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AQUOS zeroで初採用、国産有機ELディスプレイの裏側──シャープに聞く

「有機ELのIGZO」もあり得る?

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2018年10月29日, 午後03:00 in mobile
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"重厚長大化"が進むスマートフォン市場に、「軽さ」という新しい競争軸を持ち込んだシャープの「AQUOS zero」。「6インチ台で世界最薄・最軽量」を謳うこのスマホの開発裏話を、シャープの開発担当者にじっくりと聞きました。前編・中編(本記事)・後編(後日公開)の3本でお届けします。

お話を伺ったのは、小林繁氏(パーソナル通信事業部長)、篠宮大樹氏(パーソナル通信事業部 商品企画部主任)、前田健次氏(パーソナル通信事業部 システム開発部長)の3名です。

液晶より「扱いにくい」有機ELをどう使いこなすか

AQUOS zeroは、AQUOSスマートフォンで有機ELディスプレイを初めて採用したスマホです。そして、シャープが開発を進めていた、国産有機ELディスプレイを初めて採用した製品でもあります。これまで「液晶のAQUOS」として、ディスプレイの画質に注力してきたシャープ。有機ELディスプレイにおいても、その画質へのこだわりは継承されています。

一方で、前田氏が「AQUOS zeroでは、これまでとまったく違うチューニングでポテンシャルを引き出した」と語るように、AQUOS zeroでは、AQUOSシリーズの画質チューニング技術「リッチカラーテクノロジーモバイル」に手を加え、有機ELディスプレイ向けの繊細な調整が加えられています。

AQUOS zero インタビュー
↑前田健次氏(パーソナル通信事業部 システム開発部長)

液晶と有機ELには違った特性を備えていますが、その中でも最も大きい違いは色の作り方。液晶では白色の光(バックライト)にカラーフィルターを当て、3原色のフィルターで一部の色味をカットすることで、多彩な色味を作り出します。一方、有機ELディスプレイは、画素自体が発光する「自発光方式」であるのが最大の特徴。

AQUOS zeroの有機ELディスプレイでは、赤、緑、青のそれぞれの画素が発光し、その混色によって、多彩な色を表現します。

有機ELディスプレイが優れている点は、表現できる色の幅(色域)が液晶に比べて格段に広いこと。特に漆黒の表現では(画素が光らないため)液晶より格段に深い黒を表現できるとされています。

しかし、広色域という特徴を持つ有機ELディスプレイですが、その良さを引き出すにはチューニングが不可欠。コンテンツの持つ色域を、ディスプレイが表示できる範囲にあわせて単純に拡大しようとすると、人間の目には不自然な写りになってしまいます。特に中間色の表現は調整によって大幅に変わるため、前田氏は「有機ELディスプレイはじゃじゃ馬」と表現します。

この「じゃじゃ馬」な有機ELディスプレイを使いこなすために、液晶では赤緑青の3原色を中心としたパラメーター調整で済むところを、有機ELでは中間色でも多数のパラメーターを追加するなど、「通常は行わないような細かなパラメーター調整」(前田氏)も行っているといいます。

また、コンテンツの中でも黒に近い色域を単純に拡大すると、のっぺりとした表現になってしまうといいます。そのため、AQUOS zeroでは、色の明暗に応じて拡大幅を調整し、陰影を強調しています。

AQUOS zero インタビュー
↑ディスプレイのチューニング無しで色域を拡大すると、写真右の端末のような狂った色表現になってしまう。

IGZO液晶か有機ELか

シャープが有機ELディスプレイを実用化したことで、新しい方向性も見えてきました。その1つが、有機ELディスプレイへのIGZO技術の応用です。

シャープが得意としているIGZO技術は液晶ありきの技術ではなく、液晶を駆動するための半導体の技術。実は有機ELにも適用することができます。前田氏は「IGZO有機ELディスプレイの研究開発も進めている」と明かしています。

AQUOS zero インタビュー
↑有機ELディスプレイ(左)とIGZO液晶ディスプレイ

一方で、バックライトの光をフィルターで色分けする液晶と、画素自体が発光する有機ELでは、その発光の原理が違うことから、IGZO液晶の長所となる「休止駆動」などの効果が有機ELでも発揮されるかは定かではないといいます。

シャープは有機ELディスプレイで何を目指すのか。小林氏はこう説明します。「HDRの時代に目指すべき"綺麗なディスプレイ"は、コンテンツが意図した色味を完璧に伝えるディスプレイだ」。

この目標は、有機ELであろうと、IGZO液晶であろうと同じ。今後のシャープは"ディスプレイの綺麗さ"は担保した上で、IGZO液晶ディスプレイの中間調の発色の良さや省電力性能、有機ELディスプレイは広色域や設計の柔軟性といったそれぞれの特徴生かして、製品開発を行っていくことになるようです。

関連キーワード: aquoszero, mobile, sharp
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