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行方不明の娘をネット履歴を手がかりに探す映画『search/サーチ』。現実とSNSのギャップ

10月26日公開です

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2018年8月30日, 午前11:00 in av
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映画本編がすべてMacの画面上で展開するサスペンススリラー『search/サーチ (原題 :Searching )』が、日本でも10月26日に劇場公開されます。この映画の監督アニーシュ・チャガンティ氏は、かつてGoogle Glassだけで撮影した映像作品『Seeds』がYouTube上で大きな話題となり、Googleの初期のテレビCM製作にも携わっていた人物です。

普通の映画であれば美しい風景やスペクタクルな映像を様々なカメラワークやCG技術を駆使して映像化していくものですが、この映画の場合はほとんどすべてがPC画面を映し出すばかり。出演者もみな、SNS投稿に模した写真や動画、ビデオチャットなどで登場するのみ。『スタートレック』のスールー役で本作の主人公を演じるジョン・チョウですら、MacのFaceTimeカメラ越しの映像でしかスクリーンに出てきません。

しかし、MacやPCの画面がいくら狭いとは言っても、その向こうにはその人の行動範囲よりも遥かに広大なネットの世界が広がっています。したがって画面はそれを除くための窓でしかありません。そして窓の向こう側、遥か遠く深いところには、我々が普段見ることのない闇が横たわっているかもしれません。

『search/サーチ』は、16歳の娘マーゴットがある日突然行方不明となり、ジョン・チョウ演じる父、デビッドが必死にその足取りを追跡しようとするストーリー。しかし手がかりとなるのはマーゴットのInstagramやFacebook、Twitterのみであり、デビッドは自分の、そして娘のMacからそれらの手がかりを追跡し始めます。ネットを通じて手がかりを掴むにつれ、幸せな学生生活を送っているように見えた生活は実は見せかけだけのもので、実際は周囲に溶け込めず、ひとり浮いた状況だった娘の姿を、デビットは目の当たりにします。



そこからなぜマーゴットが行方不明になってしまったのかは予告編ではわかりません。しかし「インスタ映え」を気にするあまり、ネットの中とリアルでの生活が全く違ってしまっている人というのも、実際には大勢いそうです。特にネットとともに成長してきた世代なら、この映画がもつリアリティを強く感じるはずです。
監督のアニーシュ・チャガンティ氏は一見、Google検索やGmailを操作する映像に美しいピアノの調べをのせただけの映像に、実は巧みな編集を織り交ぜることで、観るものをホロリとさせる見事なCMを作り上げる腕前の持ち主。
しかしさすがに、この手法をアレンジしただけで90分の映画を作り出すことは本人にも至難の業だったようです。それでも、チャガンティ氏は「人の顔がスクリーンに登場しなくとも、カーソルの点滅だけで観客の気分を変えられるということはわかっていた」と語ります。

そして、まずは脚本をじっくりと練り込むことに注力。さらに同じPCでも持ち主が異なるものを使ったり、数週間の時間軸で話が展開するため、ダラダラとTwitchを見ているような感覚にはならなくなっています。また、たとえばFacebookのビデオチャットでは、カメラにGoProを使用しています。しかしこれによって、一般的なカメラアングルとは異なる俳優の表情をうまく描き出すことに成功したとのこと。
Director/writer Aneesh Chaganty and John Cho on the set of Screen Gems' SEARCHING.
ただ、それでも当初はほぼPC画面だけの映画を作ることに自信が持てなかったのもまた事実で、編集担当者は伝統的なカットも含めるべきではないかと悩んだとのこと。しかし最終的にスタッフは観客を信じることにした、としています。

インターネットが我々の生活に浸透し、いまや様々なものが液晶やOLEDディスプレイを搭載しています。しかしただそれらのスクリーンキャプチャーを流すだけでは、映画にはなりえません。いまやAIが短編映画を編集したというニュースも聞かれるようになりましたが、エンターテインメントやアートとして楽しめるものにするにはやはり魅力的な脚本に、効果的な演出や編集技術、そしてまだそこには人間の感性が必要なのかもしれません。『search/サーチ』は2018年初頭に開催されたサンダンス映画祭でも観客賞を受賞しています。

なお、映画『search/サーチ』は日本でも10月26日より劇場公開されます。


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