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MacBook Airの明快なターゲットと、新たなコンピュータとして再定義されるiPad Pro (松村太郎)

MacBook選びがシンプルに

松村太郎(Taro Matsumura), @taromatsumura
2018年10月31日, 午後08:32 in A12X
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10月30日に米国ニューヨーク・ブルックリンで開催されたAppleのスペシャルイベントで、MacBook Air、Mac mini、iPad Pro、そして発表会には出ませんでしたが、MacBook Pro 15インチにRadeon Pro Vegaグラフィックスを搭載するモデルが登場、ハンズオンエリアに展示されていました。

今回のプレゼンテーションの中で、非常に明確だと感じたのはMacBookラインアップです。

MacBook Airは実に7年ぶりのデザイン刷新となり、待望のRetinaディスプレイが搭載されました。米国で1199ドル(日本で134800円)という価格は、非常に意欲的です。



100%再利用のアルミニウムという、コストがよりかさむはずの材料を使っていながら、1200ドルという価格を提示した点に驚きを隠せません。

しかし、1.6GHz Intel Core i5プロセッサしかラインアップの選択肢にありません。待望のMacBook Air刷新にもかかわらず、選択の幅が非常に限られているとも感じました。これは一体、どのように解釈すれば良いのでしょうか。



明確になったMacBookシリーズの選び方

1.6GHz Intel Core i5も、1200ドルのノートパソコンとしては非力な方ではないはずです。

実際に昨今のMacBookシリーズを使っていると、高速化されたSSDの搭載、macOSの動作の軽さを考えれば、2年ではなく4~5年は平気で利用できる点を考えれば、仕事道具への投資、教材としての投資としてメリットは大きいのです。

長く使うことを前提として、USB-CではなくMacBook Proと同様のThunderbolt 3ポートを用意し、5K出力までサポートし、さらにストレージも1.5TBというオプションを用意しました。

しかし、であればもう少しプロセッサの選択肢が拡がっても良いのではないか、と感じるのは筆者だけではないはず...。

AppleはMacBookラインアップについて、サブノートとしてとにかくポータブルさを重視する12インチMacBook、パフォーマンスを重視するMacBook Pro、という明確な2つのキャラクターを持つ製品があります。

MacBook Airは、それ以外のユーザー全てをカバーする製品と位置づけて良いでしょう。

言い方を変えれば、MacBook Airが基本にあり、少しでもポータブル性が必要になればMacBookを、少しでもより高いパフォーマンスが必要であればMacBook Proを選ぶことになります。それはすなわち、追加のコストを1200ドルに足すことを意味します。

タブレット市場から脱却するiPad

一方、刷新されたiPad Proについては、より新しい見方をしてもらうことを、Appleは求めていました。

iPad Proのプレゼンテーションにおいて、タブレット市場でトップランナーであることを紹介しましたが、興味深かったのはその比較対象として、他のタブレットではなく、ノートPCとの比較を展開した点です。

その比較において、どのブランドよりも多くの製品を販売している、モバイルPCのトップブランドであることをアピールしました。つまり、もはや縮小が続く「タブレット市場のリーダー」ではなく、「ノートPC市場のリーダー」であると、視点を変える狙いがありました。

そうしたカテゴリ変更の原動力は、iPad Proのような上位モデルの功績ではありません。

iPadは2017年3月に第五世代iPadを投入して以来、3年あまりの長い低迷を脱し、再び四半期あたり1000万台以上を売り上げる成長へと復帰しました。教育市場やビジネス市場でニーズが高かった9.7インチサイズの廉価版iPadを提供することが、重要だったのです。

もちろん、高い処理性能を誇るApple謹製のAシリーズプロセッサと、Microsoft Officeを含む主要アプリを備えるApp Storeの発展が重要であり続けるのですが。

A12X Bionicは過剰のヒトコト



ただし、その道を開いたのはMicrosoftでもあります。Surfaceシリーズはこれまで、タブレットの要素とPCの要素を融合させたカテゴリを発展させてきました。AppleはMacにタッチスクリーンを搭載することを頑なに拒んでいますが、その代わりiPad Proを、PC市場にぶつけました。

Liquid Retinaディスプレイを備えるオールスクリーンモデルの投入は、iPhoneの新しいデザインでiPadを進化させたと解釈できます。ホームボタンを廃止し、iPhone XSと同じTrueDepthカメラによる顔認証Face IDを備え、フォームファクターを一新しました。

しかし最もインパクトがあるのがA12X Bionicです。
Apple独自のチップでPC市場に殴り込むのは、非常に良い戦略です。Intelチップを利用するMacで対抗する限り、価格と処理性能の面で大きく差を付けることができないからです。



iPhone XS/XRに搭載されていたA12 Bionicですら、マルチコアの処理性能はGeekbench 4で11000を上回る性能を誇ります。例えば4Kで撮影したビデオの編集は、それこそ前述の新型MacBook AirよりもiPhoneの方が得意だと思われるほどでしょう。

そのA12 Bionicを拡大したのが、iPad Proに搭載されたA12X Bionic。CPUは6コアから8コアへ、GPUは4コアから7コアへと拡大され、さらにiPadとして初めて、機械学習処理を秒間5兆回こなすニューラルエンジンが搭載されました。

この時点で、799ドルからのコンピュータとして見れば、非常に高いコスト対パフォーマンス比を実現しているのです。

より「PCらしく」ふるまうUSB-C

もう一つiPad Proがタブレットからコンピュータへと移行する明確な意思表示が、LightningからUSB-Cへポートを変更した点です。

この点については、Lightningでは達成できない事を実現するため、という説明が加わりました。iPad Proを全く異なる使い方へと進化させようとする過程で、より強力なポートを備える必要があったのです。

充電だけでなく、4Kディスプレイに直接接続したり、デジタルカメラやその他のデバイスとつないだり、USB-C - Lightningケーブルを用意してiPhoneの充電をiPad Proから行うこともできます。

iOSにもよりますが、基本的にはMacBookに1つ搭載されたUSB-Cポートのように扱うことができるようになった、と見て良さそうです。拡張ポート1つ取ってみても、コンピュータと同じ扱いで利用できることを目指しているようでした。

アプリで発展するプラットホーム

Appleは自社でもアプリを開発していますが、基本的にはハードウェアとOSを核としてプラットホームを構築し、その活用を拡げるのはサードパーティーのアプリ、という考え方が貫かれています。

iPad ProのプレゼンテーションでNBAのゲームを披露したり、Adobe Photoshop CCのプレビューを行ったのもそのためでしょう。特にPhotoshopの登場は、iPad Proをクリエイティブの道具として格安で利用できる点に大きく響いてきます。

PCとタブレットの組み合わせよりもはるかに高いモバイル性と処理性能を、799ドルから手に入れられる点で、価格競争力も高くなります。1つのアプリが、iPad Proの存在価値を大きく変えようとしているのです。

あとは、PhotoshopやAdobeのような、iPadの存在を大きく変えるアプリを、いくつ見いだせるか。もちろんAppleも働きかけるでしょうが、必ずしも線上の発展が既に見えているわけではない、とも思いました。

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