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ニコンのフルサイズミラーレス「Z 7」「Z 6」を解説、記録メディアはXQDのみ

ニコン初のカメラ内蔵手ブレ補正

関根慎一 (Shinichi Sekine), @sekine_s
2018年8月23日, 午後06:30 in camera
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8月23日、ニコンはミラーレスカメラシステム「ニコンZマウントシステム」を公開しました。

Zマウントシステム最初のカメラとして、35mmフルサイズセンサー搭載の中・高級ミラーレス機「Z7」および「Z6」を発表。同マウントとして同時に発表された交換レンズは標準ズームの「24-70mm F4」、単焦点標準レンズの「35mm F1.8」、「50mm F1.8」、「58mm F0.95」(58mmのみMFレンズ)の4本。レンズのロードマップも公開されました。

Gallery: ニコンZマウントシステム「Z7」 | 20 Photos

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Zマウントシステムの内径は55mm、フランジバックは16mm(Fマウントは44mmと46.5mm)。35mmフルサイズミラーレスを念頭に置いた完全新規のシステムとして開発されていますが、マウントアダプター経由でFマウントレンズの絞りやAFにも対応するほか、既存の純正アクセサリーとの互換性も確保しています。


▲マウントアダプター「FTZ」

アダプター経由でFマウントレンズを装着した場合のAF速度についても「Fマウントのカメラに装着した際と同等(ただし一部機能制限あり)」とのこと。なおZシリーズ発売後も一眼レフカメラ「D」シリーズは平行して展開する見込み。

Z7とZ6の仕様は一部を除いて共通ですが、主な違いはイメージセンサーの有効画素数、設定可能なISO感度、連続撮影速度、AF測距点数など。


Z7は有効4575万画素、35mmフルサイズの裏面照射型CMOSセンサーを備えた高解像度モデルで、常用感度はISO64~25600(拡張設定でISO102400まで設定可能)、連続撮影速度は約9コマ/秒。AF測距点数は493点。

Z6はあらゆるシーンに対応できるオールラウンドモデルという位置付け。有効画素数は2450万画素、常用感度はISO100~51200(拡張設定でISO204800まで設定可能)。連続撮影速度は約12コマ/秒。AF測距点数は273点。

ニコンのカメラシステムで長らく採用してきたレンズシフト式手ブレ補正にボディ内センサーシフト式手ブレ補正を組み合わせ、最大で5段分相当の補正効果が得られる5軸手ブレ補正を採用。


AFは撮像面全域に位相差AF画素を配置し、位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ハイブリッドAF」。AF測距点はZ7とZ6の両者で数こそ違いますが、撮像範囲の約90%をカバーします。顔認識による被写体の追尾性能を向上したほか、-4EV相当までの暗所でもAFが効きやすい「ローライトAF」なども装備しました。

電子ビューファインダーは視野率約100%、ファインダー倍率約0.8倍、約369万ドットの有機ELパネル。映像エンジンは新開発の「EXPEED 6」で、高感度ノイズの低減や、出力画像のよりシャープな表現に寄与するといいます。液晶モニターは3.2型約210万ドットのチルト式。


機能面では、モニター表示映像の同じ高さにある2カ所を同時に拡大表示して写真の水平を確認できる「2点拡大表示」、カメラ内一括RAW現像、多重露出、回折補正、サイレント撮影などを装備。

ユニークな機能としては、少しずつピント位置の異なる写真を大量に撮影できる「フォーカスシフト撮影」のピント位置データを合成し、ピントがきている部分だけの合成画像を確認できる「ピーキングスタック機能」を備えています。これはピント位置の異なる画像を合成して被写体のすべてにピントが合った写真を作る「深度合成」を行う際に便利です。


動画記録関連の機能としては、8Kタイムラプス動画を作成できる「インターバルタイマー機能」や、プロのカラーグレーディング向けにニコン独自の「N-log」を装備。N-logは10bit出力時のみ選択可能で、記録には別途レコーダーが必要。このほか最高30pの4K UHD動画記録、最高120pのフルHD動画記録が可能です。

Z7、Z6ともに防塵防滴仕様。記録メディアはXQDのみ。外形寸法と重量も共通で、約134×100.5×67.5mm、約675g。発売時期と店頭予想価格は「Z7」が9月下旬、税込44万円前後。「Z6」が11月下旬、税込27万円前後。


▲ソニーα7 III(写真右。24-105mm F4装着)と並べたところ。Z7はα7 IIIと似たサイズ感ですが、グリップはα7 IIIよりも高めに取ってあり、α7 IIIでよく言われるような「小指が余る」感じはありません

▲写真右がZ7

現在発表されている交換レンズは、すべて「ナノクリスタルコート」を施した「S-Line」に属するレンズ。「究極の光学性能を追求する」コンセプトの製品群です。中でも最も明るい「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」は新マウントシステムだからこそ実現可能になったレンズといい、その名は往年の名玉「AI Noct Nikkor 58mm F1.2」に由来します。ただし58mmは開発発表段階の製品であり、発売時期、価格ともに未定。




「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」は9月下旬発売、税別13万6500円。「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」は9月下旬発売、税別11万4000円。「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」は10月下旬発売、税別8万3500円。「マウントアダプター FTZ」は9月下旬発売、税別3万6500円。

ニコンのミラーレスカメラといえば、1型センサーを備えたレンズ交換式ミラーレス「Nikon 1」シリーズが知られていますが、発表会に登壇した牛田社長によれば、Nikon 1についてはすでに生産を終了しており、今後も新製品の開発計画はないそうで、今後はZシステムにリソースを集中して「フルサイズレンズ交換式カメラ市場のシェアナンバーワンを目指す」意向を示していました。


Nikon 1を諦め、フルサイズのシステムに着手したことによるメリットもありました。ニコン映像事業部開発統括部の池上博敬部長は「大口径のマウントを採用することで、光学設計の自由度が上がり、ニコン史上最も明るいF0.95の実現や、これまでにない多彩なレンズを作れるようになった」と話します。

Zシリーズの最も大きな特徴は、ニコンのレンズ交換式デジタルカメラとして初めてボディ内手ブレ補正を取り入れたことでしょう。「Z7」と「Z6」の5軸手ブレ補正は、ボディのセンサーシフトとレンズ内手ブレ補正の両機構を組み合わせて、より強い補正効果を得る仕組みですが、これ自体はすでにオリンパスなど他社の製品で実現されていました。

ただ、ニコンのVR(Vibration Reduction)はレンズ内手ブレ補正のシステムであり、Nikon 1を含む従来のボディに、手ブレ補正機構を組み込んだ製品はひとつもありません。それがZシステムという新しい枠組みの開発によって、これまでやりたくてもできなかったことに手を付けることができた感があり、一眼レフともども、先を見据えて長くやっていこうという決意が感じられます。

Gallery: ニコンZ7とZマウントレンズ4本+マウントアダプターFTZ | 11 Photos

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また、対応レンズとして発表された「S-Line」シリーズのレンズには、すべて「ナノクリスタルコート」が施されている点も見逃せません。ナノクリスタルコートはレンズ表面の反射をきわめて低く抑える反射防止技術で、製造コストが高くつく分、ほかのコーティングを採用しているレンズよりもクリアな描写が期待できます。重要なのは、出ることがわかっているZシステムの純正交換レンズが全て「S-Line」であることです。ここからは、立ち上げ直後からZシステムの高い描写性能を世に印象づけ、プロユースを含めた普及を推し進めようという意図が読み取れます。

なお牛田社長は、具体的な言及は避けたものの、将来的には「Z7」「Z6」よりも下位のモデルを出したい意向を表明しており、よりお手頃な価格でZシステムを手に入れられる日は意外と近いかもしれません。

やや心配なポイントは「記録メディアがXQDのみ」という点でしょうか。

XQDは2012年に発売した当時のフラッグシップデジタル一眼レフカメラ「D4」でCFとのデュアルスロットとして採用されて以来、「D4S」「D5」「D500」「D850」と、ニコンの中・高級デジタル一眼レフカメラに採用されてきました。しかしニコンのほかには一部のソニー製カムコーダーに採用されているのみで、ほかの主要なスチルカメラメーカーでXQDを記録メディアに採用している製品はほぼありません。

読み出し/書き込みが速く、高速連写や高解像度ムービーの記録に有利ではあるものの、業界ツートップの片方が満を持して投入するミラーレスに、現状あまり普及していないと言わざるを得ないXQDを記録メディアに採用したこと(しかもシングルスロット)が、吉と出るか凶と出るか。楽観的に考えるならXQD普及の一助になる可能性も考えられますが、悪くすればコケる要因にもなり得るわけで、近くキヤノンから出ると噂されている新ミラーレスと併せて、この辺りの動向にも注目したいところです。


関連キーワード: camera, lens, mirrorless, nikon, z-system, z6, z7
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