2019年も引き続きLCD版iPhoneを投入?当面はOLEDと2本立てのツートラック戦略を続けるとのうわさ
OLED版はサイフに厳しいですしね
アップルが2019年以降のiPhoneを全面的にOLED化する計画を修正し、引き続きLCDモデルも投入する「ツートラック戦略」(OLEDとLCDモデルの2本立て)をしばらく維持していくの観測が報じられています。
韓国メディアのThe Bellによると、アップルは2019年に予定する新型iPhone用のLCDパネル開発をLG Displayに要請したとのこと。その背景には「高価格なiPhone Xが予想したほどには売れず、消費者が価格に敏感であることが確認された」という事情があったとの、関係者の話が伝えられています。
1000ドル近い価格設定のiPhone Xは、当初は「高額な価格設定のために売上不振傾向にある」と推測されていました。が、ティム・クックCEOは2018年2月の第1四半期業績発表において「iPhone Xは私たちの予想を超える売れ行きで、昨年11月に出荷を開始して以来、毎週最もよく売れるiPhoneとなっています」と述べて、そうした見方を否定しています。
しかし、iPhone Xをはじめ2017年後半に投入された新端末は、顧客が先を争って新モデルを買い換えて売れ行きを加速し続ける「スーパーサイクル」を起こすに至らなかったことは事実のようです。
さらにアメリカの市場調査機関CIRPのレポートによると、2018年第2四半期には、iPhone 8 Plusが米国市場でiPhone売上の24%を占めるトップセラーで、iPhone Xは17%に留まったとか。その販売率を分けた主な原因は、iPhone XとiPhone 8シリーズとの価格差だと分析されています。
このため、アップルも全モデルをOLEDに移行する計画の見直しを迫られたと推測。「iPhone Xの販売率が予想よりも低調で消費者が価格に敏感だと分かったので、当面の間は(低コスト・低価格の)LCD版iPhoneも出すしかないだろう」との関係者の見方も伝えられています。
今年秋にアップルはiPhoneの新型を3タイプ、すなわち5.8インチおよび6.5インチのOLED型と、比較的安価な6.1インチLCD型を投入するとの予測が限りなく定説となっています。2017年にはiPhoneXとiPhone 8およびiPhone 8 Plus、つまり「OLEDタイプ1つとLCDタイプ2つ」から、2018年には「OLED2つとLCD1つ」に、2019年にはオールOLEDへと徐々にシフトする目論見だったとも思われます。
とはいえ、現時点ではOLED化は高価格化とほぼイコール。そこそこの値段でそこそこの機能を求めるユーザーから、最先端のために金に糸目を付けないハイエンドユーザーまで幅広く「スーパーサイクル」に巻き込むには、当面はツートラック戦略を続けるほかないかもしれません。