Sponsored Contents

thinkpadの最新記事

Image credit:
Save

まるでThinkPad版MacBook――秘密の試作機を大和研究所に見た

コンセプト検証モデルとは思えないほどの完成度

橋本 新義 (Shingi Hashimoto)
2018年6月20日, 午後10:00 in thinkpad
579シェア
45
534,"likes":480
0

連載

注目記事

1億画素超えカメラ搭載スマホ、シャオミ「Mi Note 10」のグローバル版を試す。日本での発売に期待
12

1億画素超えカメラ搭載スマホ、シャオミ「Mi Note 10」のグローバル版を試す。日本での発売に期待

View

ノートPCシリーズThinkPadをはじめ、各種IT機器を手がけるレノボジャパンが、ThinkPadの開発拠点である『大和研究所』のプレスツアーを開催しました。今回のメインテーマとなったのは、ThinkPadのブランドと耐久性の評判を陰で支える各種耐久テストと、その試験環境の最新版(常にアップデートされているのです)の公開です。

そしてその前に開かれた説明会にて、サプライズとして薄型・軽量ThinkPadの初期プロトタイプが報道陣に初公開されました。これは若干乱暴な表現をすれば、「世に出なかった、12インチMacBookに正面から対抗するThinkPad」あるいは「12インチ級のX1 Carbon」とも呼べるモデルです。

なお同機はコンセプト評価用とはいえ、Windows 10が実動する状態。今回は「試作だけに留まるにはあまりに勿体ない」という定型句がふさわしいほどの完成度を備えた、このモデルについて紹介します。

Gallery: ThinkPadのコンセプト検討用プロトタイプ | 21 Photos

21



このモデル、および現在のThinkPadにおける開発プロセスの紹介を担当したのが、レノボジャパンの執行役員常務である横田 聡一氏。製品テストなどを統括する立場にある同氏は、ThinkPadファンの間では長年開発に関わってきた重要人物としても知られる方です。



横田氏は説明会において、ThinkPadの『イノベーションのパイプライン』として、シリーズ全体を俯瞰した進化のプロセスを語っています。同氏はその中でも重要なポイントとして、開発チーム内で『PoC』 (Proof of Concept)と呼ばれる、コンセプトとプロトタイプの検討・実証期間(おおまかな行程としては2つ目)を挙げました。

今回の試作機も、このPoC期間における検討用として作られた初期プロトタイプとなります。横田氏は「現行のThinkPad X1 Carbonの場合、発売までには約2年半を掛けている」と話していますが、その初期に作成されたモデルとのこと。


▲左側にあるのが発売バージョンとなったX1 Carbon 5th/2017年モデル。ですが、サイズからして大きく違います

さてこの試作機の特徴は、結果的にX1 Carbonとなったモデルながら、同機とはフォームファクター(液晶パネルサイズ)からしてまるで違う点です。液晶パネルサイズは非公開ながら「12インチ台」と紹介されました。実機を比較してもX1 Carbonの14インチよりかなり小柄で、まさに「12インチ級ノートPC」と聞いた際に想像されるサイズ感です。


▲左側面にはUSBタイプCが1基のみ。右側面にはまったく端子がありません

そして本体の端子は左側面に搭載するUSBタイプC×1基と、底面に配置された専用アダプタ端子(実装はいわゆるポゴピンとなっており、かの合体周辺機器『ThinkPad Stack』を彷彿とさせるものです)のみと、非常に割り切った仕様です。


▲拡張端子をまとめた専用アダプタ。天面側の突起とポゴピンで本体と接続されます

対して専用アダプタにはUSBタイプA×2、ミニDisplayPortとHDMI、RJ-45 Ethernet(有線LAN)、3.5mmオーディオジャックが用意されます。有線LAN端子としてRJ-45が実装されているのがThinkPadらしいところでしょう。また、アダプタ側に給電手段がなさそうな点も興味を惹かれます(左右に配置された端子はありませんでした)。


▲本体を裏返してドッキングした状態。各種端子は本体の淵から見てかなり奥に配置されます


▲アダプタをドッキングさせた状態では、背面側がかなり高くなり、キーボードに傾斜が付くタイプの設計です

ちょっと面白いのが、本体底面にドッキングさせた際の位置。底面側から見ると、かなり端子が奥まって配置されているのです。これはどうやら、各種ケーブルを接続した場合の端子部までを本体底面に「隠す」ことで取り回しを良くできないか、と考えられたように思えます。

液晶を開いた状態でケーブルを装着すると面倒そうですが、先にケーブルをアダプタに装着しておき、後から本体を乗っけて使うという運用を基本として考えられた結果のようです。いずれにせよこの配置は市販のPCではあまり見られないほど奥まっているだけに、興味深かったところ。



キーボード回りは、目視では初代ThinkPad X1 Tabletに近い仕様にも見えました(ストロークはX1 Tabほど浅くはありませんでしたが)。US配列ということもあってか、幅の狭いキーもほぼ存在しないのがポイント。もちろんTrackPointも、独立ボタン付きで搭載します。


▲ファンクションキーのアイコンは2015~16年仕様。なお液晶側はきっちりと180度まで開きます

また見逃せないのは、ファンクションキーのアイコンが、2015~16年モデルの仕様となっている点。歴戦のThinkPadファンであれば、このことからも、実は相応に前に作られたであろう......とあたりを付けられるはずです。


▲記者たちから驚きの声が出た天板の編み込みカーボン調。ここでは露出をかなり明るめにしていますが、実物はデルのXPS 13にも似た、テンションが上がる仕上げです

合わせて非常に興味深いのが、本体のカラーリング。キーボード面は現行のX1 Carbonのブラックとシルバーの中間的なグレーとなっているのだが、なんと天板(液晶背面)側と底面側は、いわゆる「編み込まれたカーボンファイバー」の柄となっているため。

実際のテクスチャーもプロトタイプとは思えないほど洗練されており、報道陣の間からも「これは実際の製品にも欲しい仕上げだ」という意見が出たほど。カラーリングだけでも、X1シリーズの限定モデルなどに採用されたら、かなり良い評価となりそうに思えます。


▲液晶パネルのベゼルは「狭めながらあまり欲張ってはいない」印象。このあたりも2017年版以降のX1 Carbonとは印象を異にします

このように、今回公開された試作機は「12インチ級の本体サイズで薄型、さらにアダプタのない状態では本体にはUSBタイプC×1基のみ」という、仕様から見るとアップルの12インチMacBookに正面から対抗するようなモデルとなっています。

また重量に関しても、数値は未公開ながらX1 Carbon(公称1.12kg)と比べても本体サイズ相応に軽く、冒頭でも紹介したようにまったくの別物、という印象です。


▲X1 Carbon 2017年版(左)との比較を別角度から。実物を見ると、製品だと言われても驚かない仕上げです

横田氏はこの試作機に対して「これがそのまま欲しいという意見もありました」と、社内外から評価があった点を認めつつも、やはり昨今のThinkPadシリーズとして「需要の高い拡張端子を外付けアダプタに移動させるのは、総合的なユーザーの使い勝手を落とす」などの理由から、現状のX1 Carbonへのコンセプトへと移行した、と紹介しています。

また同機は「手作りのため、10台も作っていない」とのこと。筆者はこの話を聞いた際「むしろ、初期試作機を10台近くも作るのか」と驚いたのですが、ThinkPadの場合ワールドワイドでの評価を必要とする点から、それだけの規模となる模様です。


▲X1 Carbonのカメラ位置を決める際の試作例。ここまで作って検討しても、やはり「見上げる形のカメラはテレビ会議などに適さない」とボツにされたそうです

また、今回は実機こそ公開されませんでしたが、横田氏が解説してくれたスライドの中には、同じくX1 CarbonのWebカメラ位置検討モデルとして、ファーウェイの『MateBook X Pro』に近い、キーボード面奥側からカメラがポップアップする試作機も掲載されています。



今回これら試作機が公開された理由は、現状のThinkPad(とくに高級機種)では、多くの試作機を経てコンセプトが固められ、実際の製品として送り出される......というプロセスを紹介するためでもあります。筆者も取材などを重ねてそういった話は聞いていましたが、実際にここまで製品とは異なったモデルが試作されているという点を見せられて、改めてその規模とコストの凄さに驚いた次第です。



広告掲載についてのお問い合わせはad-sales@oath.com までお知らせください。各種データなどはこちらのメディアガイドをあわせてご覧ください。

579シェア
45
534,"likes":480
0

Sponsored Contents