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インテル入っているTerraMasterのNASキット「F4-220」が意外と反応よくてコスパよかった

改善してほしい点もあるが実用的には申し分なし

いーじま (Norihisa Iijima), @WipeOut2008
2018年10月10日, 午後08:50 in gadgetry
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この春に事務所としてアパートを借り、nuro光を導入し、新規に自作PCを組んだ話はこれまで記事化してきましたが、今回は、NASの導入話をご紹介します。


筆者はすでにNASを自宅で仕事用として導入しています。ストレージサービスからNASへ移行した話とか、音楽CDをすべてデータ化してNASに保存したとか、記事化もしてきたように、それなりに使い込んできましたが、自作PCと同様、事務所用に新規に導入するかということでどれにしようか選定しました。


以前はSynologyのNASキットを使用していましたが、記事をご覧いただければわかるように、使い勝手も非常によく、とても助かっています。ただ、今回も同じSynologyでは面白くないので、違うメーカーにしてみました。

Gallery: TerraMaster 「F4-220」 | 42 Photos

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仕事で使うものだし、2ベイだとRAIDにしているので実質1つ分のHDD容量になるため、すぐに逼迫してしまいます。そのため、今回は4ベイにしたかったので、Amazonでいろいろと調べたところ、Synologyの同等製品と比べても安価な製品を見つけました。TerraMasterの4ベイNASキット「F4-220」です。

Amazonでの価格は2万9990円。それでいて、インテルのデュアルコアプロセッサーCeleron J1800(2.41GHz/最大2.58GHz)を採用。メモリーは2GBにギガビットイーサーを1ポート、USB 3.0×1,USB2.0×1を備えており、スペックだけ見たら他製品と引けをとりません。

正直言うと筆者はTerraMasterというメーカーをあまり知りませんでした。といってもSynologyも導入当初は少し聞いたことがある程度だったので、いろいろと調べてみたものです。今回もそんな感じのスタートとなりました。

TerraMasterは中国のメーカーで、日本へはAmazonでの販売を中心に2年ほど前から進出しているようです。Synologyの専用OS「DiskStation Manager」のように、ブラウザー上で仮想デスクトップのように扱えるLinuxベースの専用OS「TOS」を搭載。扱いやすさは、それほど大差ないように見えます。サイトを見ると、ちょっと日本語訳がおかしいところもありますが、日本語表現ってなかなか難しいですからね。頑張ってはいるようです。

ということで、今回はこのTerraMasterの4ベイNASキット「F4-220」を導入してみることにしました。HDDはNAS用といきたいところだったのですが、前回3TB×2基でNASを組んで1年で容量が逼迫してしまったので、1基6TBは欲しいところ。なので今回もSeagateのBarraCudaの6TB×4基にしました。1基のお値段は1万2680円(購入時・現在は1万2830円)です。



さっそく「F4-220」を開封しました。本体は、アルミ製ボディーでファンは2基。引き抜きタイプのHDDホルダーはプラスチック製で、HDDはホルダーにネジ止めします。ホットスワップに対応しているので、もしHDDの交換が必要なときも電源を落とすことなく作業できます。

▲背面にあるファンは2基。出っ張っているものの、ケーブルを差すとその分奥行きは必要なので問題ない

▲HDDホルダーはプラスチック製。ネジ止めが必要

▲ネジ止めはサイドではなく底面は珍しいかも

同梱物にはドライバーも付属。ホルダーに貼ってHDDの容量やHDD番号を認識できるようシールも付属しています。HDDのホルダーへの装着は、付属のドライバーでサクサクとネジ止め。1基あたりの対応HDD容量は12TBで、4基なので最大48TBまで対応。ベイごとに容量が違っていたり、2.5インチのSSDを利用することも可能なため、余っているSATAドライブを集めてNAS化することもできます。


▲こんな感じにHDDをセット


▲HDDを4基セット。脱着はレバーを操作するだけでできる。鍵は付いていない

ホルダーを各ベイにセットしたら、有線LANケーブルとACアダプターを接続すれば、あとは電源ボタンを押して起動するだけです。電源ケーブルはアース付きの3芯プラグが付属しており、ビジネス用途なら問題ないのですが、家庭で使うとなるとネックになります。メーカーに問い合わせたところ2芯プラグに切り替えているようなので、今購入するものは2芯になっているかもしれません。


▲同梱物。クイックインストールガイドは、指定のアドレスへアクセスするだけの記載程度

起動するまで1分ほどかかるので待ったあと、パソコンのブラウザーから「http://start.terra-master.com」へアクセスし、言語を「日本語」にします。モデル名を選んで、「始めます」をクリックして進めていくと、セットアップ方法が解説されていきます。現在はTOSのバージョンが3.1になり、かなり日本語表記が改善されましたが、3.0まではグーグルで訳したまま的な変な日本語もありました。なんとなく意味は通じていたので問題はなかったのですが。


▲指定されたアドレスへアクセスすると、マニュアルが表示されて手順が示されている

進めていくと、まずデスクトップアプリケーション「TOS PC」をダウンロードしてインストールすることになります。これは、基本的にNASを見つけてアクセスするためのアプリで、インストールして起動すると、LANに接続されたNASが見つかります。


▲デスクトップアプリケーションのインストールを促される。NASを見つけるツールだ


▲デスクトップアプリをインストールし起動すると、NASを見つけてくれる。ログインを実行

NASを選択して「ログイン」を実行すると、ブラウザーが開きTOSをインストールする画面になります。このとき開くブラウザーがなぜかIE。Windows 10の時代、せめてEdgeなら納得行きますが、IEはおそらくほとんどの人が設定していないのでは? 対応ブラウザーがIEかChrome、Firefoxということで、既定のアプリで「Webブラウザー」に指定されているアプリが対応していないと困るからなのでしょうか。この辺りは改善してほしいところです。


▲NASのセットアップが開始されます

▲HDDの確認のあと、まずはTOSのインストール

TOSがインストールされれば、あとはログイン用パスワードを設定し、時間帯を「GMT+09:00」にします。次へ進むとHDDのフォーマットになります。RAIDは0、1、3、5、6、JBOD、シングルと多彩な選択肢を用意。デフォルトはRAID5で、6TB×4基の場合、24TB中、使用できる領域は実質16.3TBほどになります。


▲TOSのインストールが終了すると、管理者の設定を行なう。パスワードとタイムゾーンを指定


▲RAIDの設定を行なってHDDの初期化を行なう

また、TOS 3.1からはBtrfsファイルシステムに対応しましたが基本このファイルシステムでフォーマットされます。このファイルシステムにすることで、スナップショット機能(ドライブの中身を復元)が使用できるようになります。ちなみに、いままでTerraMasterのNASを使っていて、TOS3.0までのバージョンで使っていた人が3.1へバージョンアップしてスナップショットの機能を使いたいと思ったら、HDDを再フォーマットする必要があるので、注意が必要です。

ここまで行なうとセットアップは完了です。ログイン画面が表示されるので、パスワードを入力してログインすれば仮想デスクトップが表示されます。



背景に好みの写真が指定できるデスクトップ画面は、3.1からアイコンデザインが変更され、とてもシンプルなものになりました。アイコンをダブルクリックすればウィンドウが開き、各種設定やアプリのインストール、ファイルの閲覧ができます。初期設定では、まずリモートからアクセスできるように、デスクトップにある「リモートアクセス」アイコンをダブルクリックし、アクセスを有効にします。[TNAS ID]にユニークな文字列を指定すると、「http://tnas.online/[TNAS_ID]」というアドレスで外部からアクセスできるようになります。


▲アイコンデザインが3.0よりスッキリして見やすくなった

あとは、NASをどう利用するかによって、FTPを有効にしたり、ウェブサーバーを有効にしたりするといいでしょう。この辺りは、アプリをインストールするまでもなく利用できます。また、ユーザー設定やグループ設定をすることで、複数の人とNAS上のデータを共有できます。バックアップ機能もあらかじめ用意されていて、RsyncサーバーやMacのタイムマシン、USBメモリーへのバックアップなどが行なえます。

ファイル共有やクラウドストレージのような使い方をするなら、特にアプリのインストールをする必要なく利用できます。ローカルのWindowsでネットワークドライブとして割り当てるのも、特に設定することなくできました。


▲ネットワークドライブとして接続し、「CrystalDiskMark6.0.1」で計測してみた。1Gbps(約130MB/s)の有線LANなので、この辺りが限界かと

用意されているアプリには、メールサーバーやDLNAサーバー、iTuneサーバー、MySQLサーバー、WordPress、ファイルダウンローダーなど、よく使われそうなものが並んでいます。ただ、アプリの説明が半分以上英語のママなので、何に使うアプリなのかが分かりづらいかもしれません。あと、もう少しアプリのバリエーションがほしいところですね。同じ機能でも違うサードパーティのものとかあるといいかもしれません。


▲アプリの説明も日本語化されると、何のアプリかわかりやすいのだが。このあたりは、Synologyも日本語化されていないアプリも多いので、ローカライズの課題なのかも

TOS3.1からの新機能「Snapshot」もアプリのインストールが必要です。これは、指定したフォルダーに対し、定期的にスナップショットを作成し、HDDの状態をその時点に巻き戻せる機能です。


▲新機能の「SnapShot」は、設定で定期的に保存可能。それほど負荷をかけずに回復用データを記録してく

例えば、TOSのファイルマネージャー上でファイルの削除をすれば、ごみ箱機能を利用できるため、誤って消してしまってもファイルを復活させられます。ところが、ネットワークドライブとしてWindows上でファイルを消してしまうとごみ箱機能は使えません。そのため誤って削除してしまったら最後。もとには戻せません。

そこで、このSnapshotを利用することで、作成したポイントのHDDの状態に戻せます。注意点としては、作成ポイント時点以降に保存したファイルは、なかったことになること。それが問題の場合は、複製ができるので、容量があればその方法で復活させることもできます。

筆者は基本的に、ファイルが共有できて、外部からアクセスしてファイルが取得できればよく、インストールしたアプリといえば、Snapshotとダウンローダーの「Aria2」アプリぐらいでしょうか。「Aria2」アプリは、デスクトップ内のウィンドウで起動するのではなく、ブラウザーの別タブで開き、非常にシンプルな作りですが、ダウンロードしたいファイルを指定すれば、すぐダウンロードしてくれるものです。torrentにも対応しています。


▲「Aria2」アプリの画面。シンプルな作りだが、動作的には問題なし。もちろん、しっかりしたUIのアプリもある

別タブに開くことで、このタブをブックマークし、デスクトップを起動せずに利用でればいいのですが、残念ながら動作しませんでした。また、もう少しアプリらしいUIと機能の充実を図ってほしいところですが、単純にダウンロードしたいファイルのURLを登録して自動的にダウンロードさせたいのであれば、シンプルで逆にいいのかもと思ったりします。このあたりのアプリの作りはSynologyのほうが一枚も二枚も上かもしれません。

NASだけでダウンロード作業できることは、大きめなファイルをダウンロードするときにパソコンのCPU負荷やダウンロードのためにパソコンを起動しておく必要がないため、なくてはならない機能だと思います。

あと、使っていて感じたのはレスポンスの速さです。特にLAN内でのアクセスだと、すぐにログイン画面が現われ、ログインしたらすぐにデスクトップ画面が現われます。また、Windowsのネットワークドライブとして割り当てて、例えばNASに保存してある動画を見ようとしたとき、ダブルクリックですぐに開いて再生してくれます。NASがファイル転送や書き込み中だったり、別途アプリが動作していたりしても、そんなに遅くならず反応してくれるので、NAS上のファイル整理するときなどは、かなりはかどります。

前回導入したSynologyのNASが、ファイル転送・書き込み中に別の作業をしようとすると反応が鈍ってしまいサクサクいかずストレスが溜まっていたので、この点はTerraMasterのNASの方がいいと思いました。ただし、アクセスするパソコン側もこのレスポンスに影響があるようで、自宅で使っていた4年落ちの自作パソコンでアクセスするより、事務所の最新パソコンでアクセスしたほうが、SynologyのNASでもレスポンス速度が速くなりました。それでもTerraMasterのNASには及ばなかったのですが、レスポンスの良し悪しはNAS側だけでなくアクセスするパソコンも速くないとダメということなんでしょうね。NASを使っていて重いなぁと感じたら、自分のパソコンの性能も疑ってみるといいでしょう。

こうして使ってみましたが、ファンは2つ付いているものの、電源の設定で「スマートファン」にしておくと、たまに息するように速く動く程度で、そんなにうるさくありません。最初のフォーマット後は、インデックスを作るためか、ガリガリとHDDのアクセス音が絶えず、CPUもかなり使われるのでレスポンスも多少鈍りますが、1日、2日経てばそれも収まります。

ちなみに余談ですが、本製品にはリセットスイッチがありません。OSにトラブルが発生して起動しなくなったとき、どうすればいいのかというと、HDDをすべてベイから外した状態にしてからデスクトップアプリケーションでログインを実行。HDDが見つからない状態でNASにアクセスします。その状態のままHDDをベイへ戻すとTOSを再インストールするか否かのメニューが表示されるので、再インストールを選べばリセットと同じ動作ができます。


▲背面にもリセットボタンは見当たらず、OSが起動しなくなった場合の対処は分かりづらい


▲HDDを引き抜いた状態で起動してアクセスするとHDDが見当たらないと怒られるので、その後きちんとセットすると再インストールが可能になる


▲通常起動か再インストールか選択。再インストールの場合データが消えると記載されているが、データは残る。ただし、万が一に備えてバックアップはしておいたほうが無難だ。

こうして、すでに1ヵ月以上使い込んでいますが、TerraMaster「F4-220」は快適に稼動しています。正直、Synologyに比べてOSやアプリの完成度、充実度はまだまだですが、この1ヵ月でもOSの仕様はだいぶ改善されているので今後に期待したいところです。とはいえ、OSの高機能化を目指すと重くなるという弊害もあるでしょう。極力軽量な方が好まれるはずなので、その辺りのバランスを考えて開発を進めてほしいですね。あと、DLNA対応アプリは用意されていますが、DTCP-IP機能に対応していないので、レコーダーで録りためた録画番組の転送はできません。今後、この辺りを強化するようなので、対応まではもう少し時間が必要なようです。

ファイルサーバーの用途としてNASを利用する場合、やはり2ベイより4ベイ以上のほうが、容量にだいぶ余裕もあり安心感が違います。まぁ、そんなに容量は必要ないという人もいるかも知れませんが、筆者はバックアップ用途より、データをパソコン上ではなくNASへ逃がすような使い方をしています。特にノートPCは256GBしか容量がないので、データの保存は限られてしまいます。2ベイと4ベイでは1万円程度しか差がないので、どうせ購入するなら4ベイをオススメしたいですね。

TerraMaster「F4-220」は、パフォーマンス的には申し分なく、しかも価格がかなり安く抑えられるので、コストパフォマンスに優れているでしょう。クラウドストレージだと月々負担がかかるし、それでいて容量も限られているので、自由に使えて簡易サーバーとしても使える本製品は、導入する選択肢の1つとして考えてもいいのではないでしょうか。


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