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Apple Watch Series 4は手首に巻き付けるAI。実機を試してわかったこと(松村太郎)

手首に巻くAIアシスタント

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Appleは9月21日にApple Watch Series 4をリリースします。それに先駆け、「Apple Watch Series 4」に触れる機会が得られたので、44mm スペースグレイアルミニウムケース モデルのレビューをお届けします。



まず目を見張るのは、大きく拡大されたディスプレイ。これまでも大小2サイズの展開でしたが、それぞれケースが2mmずつ拡大され、40mm、44mmの構成になりました。しかし2mmの拡大以上に、ディスプレイサイズの拡大が目立ちます。

44mmモデルでは42mm比で32%、40mmモデルでは38mm比で35%、それぞれディスプレイが拡大されており、これまで42mmケースを使ってきた筆者としては、むしろ40mmケースに乗り換えても良いのではないか、と思うほどです。


▲Series 3との比較

しかしそれは選択しない方が得策でしょう。これまで少なからず、カラフルなモノ・地味なモノ・メタル・レザーなど、いくつかのバンドを42mmケース向けに揃えて、気分や出かける先に応じて付け替えて楽しんでいました。

44mmモデルでは42mmモデルのバンドをそのまま利用できますが、40mmモデルには利用できません。裏を返せば、2mmの拡大は縦方向だけで、横幅は変わっていないということなのです。


▲Series 3との比較

むしろ大きくなったというよりは、スリムになったと感じました。それは薄型化されたからです。これもスマートフォンの歴史にあったように、画面を大型化すると、パーツやバッテリーを収納するスペースが増えて、厚みを抑えられる、というものでしょう。


▲Apple Watch Series 4の製品ボックス

とはいえ、バッテリーについては、Appleは「All-day Battery」と言いますが、1日18時間という持続時間よりは延長されませんでした。

多くの人は、1日ではなく3日ぐらい長持ちするバッテリー性能を望んでいるわけで、もしそれを実現しようとするなら48mmぐらいのケースとゴツい厚みが必要になるのかもしれません。むしろ男性向けであれば、望むところだ、と思われる人もいるかも知れませんが。



ただし、Apple Watchだけを装着して出かけた場合、GPSとセルラーを用いたワークアウトは6時間に伸びました。Apple Watchは、楽しみながら参加するホノルルマラソンを完走するまでに、屋外ランニングの計測と音楽を提供し続けてくれます。もっとも、AirPodsの再生時間5時間の方が、先に引っかかってしまうのですけどね。

数年かけたデザインプロジェクト

「見た目はさほど変わっていませんね」

と、初めて見たときにそう感想を述べれば、「それは狙い通り」だと返されることになります。



Apple Watchとしては4年目にして初めてのデザイン変更でしたが、腕時計の歴史の中ではまだまだ日が浅いブランド。無闇にデザインを変えてアイコニックなキャラクターを失わせないようにしていました。

しかし、今回のデザインには数年間をかけてきたそうです。なぜなら、見た目だけでなく、内蔵するモジュールのテクノロジー、ソフトウェア、フルードインターフェイスデザイン、新しいタイプフェイス、サウンドに至るまで、徹底的にデザインし直したからです。

新しい文字盤として象徴的な「Infograph」は、最大9個のコンプリケーションを配置し、しかも文字盤の円弧に沿ってグラフを配置することもできるようになっています。また、タイプフェイスも、これまでのAppleフォントであるSan Franciscoから、San Francisco Roundedという丸みを帯びた書体に変わりました。



ダイバーズウォッチにインスパイアされ、一目で必要な情報を把握できる機能性を表現した。そう言われると、やっぱり48mmケースがあっても良かったんじゃないか、と思わされるのですが。

ふと時計を見ると深呼吸を誘うブリーズフェイスは、個人的には夕方以降の定番のフェイスとなりました。炎や液体金属、煙のモーションフェイスはなんと実写。新しい万華鏡のフェイスも、毎回パターンが変わるようアルゴリズムが組まれており、デジタルクラウンをくるくる回せばまるで本物の万華鏡のようにパターンが変化します。

そのデジタルクラウンを回すと、カチカチと感触フィードバックが上品に手首に伝わってきますが、そのタイミングも、表示されているコンテンツによって可変します。文字列の場合は60ティックで1行ごとにカチカチと反応しますが、ボタン部分は12ティックに減らされる仕組み。

きちんと1周60回、あるいは12回と時間の単位に合わせられているところにもこだわりを感じます。回数なんて本当に細かすぎて気づきませんけど。

手首に棲み着くAI

iPhone XSのカメラは、画像センサー、レンズ、画像処理ソフトウェア、画像処理プロセッサ、アルゴリズム、これをシャッター1度あたり1兆回もぶん回すニューラルエンジンによって、これまでのiPhoneからすれば非線形とも言える進化を遂げました。

「写真の新時代」は、ハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズムと、それを実現するプロセッサによって実現していたのです。しかしこの進化の秘法は、今後Appleのあらゆる製品に適用されていきそうです。もちろん、Apple Watchも含めて。



Apple Watchは他の製品に漏れず、音声アシスタントとしてのSiriに対応しています。しかし、黙っていても、我々のことをきちんと見守ってくれるAIとしての役割も担っているのです。

例えば、心拍計で40以下、あるいは安静時100以上の状態が10分続くと、通知で知らせてくれます。徐脈や頻脈の可能性があり、なんらかの対処が必要な可能性があるからです。その際には新たに搭載された心電図機能で、心臓の電気信号を計測し、後から医師に診せるなどの対処が可能になるでしょう。

また、数年間にわたって「転んだときの動き」を研究し、Apple Watch Series 4を装着している人が転んだら、緊急通報の待機モードに入ります。

これらの機能は、もちろん、アプリとして搭載され、自動的にビヘイビアを監視・パターン検出を行う為に実現しています。しかしその背後には、膨大な時間をかけてアルゴリズム作り、そしてApple Watch Series 4のハードウェア的進化、すなわち心電図機能の搭載やモーションセンサーの計測可能な加速度の大幅な進化が潜んでいます。

やはり、Apple Watchでも、ハード・ソフト・アルゴの進化の秘法が用いられているのです。

Siriを育てる

あなたのSiriと私のSiriは違う。

AppleはAIの学習について、利用できるデータを端末や自分のiCloudアカウント外に出さないというポリシーを貫いており、よりダイナミックにデータを扱うAmazonやGoogleに差を付けられていました。しかしその状況は変わり始めるかも知れません。

iOS 12を搭載したiPhoneは、iPhoneの使用パターンや習慣などを検出し、自動的に「ショートカット」を提案するようになりました。Siri Shortcutsです。

Siriによって見出されたショートカットは、自分の声を吹き込むことで、自分好みのフレーズでいつでも呼び出すことができるようになります。この時点で、同じ行動パターンが検出された人同士であっても、呼び出す言葉は必ずしも同じではなくなるのです。

iPhoneで作った自分のSiri Shortcutsは、Apple Watchにも共有され、Apple Watchに話しかけて呼び出すことができます。例えば筆者の場合、仕事場と自宅の行き来に18番のバスを利用しますが、そのバスばかり乗っていたので、Siriは「Transit」アプリの18番のバスの検索頻度が高い、とすぐに見抜きました。



そこで英語のアプリなのに日本語で「次の18番のバス」とショートカットのフレーズを設定しました。そしてApple Watchに向かってそのフレーズを話すと、iPhoneでTransitアプリを開く、次の18番のバスの案内をしてくれます。便利......。

ほかにもApple WatchでSiriに話しかけるメリットとして挙げられるのは、新たなジェスチャー検出機能。Apple Watchを口元に近づけてぼそぼそと小声で命令を伝えれば、張り切って「Hey Siri!」と言ったりボタンを長押ししなくても、Siriを呼び出せるようになったからです。

ショートカットが揃っていけばいくほど、Apple WatchはSiriに最も手軽に指示を出せる「直通マイク」としての役割が大きくなっていきます。同時に、Apple Watch自体も、我々の行動を検出して、様々なサポートをしてくれるわけです。例えば、ウォーキングやジョギングの記録をし忘れても、後から遡って、ワークアウトを起動してくれる機能のように。



自分でSiriを育てる部分、Siriが勝手に賢くなっていく部分の双方で、自分のためのAIアシスタントとして手放せない存在になっていく。そのインターフェイスとしてのApple Watchもまた、手首に巻き付いたAIの住処として、忘れず毎日充電して身につける習慣が染みついていくことになるでしょう。



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