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心電計測をより手軽に。外部電源不要で皮膚に貼れる計測デバイス、理研と東大が開発

有機太陽電池のエネルギー変換効率向上で実現

関根慎一 (Shinichi Sekine), @sekine_s
2018年10月1日, 午前07:00 in wearables
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理化学研究所(理研)と東京大学は、皮膚に貼り付けられる薄さの太陽電池で駆動する心電計測デバイスの開発に成功したと発表しました。

タイトル写真のように、今回開発されたのは超薄型太陽電池と心電センサーを集積化したデバイス。本研究のポイントは、超薄型太陽電池が従来よりも安定した発電効率を得られるようになったこと。これによって、電力消費や人体への負荷を考慮せず、連続的に生体情報を取得するための要素技術が実現したことになります。

本デバイスにおける超薄型太陽電池は、いわゆる「有機太陽電池」と呼ばれるカテゴリーに属するもの。本研究では光の入射角度によって発電効率に影響を受ける「光入射角度依存性」の低減に成功し、10.5%のエネルギー変換効率を達成しています。

この成果は、理研創発物性科学研究センター創発ソフトシステム研究チームの福田憲二郎専任研究員、染谷隆夫チームリーダー(東京大学大学院工学系研究科教授)、創発機能高分子研究チームの伹馬敬介チームリーダーらの共同研究グループによるもの。

理研によれば、皮膚に貼り付けられるほどの超薄型太陽電池は、実際に皮膚や衣服へ貼り付けた際に出力が不安定になることから、これまで超薄型電源とセンサーとが集積化されたデバイスはこれまで報告されていなかったといいます。これは「光入射角度依存性が高い」という太陽電池側の課題でした。

今回の研究ではナノスケールの規則正しい線状の凹凸パターンである「ナノグレーティング構造」を超薄型基板上に形成する技術を確立したことによって、厚さ1μm、周期約700nmのパターンを形成し、光の屈折率を調整して太陽電池表面での光の反射を低減させています。このほか「表面プラズモン共鳴効果」と呼ばれる現象を利用し、発電の効率化を図っています。



この太陽電池を超薄型センサーと集積させた今回のデバイスは、心電計測においてS/N比25.9dBの信号取得に成功。今後は取得した生体情報を処理する回路や無線伝送システムとの統合によって、次世代型自立駆動型センサーシステムの基盤技術の提供に繋げる見込みです。



侵襲性が低く、外部電源を必要とせず、単体で常時心電図が取得可能なデバイスが登場したことは「日常生活の中で、常に心電計を装着する」ことが可能になる点を意味しており、日々の健康管理という用途にとどまらず、ある種の疾患の兆候を監視する意味でも高い価値のあることです。

また、このデバイスが「外部電源を必要としない心電計」であることは、ウェアラブルデバイスに搭載した場合、デバイス全体の消費電力を抑えて心電図機能を利用できるということにも繋がります。長い目で見れば、心電測定が、様々なウェアラブル機器が標準的に備える機能になるという可能性をも秘めています。




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