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新型MacBook Airは原点回帰。ジョブズが茶封筒から取り出した時と変わらないそのコンセプト(本田雅一)

ライバルは12.9インチのiPad Pro?

本田雅一, @rokuzouhonda
2018年11月1日, 午前06:10 in apple
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今年はApple Special Eventと呼ばれる発表会が3回もありました。このところ、毎年春と秋に2回、これに開発者向け会議のWWDCが加わって3回というのがAppleの主催するグローバルイベントの常だったのですが、今年は意外にも「4回目(製品発表会としては3回目)」の招待状。

そんな異例とも言えるの発表会は、米ニューヨーク州ブルックリンの「Brooklyn Academy of Music」で現地時間10月30日に開催されました。

このイベントでの主役は3つ。ひとつはMacBook Air、もうひとつはMac mini、さらに初めてのフルモデルチェンジを果たしたiPad Proです。



最後のほうでiPad Proにも少し触れたいとは思いますが、編集長の希望もあって、このエントリーでは"Mac成分多め"かつ、"個人的な見解"をたくさん盛り込みながら進めることにしますが、先にみんなも注目しているだろう新MacBook Airに関して、少し結論めいたことを書いてから、詳細に入っていきたいと思います。



新しいMacBook Airは、価格に対して搭載するプロセッサが非力ではないか? と思っている方が多いと思います。確かに数字だけを見ればそうですね。しかし、順を追ってこの製品の情報を追い、発表会場近くであったハンズオンでの印象をそこに重ねてみると、これはMacBook Airという製品の"原点"に立ち返ったものではないか、と思うようになりました。

そう、スティーブ・ジョブズが茶封筒から取り出した、あの初代MacBook Airのコンセプトへの回帰です。

いずれも構造設計の変更は8年ぶり

MacBook AirとMac miniは、いずれも長らく刷新されてこなかったプロダクトです。両製品とも基本となる構造設計は約8年間も更新されていません。それでもMacBook Airに関しては、内蔵プロセッサなどの更新が行われていましたが、Mac miniは2014年を最後に内蔵プロセッサのアップデートさえも行われなくなっていました。



それだけに待望とも言える2製品だったと言えますが、素直に高速な4~6コアの第8世代インテルコアプロセッサ(Coffe Lake)を載せてきたMac miniに対して、クック氏いわく「世界でもっとも愛されてきたMac」であるMacBook Airに搭載されたプロセッサは「1.6GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、4MB L3キャッシュ」というスペックのものです。

Amber Lakeには1.6GHz動作、Turbo Boost時3.6GHz動作というモデルは存在しませんでしたが、今回のMacBook Air発表に合わせて7ワットTDPのIntel Core i5-8210Yプロセッサが、インテルの製品データベースに追加されています。



つまり、タブレットへの搭載を意識して4.5ワット、あるいは5ワットにTDPが設定されることが多かったYシリーズプロセッサですが、薄型ノートパソコン向けのTDP15ワットの間にひとつ熱設計電力枠が増えたということですね(これまで7ワットというTDP設定がなかったわけではありませんが)。今後も数世代にわたって同じ設計が踏襲される可能性が高いため、このTDP枠で第9世代プロセッサもいずれ登場することになるでしょう。



Mac miniについては、まさに見たまま。SO-DIMMでメモリ増設が可能で、MacBook Proをベースにした、小型かつパワフルなデスクトップ型パソコンです。



発表会ではMac miniの容積当たりのパフォーマンスの高さを活用し、スタッキング(重ねること)して計算能力を高めたり、サーバーファームの一部として使ったりなんて事例も挙げられていましたが、個人で使う場合の評価としては"程よい性能とサイズ感のデスクトップ型Mac"がやっと出てきてくれた......ということで、製品選びをする上での迷いはないはずです。

一方、MacBook Airは現行Mac製品の中でもトップクラスの売れ行きを示してきた製品。それだけ注目度が高いだけに、いったん話をMacBook Airに絞り込むことにしましょう。


MacBook Air、評価の分かれ目は"コンセプト"



新しいMacBook Airに期待をしていた読者の中には、このところ採用機が立て続けに発表されているインテルのWhiskey Lakeアーキテクチャ採用のプロセッサが搭載されるのでは、と期待していた人もいるはず。筆者自身、てっきり次はWhiskey Lakeに行くものだと思っていましたしね。

しかし実際に搭載されたのは7ワットTDP枠のプロセッサ。AppleがMacBook Airの設計コンセプトとして、パフォーマンスよりもスタイリングに拘っていることが読み取れます。(Whiskey LakeのTDPは15ワット)

Yシリーズのプロセッサとなると、内蔵グラフィックスも実行ユニット数がGT2の半分となるGT1だと考えられます。製造プロセスが次の10ナノメートル世代になれば、YシリーズのプロセッサもGT2クラスのGPUになると思われますが、4コアのCPUよりも、より高性能な内蔵GPUよりも、熱設計枠を絞り込むことで、薄く美しいフォルムを実現する方を選んだ、ということなのでしょう。

発表会で披露された新しいMacBook Airの内部構造を見ると、ほとんど隙間らしい隙間すらない超薄型のボディ内に簡素な冷却システムが採用されています。面積の大部分は大サイズのトラックパッドとバッテリーに割り当てられているのです。



おそらく「Yシリーズ使っているなら、もっと軽くなるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、重さはアルミ削り出しの筐体や面積の広い液晶のガラスカバー、トラックパッド表面のガラス素材などが大きく影響する部分です。



ここにもっと軽量な素材を使えば1キロを目指せた可能性はありますが、剛性と質感、生産性、エコなどトータルで考慮して再生アルミを採用することに決めたのでしょう。結果として最軽量機ではありませんが、選択肢としてはありだと思います。従来機よりも約100グラム軽量になったのは、ナローベゼルとなって底面積が小さくなったことが影響しています。

一方、7ワットTDP採用が大きく影響してくるのは重さではなく薄さ。MacBook Airの最も厚い部分が15.6ミリで、これは12インチMacBookよりは厚いものの従来機よりも10%低い数字です。トータルの容積は17%減少していますが、これは外骨格の数字ですから、内部の容積はもっと小さくなっていると考えるのが妥当でしょう。

そして最後にもうひとつ。 新しいMacBook Airには放熱ファンが付いているにもかかわらず、空気が出る孔があけられていません。まるでファンレス設計のように感じる外観なのです。おそらく、スピーカーやUSB Type-C端子などの隙間から空気が出ていく仕組みなのだと思いますが、少なくとも外観上、まるでファンレス設計かのようなクリーンなスタイリングを実現していました。

システムに使える限られた容積を積み上げ、今回のスタイルに仕上げるために必要だったのが、TDPで7ワットという数字だったのだろうと想像します。



言い換えれば「13.3インチというクラムシェル型コンピュータとして作業性と可搬性のバランスが取れた大きさ」と「薄型化によるカバンへの収まり、ハンドリングの良さ」を最重要視したパーソナルコンピュータということで、これはBack to the basic......スティーブ・ジョブズ氏が封筒から取り出して披露した初代MacBook Airのコンセプトに立ち返った製品と言えるのかもしれません。

自動車で言うならば、マツダのロードススターや、いにしえのMG-Bといったライトウエイトスポーツのようなものでしょうか?(ちょっと違う?)

そのコンセプトを理解すれば、あとの評価は簡単......と言いたいところだけど

さて、長々と書いてしましたが、このコンセプトさえ理解すれば、新しいMacBook Airが自分の合った製品なのかどうかが適切に判断できると思います(なお、価格を最重要視するならば従来のMacBook Airも併売されています)。



ディスプレイはおおよそ12インチMacBook相当の解像度で13.3インチまで拡大されたイメージ。画素数は従来機の2倍近いです。48%拡がったという色再現域は、これまでsRGBをカバーし切れていなかった発色の薄いMacBook Airとは異なり、sRGBを超えるものとなっています。

ピーク輝度やコントラスト比、Display-P3に対してどの程度までカバーできているのか? といった数字は今のところ出ていませんが、モバイル向けの薄型端末と考えるならば充分な美しさがあります(もしさらに上を求めるなら、バックライトの消費電力や厚みも必要になるので、AirではなくMacBook Proの13インチに行くべきでしょう)。



一方でTouch ID、T2チップ、第3世代バタフライ構造キーボード、大型のトラックパッドなど、現在のMacBookシリーズに期待される要素のほとんどを内包。また、Thunderbolt 3が2ポートあることで、超薄型の筐体ながら多様なデバイスへの接続性が確保されています。

ここまで書き進めていて思い出しましたが、初代MacBook Airが登場した当初は、薄型の13インチクラスの製品がごく一部しかありませんでした。日本製のモバイルパソコンはもう少し小さなサイズが主流でしたし、グローバルでみると薄型機へのニーズがまだ生まれていなかったのです。

前述したように"軽さ"を求めるならば、実は外装部の重さが大きなファクターとなるので、画面サイズを削って底面積を減らすのがいちばんなのですが、そうすれば作業性が下がるうえ、やり過ぎるとキーボードが収まらなくなります。



そんな中で「画面の見やすさやキーボード、トラックパッドのフィーリングなど作業性を損ねることは許せない」けれども「薄くしてカバンには入れやすいカッコイイものに」。でも「丈夫で経年劣化しにくい」という(当時としては)無理筋のコンセプトを現代でも徹底した(そして捨てる部分はサクッと捨てている)、ある意味、潔さのある製品ですから、そのコンセプトに共感するかどうかを自分の心に問うてみるのがいいのかもしれません。

やっぱりもっと高い性能が欲しい、もっと深い色が出ないと嫌だ、なんて話ならば、MacBook Proもありますし、Windowsにも願いを叶えてくれる同価格帯の製品があります。



しかし実のところ、MacBook Airの最大のライバルは12.9インチサイズのiPad Proなのではないか? というのが、発表会で両方の新製品に触れた僕の率直な感想です。

iPad Proに関しても、本サイトで多くの方がレポートを投じているので、そちらに詳細はおまかせしたいと思いますが、発表会の日から一夜明けた現在も「僕が使うならどっちだろう?」と自問自答しています。

"パソコンで仕事をする人"としての結論は明らかですが、iPad Proが見せる新しい可能性を考えると、別の領域に踏み込みたい気もしています。


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