活用できます。



科学者たちは、彼らが呼ぶところの「エクサスケールの科学計算」をすでにサミットで実行させています。つまり、1秒間に10億の10億倍(1エクサオプ)という高速な計算です。しかしサミットには、そのほぼ2倍の能力を発揮できます。数百万ものゲノムの解析などの場合には1.88エクサオプで駆動しますが、混合精度計算を使用すると3.3エクサオプまで出せます。アメリカ政府は、2021年までに完全な能力を備えたエクサスケール・コンピューターのエコシステムを完成させたいと考えています。サミットはその第一歩なのです。

今後予定されているプロジェクトには、星(超新星)を爆発させて、金のような元素がどのようにして宇宙を移動するのかを解析したり、超伝導素材などの新しいタイプの素材の科学的なシミュレーションを行うことなどがあります。科学者たちはまた、遺伝子などの癌の要因、生物学的指標、環境の関係を膨大な医療データを処理することで探ってみたいと考えています。アルツハイマー、心臓病、依存症など、その他の疾病の指標を探るために、サミットを利用したいと思っている研究者たちもいます。「サミットは、これまでは単に手が届かなかったまったく新しい科学の領域を開こうとしています」とオークリッジ計算生物学者のDan Jacobsonは、広報資料の中で語っています。

スーパーコンピューターの開発競争は、アメリカと中国だけのものではありません。ヨーロッパ日本、その他の国々も、より優れたコンピューターを作ろうとしています。これらのマシンの目的は、健康と環境の研究だけに留まりません。航空機の設計や核兵器の開発にも使われてきました。そのため、スーパーコンピューターの開発は死活問題なのです。

編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文著者:Kris Holt

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