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Maker Faire Tokyo 2018レポート、ユルものからガチものまで趣味全開が面白い!:ウェブ情報実験室

何でもアリな、不思議で自由な空間でした

宮里圭介 (Keisuke Miyasato)
2018年8月9日, 午後12:30 in events
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こんにちは、フリーライターの宮里です。

ものづくりをする人々(Maker)が集まり、ジャンルを問わず、さまざまなオリジナル作品の展示、販売を行うイベント「Maker Faire Tokyo」(MFT)。夏の恒例となった感もあるMFTが、今年も8月4日、5日の2日間に渡って開催されました。どれもこれも素晴らしい展示ばかりで目移りしまくりましたが、個人的に気になったものを中心に紹介します!

昨年のMFTの出展者数は約450組、来場者2万名というものでしたが、今年の出展者は約600組にまで増加。出展だけでもボリュームが大きく増しており、さらに出展以外にも、子供から大人まで体験しながら楽しめるワークショップ、メーカーによる物販、そしてステージなど、数多くの楽しみが詰まっています。

見る人によって楽しいと感じる部分は大きく変わりますが、あまりの多種多様ぶりに、必ず琴線に触れるものが見つかるといっても過言ではないでしょう。これだけ出展数が多いと、2日間フルに会場を回ってもすべてを見るのはまず不可能。そんなわけで、ユルイものからガチなものまで、気になったものを駆け足気味に紹介していきましょう。

とくに気になったのはこちらの2つ


まずは、アイディアと完成度の高さに感心したのが「はんなりらっくす」さんの「直径8cmのほのぼのせかい」。ゆるくかわいらしい小さな絵皿で、モノとしてだけ見ても結構な魅力があるのですが、実はこれ、ARのマーカーとして機能します。専用アプリをスマホに入れてカメラ越しに見ると、箱庭的な動きのある世界が繰り広げられたり、簡単なメッセージが出たりと、かなり楽しいことに。


▲かわいらしいイラストの入ったシンプルな小皿たち。なんでも80枚ほど用意したそうですが、完売したとのこと


▲スマホ越しに見ると、アニメーションするイラストや文字が浮かび上がるというのがユニーク。さらにズレも少なく、違和感なく合成されます


▲プログラム担当、絵皿担当、広報担当と役割がそれぞれ違うとのこと。ARが見た目に楽しいこともあり、ブースはかなりにぎわっていました


アプリをアップデートすればARで表示する絵や文字を変えられるので、これを使えば広告表示だって可能です。例えばイベントの告知を出したり、セール情報を表示したりと、捨てられることのないチラシのように使うことだって考えられます。

単純なARアプリだけ、絵皿だけではなく、この2つを組み合わせることで何倍もの価値になるアイディアに感心しました。アニメやマンガなどと組んでグッズ展開しても、かなり面白そうですよね。またARは静的なものばかりではなく、Twitterにアップされている動画のように、派手なアニメーションのお皿もありました。



続いては、純粋に面白いと感じた「ATMM」さんの「電拳 ~DENKEN~」。これはジャンケンで必勝するためのデバイスで、大きく分けて2つの装置で構成されるもの。

ひとつは、勝つために相手の手を先読みする装置で、LeapMotionを使って手の動きを読み取り、機械学習を使うことで相手の手を予測していました。これだけでは単なる予測で終わってしまうので、この予測を何らかの手段でプレーヤーに伝える必要があります。この伝達に使うのがもうひとつの装置で、ゲル電極を使った強制的な腕の操作です。ある意味、人体ハックといってもいいんじゃないでしょうか。

これらにより、相手の出す手を素早く予測し、その結果から勝てる手を本人の意思とは関係なく強制的に出すよう操作するという、サイバーなデバイスになっていました。


▲黒い箱で隠れてしまっていますが、この内側にLeapMotionがあり、後ろのMacBookでジャンケンの手を予測します


▲実際に体験させてもらいました。腕への電極はこんな感じに4か所装着し、これでグーとパーの操作が可能とのこと。よりちゃんとした操作とチョキへの対応をするなら8か所付けた方がいいそうですが、今回は体験なので簡易版です


▲ATMMのメンバー。今回はこの「電拳」のほか、つるはしの模型を実際に振り回してマイニングする「リアル仮想通貨マイニング」も展示していました。こういう言葉遊び、大好き


さっそく体験させてもらったところ、確かに腕への電気的な刺激で指が動く感触がありました。安全のために電流を抑えめにしているということもあり、また、指が動きやすい人と動きにくい人がいるとのこともあるので、自分は強制的に指が操作される体験まではできませんでした。しかし、かなり面白かったことには変わりありません。次に機会があったら、電流多めに流してもらおう。

デモ動画が用意されていますので、どんな動きになるのか具体的に知りたい場合は、こちらをどうぞ。



通りすがりに思わず目を引きつけられてしまったものたち


次に、素通りするのが難しいほど強烈なインパクトのあった展示の数々を紹介しましょう。基本的に、どれもこれも気になるものだらけだったのですが、その中でも、通り過ぎた後で思わず戻ってきてしまうほどの魅力があるものを集めました。

まずは、とにかくビックリした「わくわくメイカー」さんの「実物大IV号戦車」。自走を目指しているとのことで、上物は木製で軽量化を図りつつ、フレームは金属でしっかりと作っているとのこと。取材時点では「数日前に組みあがったばかり」とのことで、まだ動かすことは無理でしたが、今後が気になりますね。



筆者は個人的に小物が好きということもあり、ミニチュア工具を作っていた「HINOKO」さんの展示も食い入るように見てしまいました。各種かなづちややっとこ、ハサミなど、日曜大工よりも職人寄りな工具という渋いセレクトで、精巧なうえに可動するというのが驚きです。アンティークな雰囲気のある扇風機やライトもちゃんと機能していました。



ずらりと並んだ手のひらサイズペンプロッターが圧巻だったのが「いしかわきょーすけ」さんの展示。同氏はこのプロッターを月に1~2台くらいのペースで作っているとのことで、会場では実際にボールペンで絵や文字を描いてデモをしていました。キット販売していたら問答無用で購入してしまいたくなるほどの出来栄えです。



普通じゃない目覚まし時計を作っていたのが「nanka」さん。「JIKKALARM2」は、実家での心地よい目覚めを再現するため、包丁の音と味噌汁の匂いをアラーム代わりに使うというアイディア品。音は生音。つまり、包丁が動きます。

また、味噌汁の匂いは「これ以上はないくらい、限りなく本物に近いもの」を使ったとのことで、こちらも確かにこれ以上はないくらいほどのリアリティがあります。包丁が結構なペースで動くので、別の意味でも目が離せませんでした。このほか、寝過ごし防止用の帽子というユニークなアイテムも。



「ぱなりラボラトリーズ」さんは、人工水晶を使った発振器を作っていました。電子工作好きなら金属に覆われた水晶振動子を使ったことがあるという人もいるかと思いますが、その代わりに、人工水晶の結晶を丸ごと1本使っているというインパクトがあるものです。会場では約237.9kHzで安定発振していました。ちなみに天然水晶でも挑戦しているそうですが、なかなかうまくいかないとのこと。



子供のころから遊んでいるにも関わらず、いつもゲーム名がわからないので困る「いっせーのせで指の本数を当てるあのゲーム」を作っていたのが「ほいっと笹乃屋」さん。

入力は音声で行ない、ロボットが2人分を担当。1人でも3人いる気分で楽しめます。ゴム手袋の中身が気になるといったら、快く中身を見せてくださり、機構の解説までしていただきました。その節はありがとうございました。



自動化したけどやっぱり自分で遊びたくなったという、複雑な進化を遂げた「デレステ自動プレイマシーン(物理)」を展示していたのが、「Project Maf:Zaf」さん。

スマートフォン向けリズムゲームであるデレステこと『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』を自動でプレイする機械を作成した同氏ですが、今回の展示はそこから発展させて、リモートでの手動コントロール機能を付加しています。

機構的には、スマホ側の画面は機械が操作するため、画面はプロジェクターで大きく表示し、さらに物理ボタンを搭載。自動プレイマシンを操作用インターフェースとして使い、物理ボタンを押すとスマホを遠隔操作できるようにして、大画面でのプレイを実現したというものです。

デレステはフリック操作を必要とするのですが、それに対応すべく、「ボタンでフリックできるよう、左右スライド機構を自力で追加した」というこだわりが素晴らしい作品でした。



Gallery: Maker Faire Tokyo 2018 レポート1 | 7 Photos

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工作好きなら気になるマイコンボードやツールが多数展示・販売


会場内では、出展者の多くの人が利用し、そしてこのMaker Faire Tokyoの会場に来る人の多くも使ったことがあるだろう、ArduinoやRaspberry Piといったマイコンボードの類も多数販売されていました。そのうち、とくに気になった関連商品を紹介します。

まずは、ソニーの「SPRESENSE」。7月31日に発売されたばかりの製品で、約50×20.6mmという超コンパクトなサイズながら、CPUに6コアARMを採用し、さらにGPSやハイレゾ音源まで搭載、それでいて5500円と低価格なのが特徴です。

別途ArduinoとIOピン互換となる拡張ボードも用意されているので、多くのシールド基板が利用可能となります。会場では、音楽プレーヤーやロボット、ドローンなど、実際にSPRESENSEを使った作品と一緒に展示されていました。



続いて、カンブリアンロボティクスの「obniz」。APIで操作できるのが最大の特徴で、準備といえばobnizをWi-Fiでインターネットに接続することくらい。あとは表示されたQRコードで開いたページからJavascriptを使ってプログラムできます。

またIOの出力電流は最大1Aと大きいので、ドライバなしでモーターも動かせてしまうのがすごいところ。もちろん、搭載しているOLEDパネル(有機ELディスプレイ)の表示は自由に変えられますし、Bluetooth Low Energy(BLE)も利用可能と、ビックリするほど多機能です。こちらは5980円で発売中



ジンジャーデザインスタジオの「Ginger Bread 1」は、リチウムポリマー(Lipo)充電池を直接取り付け可能なArduino Pro Mini互換基板。充電・給電機能を最初から搭載しているので、Arduinoを組み込むときに地味に面倒だった電源周りが、ものすごく簡単になります。

数量限定の先着順でしたが、会場では無料でサンプルが配られていました。既に現在販売中で、ウェブサイトから1枚1000円で購入可能。低価格なのもうれしいですね。



こちらはコンピューターではないのですが、とても気になった「Programmable Breadboard」。制御にRaspberry Pi Zeroを使った高機能ブレッドボードで、PCからの操作で任意のポイントを結線できるという優れものです。

面倒で間違いやすい配線の手間がいらず、回路の組み換えも手早くできるため、プロトタイプ作成にものすごく活躍してくれそうです。



これ以外にも、ディスプレイ付き小型マイコンの「M5Stack」、5×5のLEDや各種センサーを搭載している「micro:bit」「thinker board」「LattePanda」など、多くの製品が並んでいました。

Gallery: Maker Faire Tokyo 2018 レポート2 | 8 Photos

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個人的に注目している自作キーボード界隈

最後に紹介したいのが、個人的に注目している自作キーボード。この分野ではある意味最大手ともいえるGoogleも展示しており、毎年4月1日に発表している入力デバイス("エイプリルフールのネタ"と言ったら、「4月1日に発表しているだけで、エイプリルフールとは関係ありません」と訂正されました)がずらりと並んでいました。

設計図などはオープンソースで公開されているので、その気になれば自作可能です。ちなみに、開発は結構な時間をかけてまじめにやっているとのこと。真剣でクオリティの高いおふざけができるっていいな、と心底思いました。


▲2015年発表の「Google日本語入力 ピロピロバージョン」。紙のロール部分までの距離によって異なる文字を入力できます。手を使わずに息だけで入力できるという画期的なアイディアで話題となりました


▲2013年発表の「Google日本語入力 パタパタバージョン」。入力したい文字が出るまでボタンを連打するというシンプルなUI。ワンボタンで全部の文字が入力できるという画期的なアイディアで(以下略


▲2016年発表の「Google日本語入力 物理フリックバージョン」。スマホなどのフリックに慣れている人でも、PCでの入力が手軽にできるよう開発されました。あえて物理実装するという画期的な(以下略


この物理フリックバージョンに触発されて開発したというのが「じゅにゃ・たま・ちぎ」さんの作品。

Google本家のものはサイズが非常に大きくなっていましたが、物理的に基板を動かすというフリック機構を採用することで大幅な小型化に成功しています。昨年末からスイッチサイエンスでキットの委託販売もされていますが、残念ながら現在は売り切れ中です。



自作キーボードといえば、ロープロファイルスイッチを使った自作キーボード組み立てキットを扱う「遊舎工房」さんは外せません。

今回会場では4行50キーで左右セパレート型となる「HelixPico」を販売しており、安いものではないのですが、次々と売れていく人気商品となっていました。見ると欲しくなってしまうアイテムのひとつだと思います。当然のように自分も買ってしまったので、組み立てるのが今から楽しみです。





見ると自分でも作りたくなり、そして出展したくなるのが不思議

ということで、駆け足でしたがMaker Faire Tokyo 2018のレポートは以上となります。
会場内を歩いていると、目に付くものがどれもアイディアいっぱいで面白く、いつまででも会場にいられる気がしてきます。そして、自分も何か作ってみたい、できたら出展してみたいと思ってしまうのが不思議なところ。

工作好きやガジェット好きなら間違いなく満足できる展示会なので、今回行けなかった人も、来年はぜひ見学に行ってみてください。きっと楽しめるはずです。

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