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iPhone XS / XS Max実機レビュー。カメラの実力をX / Huawei P20 Proと比較した結論 (西田宗千佳)

スペックでは計れないカメラ機能、心臓部の強化が見えるか否かが別れ目

西田宗千佳
2018年9月18日, 午後07:01 in Apple
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(左がiPhone XS Max、右がiPhone XS。どちらを選ぶ、もしくはどちらも選ばない? モデル:Caoさん)


iPhone XSは高い。XS Maxはさらに高い。これ、買っても大丈夫なのか......?

そんな風に思っている方に、判断材料をご提供しよう。実機をiPhone Xなどと比較し、「価格に見合う価値があるのか」をチェックしてみた。




iPhone XS Max。6.5インチディスプレイが魅力ならこれ一択。



iPhone XS。「手のひらサイズ」にこだわるならこちらを。





背面と側面はゴールド仕上げのモデルも。素材はステンレス。従来のiPhoneよりも「ゴージャス感」あふれる仕上がりだ。

結論から言えば「高いが、確かに違う。そして、これだけの性能なら長く使える」というのが答えになるだろうか。

■CPUよりGPUが進化。だがもっと先を行ったのは「マシンラーニング」だった


iPhone XSとXS Maxは、ディスプレイサイズこそ違うものの、性能は同じと思っていい。Geekbench 4でベンチマークをとってみたが、CPUやGPU周りの速度差は「誤差」といっていいレベルだった。

メインメモリーの搭載量は4GBと思われ、iPhone Xの3GBから増量されている。ベンチマークの値は、CPU速度で10-15%、GPU周り(Geekbench 4の「Compute」テスト)で46から48%アップ、ということなので、発表会でアップルが公開した、iPhone XSシリーズ用SoC「A12 Bionic」の情報と、ほぼ一致している。

半導体製造プロセスの進化に伴い、発熱は低下している。サンプルとして、Face IDを使ってバーチャルYouTuberになれるアプリ「パペ文字」(ViRD開発)を使って試してみた。

バーチャルYouTuberになるため長時間動かすアプリなのだが、iPhone Xでは少し発熱が気になっていた。XSで試してみると、もちろん発熱がないわけではないが、Xほど急激に熱はあがらないし、指先に感じる熱もそこまで高くない。

スケジュールの関係でヒートマップなどでの測定はできなかったが、「高負荷になりやすいARアプリでも、発熱が下がっている」のは間違いない。GPU性能が上がっていることもあってか、iPhone Xよりもフレームレートが安定しているのもポイントだ。

この辺を考えると、「高負荷なゲームをしたい人」「Face IDでバーチャルYouTuberをやりたい人」はXS系、もしくは10月発売の「XR」が望ましい......ということは言えそうだ。

■「ボケ」が自然なポートレートがうれしい


iPhoneの進化といえばカメラ。特に今回は、「自撮り」と「ポートレートモード」がウリだ。そこでおっさんの顔のアップがあっても、みなさんもうれしくはなかろう。というわけで、特殊な交渉術を使い、知り合いのCaoさんにモデルをお願いした。

まず、XSで撮った写真のサンプルをどうぞ。


iPhone XSで作成したセルフィー。ポートレートモードでの「ボケ」を後から調整して完成させている。


同じXSで撮影した写真撮影のカットから、ボケを減らした写真を選択。これだけの幅がある。


続いてポートレートモードの作例比較。


iPhone XS ポートレートモード


iPhone X ポートレートモード


Huawei P20 Pro(ポートレートモード)



Huawei P20 Pro(ワイドアパーチャ効果)


XとXSではXSの方がやはり自然。P20 Proはピントやボケの後調節ができるのだが、非常に「書き割り感」が強くて不自然だ。

ポイントは「ボケ」の自然さだ。2016年発売の「iPhone 7 Plus」にポートレートモードが搭載されて以降、iPhoneのカメラ機能でも「背景をぼかす」要素が搭載されてきた。

だが、これまでは、被写体の輪郭がどうにも不自然になりやすく、ボケの強さも「決め打ち」で変更できなかった。他社のスマホ、例えばファーウェイの「P20 Pro」は、「ワイドアパーチャ効果」によって写真のボケの強さやフォーカス位置を後から変更可能になっていた。だから、この分野ではiPhoneは後追いになっていたわけだ。

だが、XSシリーズのカメラ機能では、一気に品質でも機能でも追いついてきた。特にボケ味の自然さはかなりのものだ。被写体の輪郭については、「人間」の場合より自然であり、「人間」以外だとiPhone Xより多少改善されている......というところだと思う。それに比べるとP20 Proは「書き割り」感が強い。ズームなど、iPhoneに勝るところも多いカメラが、アップルのこだわりに負けている印象が強い。

どちらしろ、ボケの後調節はかなり面白く、幅も広い。

XSでないと「後で調節可能なポートレートモード写真」は撮影できないのだが、実は撮影後の写真については、少なくとも「iOS12の入ったiPhone X」では、ボケの再調整が可能になっている。撮影後のHEIF形式ファイルを友人からもらえば、XSを持っていない人でも調節の状況を体験することはできる。まあ、ここで調節を体験してしまうと、「自分の撮った写真でも調節したい!」となって、新iPhoneを買いたくなる。

巧妙なアップルの罠だ。きっと。

■光の具合がどうであろうと「失敗しづらい」のがXSのカメラ


XSシリーズのカメラ機能といえば「ボケ」、というイメージかも知れないが、実際に使って見ると、むしろもっと日常的な部分で大きな変化があるのに気付く。新機能「スマートHDR」の効果が絶大なのだ。

次の写真は、iPhone X・XS・P20 Proで撮影した銀座近辺の夜景である。iPhone Xだけ色の傾向が違うのが分かるはずだ。実際、その場のイメージはiPhone XSやP20 Proのものに近い。


Huawei P20 Pro



iPhone X



iPhone XS



Huawei P20 Pro


iPhone X



iPhone XS


明るさが違うのも目立つが、一番大きいのは、光の表現だ。iPhone Xだとつぶれてしまう部分が、XSではきっちり表現されている。
もっとわかりやすい例もある。




Huawei P20 Pro


iPhone X


iPhone XS

こちらは、夜景かつポートレート撮影で、しかも背景に「明かりのともったショーウインドウ」という、けっこう意地の悪いサンプルだ。全体の写りもそうだが、ショーウインドウの向こうの明かりがどう写るのか、けっこう調整が面倒な情景である。

だが、XSはしっかりと全体に適切な色が載り、「見た目通り」の絵になっている。iPhone Xはショーウインドウ内が白飛びしているし、全体の色味が弱い。P20 Proは暗く、白飛びが目立つ。

いわゆる「メシテロ写真」でもこんなことが起きた。上からスポットライトのあたる席で食べていると、iPhone Xでは目玉焼きが白飛びしてしまったのだ。


Huawei P20 Pro


iPhone X


iPhone XS


これらのことは、実は取るに足らないこと、とも言える。きちんとフォーカス位置調整や露出などの設定を行い、何枚かシャッターを切れば、XSに近い写真は撮れるからだ。だが、一番違うのは、XSシリーズでは、これが「ほぼ1ショット」で得られることにある。

P20 Proも写真、特に夜景に定評があるが、撮影中はぶれやピンボケ防止のために「カメラを動かさないでください」と言われる頻度が多い。ところがXSにはそれすらなく、普通にiPhoneを構えて「パシャ」でいい。

これはすごいことだ。

マシンラーニング+新センサー+SoC内のイメージシグナルプロセッサ+ソフトの合わせ技、と聞いているが、ここまで「失敗しにくい」「見た目に近い」というのは衝撃だ。iPhoneはずっと「シャッターを押すだけで理想的な写真が撮れる」ことを理想として開発してきたが、いよいよその世界に近づいてきた印象を受ける。

■誰の目にも見える真価は「もう少し先」に発揮?!


カメラとディスプレイ、パフォーマンスのことはわかった。では、それが「10万円を大きく超える価格」に見合うのか、というのが、みなさんの気になるところだろう。

筆者の答えは「刺さる人には刺さる。が、本質が広く伝わるにはもう少し時間が必要」というものだ。

マシンラーニングは、本来はカメラだけのものではない。アプリでもっと活用が広がるはずだ。だが、今はカメラとARが軸。これらが刺さらない人には響きづらい。「アプリ待ち」の部分がある。

デュアルSIM対応もそうだ。まだマスに認知が進んだものは言い難いし、事実使えるようになるのは、年内のOSの追加アップデートを待ち、さらに、日本の携帯電話事業者が「eSIM向けサービス」を始める必要がある。

これらのことは、数日・数週間では解決されず、数ヶ月の時間を必要とする。発売日に買えばその変化を楽しめるが、「すべてそろってから買えば、もっと安く買えるはず」という発想もあるだろう。ここまでよくできた製品は、2年くらいで急に「古びたもの」にはならない。値下がりを待つ選択肢も、来月の「XR」を待つ、という選択肢もあるだろう。

いいものだが「高い」という事実が、「いつ買うか」という点に迷いを生み出す。ここまでの説明が刺さったならすぐに買うべきだし、そうでないなら「待ち」という判断はあっていいだろう。


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