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90年の歴史を迎えたモトローラが無ければiPhone XSも生まれてこなかった!

ヒット作に恵まれながらも苦節を味わっていた

山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2018年10月1日, 午後12:00 in mobile
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2018年9月25日、モトローラは創業90周年を迎えました。携帯電話部門はレノボに買収され、ネットワーク部門はノキアへ売却。68000シリーズのCPUを製造していた時代もありました。もちろんモトローラの名前やロゴは今でも存在感があり、スマートフォンでも一定の人気を誇っています。

故スティーブ・ジョブズ氏が既存の携帯電話に満足できず、エレガントで手のひらの上で自在にネットを利用できる端末を自ら作りたいと考えたことからiPhoneが開発され、今のiPhone XSへと進化していきました。しかしそのルーツをたどれば、モトローラが作った世界初の携帯電話にたどり着きます。



2018年9月にベルリンで開催されたIFA2018のモトローラブースには、モトローラの歴史的な携帯電話やスマートフォン6モデルが並べられていました。それらはモトローラの歴史でもあり、携帯電話・スマートフォンの歴史でもあるのです。

なかでも世界初の携帯電話、あらゆるスマートフォンのルーツともいえる存在の「DynaTAC 8000X」はなかなか実物を見ることができない、お宝製品です。



世界初のFM無線機はアメリカ軍が1943年に開発したといいます。その後1960年にはモトローラからポケベルが登場しますが、まだ双方向通信できるものではありませんでした。そして1983年にようやく「携帯」電話、DynaTACが登場すると、人々のコミュニケーションに変化をもたらします。それは外出中のどこにいても友人や家族と連絡がとれるようになり、人とのつながりが一気に広がっていったのです。その様はまるで今のSNSの普及のようなものだったに違いありません。

もちろん端末や料金は高かったものの、DynaTACが登場しなければ小型化や高性能化も行われなかったでしょう。もちろんスマートフォンの誕生は大きく遅れたか、今とは全く違ったものになっていたかもしれません。

当初の携帯電話は「水壺」とも呼ばれるほど大きかったのですが、1989年に片手でも楽に持てる「MicroTAC」が登場します。



本体サイズは横から見るとかなり分厚いものの、10キー部分をフリップカバーで覆うことで誤操作が防止されました。ポケットにも入らないことはないため、手ぶらで出かけることも可能になったのです。とはいえまだ電子マネーの無い時代ですから、お財布を持つことも必要でした。

バッテリーは本体背面に装着する方式でしたが、そのバッテリーサイズのモトローラ製ポケベルが登場しMicroTACの背面につけて使うこともできました。つまり裏面の無駄な空間を有効利用したのです。また筆者は以前コレクションとして、バッテリーの表面に電卓が埋め込まれた製品を見たことがあります。サードパーティー製ですが、表が電話、裏が電卓として使えたわけです。これらはいわば合体式、あるいは両面式スマートフォンの元祖といえるのかもしれません。

さて、その後はさらに小型化した「StarTAC」をリリースし、大人気となります。手のひらにすっぽり収まるサイズ、フリップ式でバッテリーは表側で取り外ししやすくなり、カラバリも増えました。しかしこのStarTACが売れすぎたためか、ノキアが小型端末を出し始めるとモトローラ人気に陰りが見えていきます。

ところがそれを打ち破る大ヒット製品が2004年に生まれました。「MOTORAZR」こと「RAZR」です。金属ボディーで折りたたむとわずか13.9ミリとスリムで、しかも100グラムを切る軽量ボディー。高級感も味わえる、プレミアムな携帯電話でした。



RAZRは筆者の住む香港では、中国とビジネスをしている人たちの間で、関係者への賄賂として買われるケースもあったほど。定価以上の価格で取引されるなど、その人気は今のiPhoneを超えるほどだったかもしれません。RAZRは累計販売台数がモトローラで唯一、1億台を超えた端末になりました。

ところがモトローラはこのRAZR人気を追いかけすぎ、結果としてスマートフォンへの移行が遅れてしまいました。RAZRも後継機種は機能追加でサイズが厚くなってしまい、またほかの機種にも類似のデザインを採用。オリジナルRAZRの美しいデザインを超える製品は出てこなかったのです。

2007年にiPhoneが登場すると、一番ダメージを受けたのはCDMA方式を採用していたキャリアでしょう。アメリカではGSMとW-CDMAを採用したAT&TがiPhoneを独占販売。iPhoneは当初CDMAには対応しなかったため、シェア1位のVerizonは慌てました。そこでモトローラと組みスタイリッシュなAndroidスマートフォン「Droid」シリーズを次々と投入。Droidは再び人気商品となり、iPhoneに真っ向から戦える製品をモトローラが開発できることを証明しました。



ですがDroid人気は長く続かず、その後はサムスンやLG、HTCなどが次々とAndroidスマートフォンを出し、モトローラの業績は悪化してしまいます。結果としてモトローラは携帯電話部門を2011年に分離し、すぐさまグーグルに買収されました。これによりモトローラはGoogleとの結びつきを深くしますが、Android OSのリファレンスモデルともいえる、ピュアAndroidな製品を多く出し再び人気を集めるようになっていきました。モデル名もシンプルなものとし、「Moto G」「Moto E」など消費者にわかりやすい、そして買いやすいモデルを出していきます。

2014年にはGoogleからレノボへ売却され、モトローラは今の体制であるレノボ傘下となります。PC大手のレノボはIBMからPC「ThinkPad」を買収しダブルブランドで成功を収めていました。時代がモバイルに移行する中でスマートフォン事業の強化は必須であり、モトローラの買収は願ってもいかなったことに違いありません。

モトローラ買収のニュースも一段落した2016年、レノボは市場を攻める製品を送り出します。PCではキーボードの代わりにタッチパッドを搭載した「Yoga Book」を投入。そしてスマートフォンは合体式モジュール「Moto mods」でハードウェアを自在にアップグレードできる「Moto Z」が登場しました。



合体式スマートフォンは過去に数例ありましたが、すべて失敗しています。それらに対してモトローラは、3年先までのハードウェアの互換性の保証と、数多くのモジュールを出すことで合体式スマートフォンを「キワモノ」の世界から日常的な製品へと進化させました。

たとえばハッセルブラッドのカメラを搭載した「Hasselblad True Zoom」は、光学10倍ズームレンズを備え、カメラの質感も高い本気の製品です。「次はどんなモジュールが出てくるのだろう」と、消費者に期待を抱かせることに成功したのです。



そして2018年10月1日、世界初の商用5Gサービスがアメリカで始まりました。モトローラはその5Gにスマートフォンを対応させるため、5Gモデムを内蔵した「5G Mod」を開発し、世界初の5Gスマートフォンの栄誉を手にしようとしています。5Gは携帯電話の世界を大きく変えるものになることが期待されているだけに、合体式によりいち早く5Gスマートフォンを実現しようとしているモトローラの動きは先見の目があったといえるでしょう。



2020年の東京オリンピックの時にはモトローラをはじめ、各社から5Gスマートフォンが多数登場しているでしょう。そして今から10年後、モトローラ100周年となる2028年にはいったいどんな端末が使われているのでしょうか。世界で最も長い歴史を誇る携帯電話メーカー、モトローラの今後の動きに期待したいと思います。


関連キーワード: 5g, android, google, lenovo, mobile, MotoMods, motorola, motoz
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