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千葉雄大も歩いたレッドカーペットは素人でも撮れる?キヤノンのフルサイズミラーレス「EOS R」にお任せした結果(本田雅一)

プロカメラマンではないけれど、結果やいかに?

本田雅一, @rokuzouhonda
2018年10月30日, 午後12:00 in camera
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過去にEngadget 日本版でフルフレームセンサー搭載のデジタル一眼カメラをレポートした人がいるかどうかはわからないけれど、今回はちょっと変わった趣向で、しかもかなり唐突に(テスト時点では未発売だった)キヤノンのフルサイズミラーレス「EOS R」のβ機を使って撮影することになり、EOS Rの新しい操作体系に慣れる間もなく、いきなりの本番で使った結果......というお話です。

Gallery: EOS R実写ギャラリー | 18 Photos

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僕らは物書きですが、フィルムカメラ時代にISO100〜400、たまに高感度を入れた時でもせいぜいISO 1600といった時代に取材用カメラを使い始め、ノイズ乗りまくりのデジタル一眼カメラ黎明期の頃は、大きなボディの一眼レフを使っていました。

しかし時代は移り変わり、カメラの性能は格段に向上。ISO3200や6400で、そこそこの大きさの印刷(あるいはウェブ掲載)程度なら、取材用カメラはマイクロフォーサーズどころか1インチセンサー搭載のコンパクトデジタルカメラでも(画角さえ合えば)充分にこなせる、体力的には実にありがたい時代がやってきました。

そんなわけで、本当に久々に最新の一眼カメラを取材へ持ち出し、「最新のフルフレーム(ライカ判、いわゆる35ミリフィルムサイズのこと)センサー搭載機って、どんだけ高画質やねん」と、偽関西人的なセリフを思い浮かべながら撮影に挑んだのでした。



きっかけは10月15日からフランス・カンヌで開催された映像コンテンツ見本市「MIPCOM」。そこで日本テレビの「プリティが多すぎる」のワールドプレミア上映が決まったことでした。この件については別途、Engadget 日本版でも紹介しましたね。



さて、このときに紹介した俳優・千葉雄大さんのレッドカーペットでの姿を「本田さん! 撮影した写真、分けてもらえると嬉しいです!」と日本テレビの担当者にお願いされ、思わず勢いで"いいっすよ"と答えてしまったのだけれど、話を聞くと「場合によっては、スポーツ紙の一面に載せたい」「最低2000万画素」「キャッチライト入れて、瞳にピンね!」と............。

我が家の主力機はマイクロフォーサーズの「E-M5 Mark II」。「え〜、ワタクシ、ただの取材写真を撮影できれば充分で、その一部をお分けしたいと思ったのですが......」と言いたかったわけで、これでもいいかなぁ? と思っていたのですが、「なるべく最高の機材で!」とも相談され、どうしたものかと思っていた僕に「EOS R、広報機材ありますよ!」という、天使とも悪魔とも言える声が聞こえてきたのでした。



EOS Rの詳細に関しては、メーカー自身の紹介ページを見てもらう方がいいでしょう。約3010万画素フルフレームCMOSセンサーを搭載したミラーレス一眼で、新しいRFマウントを採用したレンズ交換式カメラ。高画質とコンパクトさを兼ね備えたRFマウント向けのレンズもラインナップされています。

このEOS Rには、ソニーが先鞭をつけた「瞳AF」が盛り込まれています。

元の瞳AFは業務用の高精細カメラで得たノウハウを用いて実装されたもので、顔認識している被写体のレンズ寄りの瞳にジャスピンが来る! という実に素晴らしい機能。色々なメーカーが組み込んできましたが、その実力はソニーが圧倒的でした。

瞳検出の精度、速度、AF精度が優れているだけでなく、動体に対する追従もかなりの高精度で行えるという、いや、本当に使ってみると「マジですか?!?」というぐらいに凄い技術なんです。

キヤノンもEOS Mシリーズに瞳AFを盛り込んでいましたが、正直、ソニーほどの感動的な機能には至っていない。しかし、もしかするとEOS Rではかなり良くなってるんじゃない? と思い、「瞳AF、どのぐらい良くなりました?」と先に広報さんへ尋ねればいいのに、まずはやってみよう! ......と、練習する暇もなく(出発の2日前に実機が到着)カンヌのレッドカーペットイベントへと挑んだのでした。

当初の計画はこうです。

リムジンから降り立った俳優たちが、レッドカーペットを歩きながら、記者たちに対応している様子を望遠ズームで撮影。歩いてくる途中を瞳AFで追従させれば、どのぐらいの精度で追従できるのかがわかるでしょう。そして目の前、スポンサーロゴ入りバックの前に来たら、軽くストロボを当てながら撮影。ここは落ち着いていれば、瞳にジャスピンが来るはず。

お目当ての千葉雄大さんは、レッドカーペットイベントの後半に登場だったので、時間の余裕はたっぷりありますから、いっぱい練習もデキるでしょう。あとはEOS Rの性能にまかせた!

と、そう考えて露出モードを「Fv(フレキシブル自動露出)」に。このモードは絞り、シャッター速度、ISO感度をフレキシブルに調整して、最適な露出を得るというモード。フルオートだとストロボの設定を含め、ほとんど何も考えずにシャッターを押すだけで撮影できます。

完全フルオート以外にも使い方があり、絞り値、シャッター速度、ISO感度のいずれもマニュアルで値を選択し、残りの要素を最適値に調整するなんてこともできます。後述するように、これは暗い場所で被写界深度(ピントの合う範囲)を調整したいときなどに便利なのですが、レッドカーペットイベントでは全部オートにしています(つまり、プログラムモード+ISOオートと同等かな?)。

ところが現地に到着すると、脆くもプランが崩れていきました。

なんと今年の春から、レッドカーペットイベントの会場が変わり、フォトグラファーのお立ち台からはリムジンの位置が見えにくく、望遠で追いかけることは不可能。さらに(未確認だったワタクシが悪いのですが)、EOS Rの瞳AFはAIサーボ(追従型オートフォーカス)時には使えない(ソニーのように動体追従はしない)仕様でした。

ま、これは仕方が無いので最新設計の標準ズーム「RF24-105mm F4L IS」へと切り替え、スピードライト470EX-AI(ストロボ)に光拡散用のアダプタを装着。正面からのスポンサーバックの撮影に集中することにしました。

とは言うものの、周りはカンヌで俳優たちを撮り慣れた、ガチのプロフォトグラファーばかり。そんなところに、羊のようにヤワなアマチュアが混じって撮影大会。まわりのガチ勢に「おまえ、それはキヤノンの最新じゃないか、見せてくれ!」と言われつつ、猫に小判で挑戦してみました。

MIPCOM

結果は......と言えば、なんとか千葉雄大さんの決めポーズを、キャッチライト入りの目線ばっちりでゲット。撮影が終わる頃になると「おいオマエ、日本から来たんだろ? 千葉を撮るなら、俺の場所を譲ってやる」とガチ勢に良い席を譲ってもらったおかげでもありますけどね。



ロード・オブ・ザ・リングでボロミア、ゲーム・オブ・スローンズでエダード・スターク公を演じた、僕が好きな俳優のひとり、ショーン・ビーンさんの登場などに感動しつつも、一体誰が誰なのやら......。たくさんの俳優が集まる集合写真では、どうしても目線が揃ってくれませんが、今回は千葉さんがきちんと撮れたということで勘弁してください。



が、撮影後にチェックしてみましたが、すべてキチンとピンは来ていました。手ぶれ含め、外れはゼロ。被写体との距離がそこそこあり、絞りもF4かF4.5ぐらいでしたから、ピント位置がシビアではない(ピントの合う範囲が広い)ことも理由かもしれませんが、個人的には充分に満足。





2枚ほど目の位置を拡大して掲載しましたが、きちんとピン来てるでしょ? あれだけ慌ただしい中で、アマチュアがシャッター押すだけで、ここまで写れば充分でしょう。

ただし、EOS Rには2つほど改善を望みたいところも。

ひとつは前述したAIサーボでの瞳AFの実現。これは是非とも欲しい。

もうひとつは瞳検出をもっと素早く、精度良くしてほしいという点。バストアップぐらいならば、ほぼ迷わず瞳を見つけてAFを合わせてくれますが、腰から上ぐらいになってくると顔を認識していても、瞳にまではAFが入らないことが少なくありませんでした。

このあたりはソフトウェアのアップデートでなんとかならないかなぁ? と期待している部分です。

さて"ついで"にですが、普通の写真も。といっても、スマホで撮影しそうな手持ちでの夜間撮影(三脚は使っていません)と食事の写真です。



かつてのカンヌ領主が住んだ砦から撮影した夜景は、ISO12800でF4、1/40sという設定。イマドキの一眼なら当たり前と言われそうですが、マイクロフォーサーズ、1インチセンサー使いとしては嘆息。



旧市街のレストラン街はISO10000ですから、もうノイズもぜんぜん気にならない。シャッター速度は1/80で24ミリの撮影なので、手ぶれの心配もいらない。



場所をパリに移し、駅の構内と近くにあった小さな教会をパチリ。いずれもISO100なのでとてもクリアですが、食品売り場の果物(ISO200)、セーヌ川の夕景(ISO800)なんかも、手ぶれ補正レンズの性能が今よりも低く、感度の低いフィルム(旅行用ならせいぜいISO400)を入れてブレブレの写真を撮っていた頃を思い出しながら、いい時代になったものだと浸りました。

ところで、食事の写真ではFvモードが大活躍。ぜーーんぶオートにしていましたが、暗いレストランの店内で被写界深度をギリギリまで深く取りたい。ということでFvのまま絞りだけを変えて撮影。







半熟卵を添えたカボチャはF10まで絞り、食材のいちばん手前から卵あたりまでにピンが来るように。ISOは12800まで上がりました。残りの2枚は、もっと暗いお店だったため、F5.6に設定。こちらもISO12800ですが、充分に料理の美味しそうな雰囲気が伝わってきますね。

と、画質に関しては、僕にとって久々のフルフレーム一眼(なんとEOS 5D以来!)なので、性能改善のギャップに感心しきりですが、こちらも少しばかり改善して欲しい部分がないわけではありません。

最後に"チラシの裏"だと思って、自分用のメモ的に不満を述べておきます。

今回使ったRFレンズは1本だけでしたが、描写能力はサスガです。ニコンのZシリーズは使っていないので比較できませんが、ボディサイズ、レンズサイズ、それに価格と出てくる絵のバランスで言うと、とっても魅力的。

ただし、フィーリングとなると疑問点が多いのです。それはEOSに慣れた頭では理解しにくい(と僕は思う)操作体系だったり、いろいろあるのですが、そんなことよりももっと気を使って欲しい部分があります。

それはレンズのリアキャップとボディキャップ。なんとRFマウント用のキャップは、ポッチのエンボスマークを、ボディ(またはレンズ)の赤ポッチときちんと合わせないと填まらないんです。レンズをサクッと取り替えるとき、サッとカバーしたくてもできません。

被写界深度に入らないんだから気にするな! 後から掃除しろ! というのでしょうか? 高価なレンズなのですから、特にアマチュアの人たちは大切にしているでしょう。EFと同じように(というか世の中の他のバヨネット式交換レンズのキャップと同じように)、1/3回転させればサクッと填まるようにしてほしいものです(そもそも仕様変更した理由がわかりません)。

また、RFレンズにはフォーカス、ズームに継ぐ、第三のリングが割り当てられ、カスタマイズで機能を割り当てることができます。ところが、三つのリングが並んで配置されているので、しょっちゅう間違えてしまう。

慣れの問題と言われればそうかもしれませんが、昔の絞りリングのように、マウントの根元に配置した方がいいんじゃないかなぁ(手を動かす必要がないように、との配慮かも知れませんが)。

また、RAW現像ソフトのDPP(Digital Photo Professional)は、久々に使ってみると機能だけはものすごく増えているのに、操作体系や全体のデザインが実に古臭く、ウィンチェスターミステリーハウスのように複雑怪奇な化石ソフトになっていました。

すでにEOS Rに対応している(実際に現像もできた)Adobe Lightroomなどを使えという話もありますが、最新機能をきちんと使うにはキヤノン純正の方が望ましいでしょう。そろそろ"書き直し"が必要じゃないかな?

......と、まあ、少しばかり不満も感じましたが、"映像をデジタイズする"性能に関しては本当にいいものだと感じました。ボディの操作感や質感も、昔使っていた「D30/D60の再来?」なんていう発表会時の印象も、使い続けているともっと上の感覚。古くて申し訳ないのですが、フィルム時代のEOS-3ぐらいのイメージかな?

ニコンのZ 7と比べてスペックと価格のバランス面でいいところを突いていますし、機能満載ですでに価格がこなれてきているソニーα7 IIIとの比較でも、やはりEFレンズとの完全互換が魅力でしょう。

三つ巴の争いがどうなるか、詳細なレビューは専門誌にお任せするとして、こちらの記事は「ド素人でも最新カメラを使えば、一発勝負のやり直しが利かないシーンも、それなりに対応できる」という結論で終わりたいと思います。
(しかし、ふたたび写真撮りたい欲が沸々と......)

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