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太陽へ向かう探査機Parker Solar Probeは8月11日打上げ。時速69万kmの史上最高速でコロナからの太陽風を調査

打ち上げは日本時間8月11日午後4時すぎ

Munenori Taniguchi
2018年8月10日, 午後06:35 in Space
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ジョンズ・ホプキンス大学の応用物理学研究所が開発した探査機「Parker Solar Probe」が、太陽のコロナの観測のため明日8月12日に打ち上げられます。太陽へ接近して観測を行うため、機体は260℃の高温に耐えられるよう作られています。

また、地球軌道から太陽方向に進むためには公転方向の速度を落とす必要があります。計画では最終的に最大43万mph(約69万2000km/h)という高速にまで加速することになるため、この探査機は過去最高速度を記録する人工物になるはずです。

太陽は太陽系全体の質量の99.8%を占める天体であり、その重力はすべての惑星や小惑星、はるか外縁にあるオールトの雲に至るまでをひっくるめてバランスする強力なものです。しかし地球を飛び出して太陽に向かうのは早々簡単なことではありません。地球から太陽を目がけて直線的に探査機を飛ばそうとすれば、約10万8000km/hという地球の公転速度で地球の進行方向へとそれていってしまいます。

したがって、太陽へと向かうにはこの公転速度をキャンセルしなければならないわけです。実際には公転速度を同スピードで反対方向へ飛ぶ必要はありませんが、このキャンセルだけでも5万3000mph(約8万5000km/h)ほどの速度が必要になる計算です。

さらに太陽に接近すれば、吸い込まれないためにさらに速度を保持しなければなりません。Parker Solar Probeは、これに対応すべく約7年をかけて太陽と金星を往復する格好で重力ターンを重ね、最終的に69万2000km/hという速度に達します。
これは東京駅から1秒足らずで静岡県の掛川駅を通り過ぎるぐらいの速度といえばわかりやすい(?)でしょう。


Parker Solar Probeの使命は、太陽のコロナから放出される荷電粒子の流れ、つまり太陽風の影響を軽減する方法を調査すること。非常に大規模な太陽風は、地球をまわる人工衛星がその軌道をそれてしまうほどの影響があり、観測機器にも悪影響を及ぼします。

将来、深宇宙への有人探査を実施するならば、太陽風が宇宙船に与える影響をきちんと把握する方法を確立しておかなければなりません。また、宇宙に無数に存在する恒星と惑星のなかに生命を見つけようとするならば、まずわれわれに最も近い恒星を知っておく必要もあります。いうまでもなく太陽は地球に光と熱を届け、それが生命を生み出すきっかけのひとつになりました。

Parker Solar Probeは、United Launch Alliance(ULA)のDelta IV Heavyロケットで日本時間の8月11日午後4時48分に打ち上げられ、その模様はNASA TVにてストリーミングされます。日本では夏休み、お盆前の土曜日の夕方という良い時間帯であり、小学生の子どもを持つ家庭なら、一緒に視聴すれば自由研究の題材にもなるかもしれません。

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