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P20 Pro独占販売のワケ、5Gはどう展開?──ドコモ吉澤社長インタビュー:週刊モバイル通信 石野純也

まだまだサプライズがありそう

石野純也 (Junya Ishino)
2018年7月13日, 午後03:00 in docomo
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ドコモの代表取締役社長、吉澤和弘氏が、筆者のインタビューに答えました。シンプルプランやベーシックパックなどの新料金プランを矢継ぎ早に導入してきたドコモですが、まだ攻勢の手は緩めないようです。5G時代に向けては、コンテンツやサービスがセットになったバンドルプランも検討しているといいます。

端末に関しては、シーズンごとに1、2機種程度、ドコモ独占を用意していきたい意向。ファーウェイ製の「P20 Pro」を国内独占で販売して話題をさらったドコモですが、今後もこうしたサプライズがありそうです。

また、2020年に導入される5Gをどう展開していくのかのイメージも語られました。エリア構築に関する考え方は、3Gや4Gとは大きく異なるようです。先日発表された、公正取引委員会の報告書に対する考え方も聞きました。そのインタビューの模様は、以下をご覧ください。

新料金プランの効果は

──シンプルプランやベーシックパックなどを、矢継ぎ早に導入してきました。その効果はいかほどでしょうか。

吉澤氏:シンプルプランをベーシックパックにも適用して、利用量の少ない方への対策はかなりやってきました。最低を200MBからにしろと言われるとちょっと難しいですが、対応はできています。

MVNOへのポートアウトも、数は増えてはいませんが、減ってもいません。2、3年前はガーっと上がってちょっと減り、1年ぐらい前から安定してきています。前はどんどん増えていましたが、フラットになりつつありますね。ただし、サブブランドの影響は、まだ少しだけあります。

そういう影響もある中で、新料金やdocomo withが入り、それなりに効果が出て、(流出は)止まってきています。


▲シンプルプランやベーシックパックなどを、矢継ぎ早に導入してきた

──一方で、料金関連の発表が矢継ぎ早で、まだユーザーに浸透していないという課題もあるのではないでしょうか。

吉澤氏:ショップに来ていただいたお客様や、ネットにアクセスしていただいたお客様に料金診断をやらせていただいています。いいプランは何かというツールを用意しつつ、ショップに来ていただいたときは極力診断させていただくようにして、お客様が有利になるよう、プランの変更をオススメしています。

我々としては、還元は継続的にやらなければいけないと考えています。今矢継ぎ早とおっしゃられましたが、私自身、「矢継ぎ早にやるんだ」とお話しています。(料金改定の)回数は多く見えるかもしれませんが、ターゲットを決め、ある程度対象を絞りながらやるようにしています。


──そういう意味では、まだほかのターゲットもあるのでしょうか。

吉澤氏:色々と検討しているものがあります。お客様をセグメント化しながら、ここはできている、ここはできていないというような見方をしています。ちょっと前にシニア向けを考えますと言っていましたが、らくらくスマートフォンがdocomo with対応して、料金もだいぶ安くなってきました。

料金ではありませんが、シニアに関しては、スマホ教室をショップで強化しています。今、月に10万以上のお客様に来ていただけるようになり、内部では「年間100万を超えろ」という話をしています。シニアの方は、料金というより使い方が重要で、スマートフォンをもっと活用してもらう必要があります。

今回の災害もそうですが、こういったときは、フィーチャーフォンでも情報が取れることは取れますが、スマートフォンの方が取りやすい。スマートフォンを見守りに使うということもできます。そういったことも、もうちょっと考えていかなければなりません。


▲春モデルでは、らくらくスマートフォンもdocomo withの対象に


──月に10万以上は多いですね。

吉澤氏:2400店舗程度ありますが、ほとんどのお店で、1日2回ずつやっています。

──逆に、ドコモショップは混雑がすごい印象があります。先日たまたま日曜日に行ったところ、まさかの5時間待ちでした......。

吉澤氏:土日は特にお客様が集中してしまい、開店に合わせてどっと行列ができてしまっています。1つ(解決策として)あるのは、予約ですね。そうはいっても土日は予約しづらいのですが、平日でしたら予約してその時間にピンポイントで来ていただくことができます。また、手続きや説明の中で、事前にできるものはタブレットを見ていただくことで対応しています。説明事項や確認措置などはタブレットを見ていただき、対面での時間は極力減らしていきたいですね。

変更の処理などは、極力Webでできるようにすることも考えています。コールセンターもさることながら、Webでできるようにしたい。「my daiz」も出てきているので、「そろそろ変更した方がいいですよ」といったことを連絡して、その場でやっていただく手もあります。オペレーションを窓口以外で済ますことは、もっと考えていかなければなりません。

5Gの料金プランはコンテンツバンドルの方向

——料金についてですが、KDDIがNetflixとビデオパスがセットになったバンドプランを発表しました。あちらについては、どうお考えでしょうか。

吉澤氏:Netflixかどうかは別にして、5G時代になると、特に法人では、サービスがいくら、通信料金がいくらというのではなく、それらが融合した料金体系で、ビジネスを一緒に作っていくことになります。コンシューマーも通信容量は20倍、30倍になると思いますが、料金を20倍、30倍にするわけにはいきません。こういうサービスをご利用する場合は一括でいくらというように決めてしまうやり方は出てくると思います。ドコモがauのNetflixのプランに今すぐ対抗して何かを出すことはありませんが、バンドプランの走りであると考えています。


▲auのNetflixプランは、注視していく構えだ


——容量ではなく、コンテンツの種類なりで選べるようになるということでしょうか。映像系のサービスをまとめて、通信料とセットでいくらというのはありそうですね。

吉澤氏:今までも、コンテンツをまとめて安く提供するということはやっていました。確かに映像は映像でまとめてしまうのは、1つあると思います。

スマホ「独占販売」は今後も続く?

──次に端末についてですが、吉澤社長が就任されてから、2画面スマホの「M」やdocomo with、P20 Proの独占販売など、何かと話題が多い印象があります。これは、吉澤社長の方針として打ち出しているのでしょうか。

吉澤氏:僕自身の考えですが、ラインナップはたくさんあった方がいいと思っています。ラインナップを絞ると、お客様の選択肢が狭まってしまうからです。今はハイエンドとミドルレンジを入れていて、ミドルレンジの下の方をdocomo withにしていますが、docomo withも安かろう悪かろうではなく、今の技術であれば長く使えるものです。

ハイエンドは、できればドコモだけのものを1機種、2機種ぐらいは出したいですね。それがないと、端末が3社でほとんど同じものになり、話題にもならなくなってしまいます。P20 ProもLeicaやAIなどで非常に特徴がある商品です。そういったものは、ぜひいくつか出していきたいですね。P20 Proについては「なんでドコモだけなんだ」ということも言われてしまいましたが、ドコモとしてはdタブでの関係もあり、そういったことになりました。


▲夏モデルではグローバルで話題になっていたP20 Proを独占し、反響を呼んだ

──今はスマホやタブレットが中心ですが、5G時代には、それ以外のものも期待されていると思います。どういったものをお考えでしょうか。

吉澤氏:5G対応のスマートフォンやタブレットも当然出てきますが、それと組み合わせたARやVRなどにも注目しています。VRは5Gの力をもろに反映できます。スマートフォンで4Kといっても、4Kで撮った映像もテレビに出力すれば別ですが、単体で見ても分からないと思います。ただ、VRのゴーグルだったりが出てくれば、それも変わります。

あるいはスマートグラスですね。グラスは今、研究開発させていますが、解像度も高くなり、視野はもっと広くなります。そういったものが出てくるのではないでしょうか。

──5G開始まで2年を切っていますが、どのように展開していくお考えでしょうか。

吉澤氏:考え方として、2020年にはオリンピックがあるので、その会場や会場への導線が中心になります。あとはトラフィックもありますが、ユースケースとして5Gの特徴を生かせるビジネスができるところがエリアになります。たとえば、遠隔医療だと地方の大学病院が中心になりますが、そういったところも何カ所かが対象になります。3Gや4Gのように、トラフィックが高いところからネーションワイドでやるというのではなく、今の5Gの特徴が生かせるところにエリアを広げていくという考え方になります。


▲5Gは、エリアの設計思想も従来とは異なってくるという

──そのエリア設計は、今までとかなり違いますね。ちなみに、周波数帯はどうでしょうか。28GHzなどの高い周波数帯も想定されていますが、直進性が強く、なかなかエリア化は難しいと思います。

吉澤氏:実験でもやっていますが、高い周波数は遮蔽物があるとなかなか厳しいですね。我々もビームフォーミングで極力届くようにしていますが、基地局の設置の仕方もどういうふうにするのかは、考えなければなりません。たとえば、スタジアムに5Gを入れるときは、横に基地局を置くと端末と基地局の間に人が入っただけでダメになってしまうので、天井から電波を降らせるような形でやるといったように、工夫をどんどんしていく必要があります。

帯域幅を多く取れるのは28GHz帯のような周波数ですが、もう少し信頼性のあるところで、4.5GHz帯や3.7GHz帯なども含めて、適用領域を明確にしていかなければならないと考えています。

公取委の報告書には「しっかり対応」


──最後に、公正取引委員会から出た報告書に対して、どう対応していくのかを教えてください。

吉澤氏:基本的にはお客様のチェンジングコストを高くするような(4年割賦とアップグレードプログラムの)組み合わせなどの行為に対して、疑義があると言われています。あとは2年縛りの問題もあり、最後の利用月の料金を日割りにせよということも言われていますが、ここにはある程度真摯に応えていかなければいけないと考えています。

ただ、日割りはシステムも作らなければならず、コストがかかりますし、今の定額プランになじむのかという問題もあるので、実際にできるかどうかはあります。今は25カ月目と26カ月目で(違約金なしの無償解約が)できるようになっていますが、そのレンジを広げて、2カ月だけでないようにするというのも1つの答えとして考えられます。いくつか考えられるものがある中で、しっかりと対応していくつもりです。

また、公取に関してはSIMロックの話もあり、中古品も解除するという話がありました。中古品に関しては、残債がどうという話もないので、すぐに対応できます。残債がなければ、すぐにSIMロック解除するというのは、今後やっていく方向の1つです。

もう1つ、MVNOの接続料のコストを低減すべきという話もありましたが、今も算定式があり、接続料はそれに当てはめて出しています。これ以上どこまで下げるには、やり方を考えなければなりません。ただ、実態として、数字は下がってきています。

──一方で、MVNOからはトラフィックの増加率に対して接続料の低減率が追いついていないという話も出ています。10Mbpsごとの接続という仕組みには、限界もあるのではないでしょうか。

吉澤氏:MVNOという意味では、相互接続だけがすべてではありません。禁止行為規制が緩和された中で、卸での契約もあります。回線数などをコミットできるようにしましょうというところはありますが、遠隔医療機器のように、何十万台出るというものはそういう方向になっています。時間帯別にというような話が出ているのも承知していますが、そこはなかなか難しいところで、ダイナミックにやろうとすると、そう簡単な話ではありません。

──ありがとうございました。

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