Sponsored Contents

apple2018Octoberの最新記事

Image credit:
Save

新MBAのCPU、Core i5-8210Yをインテルが後追いで発表。TDPは「まさかの」7W

Core m系としては異例のTDP設定

橋本 新義 (Shingi Hashimoto)
2018年10月31日, 午後06:00 in apple2018October
807シェア
195
409
0
203

連載

注目記事

4年ぶりの新生Mac mini レビュー。10万円以下で買えるCore i3モデルの実力は?

4年ぶりの新生Mac mini レビュー。10万円以下で買えるCore i3モデルの実力は?

Brother Hawk, 12月10日
View

アップルが10月30日深夜に開催した新製品発表イベント。その中での注目製品の一つが、新MacBook Air(MBA)です。実は発表会時点では、このモデルに採用されたCPU『Core i5-8210Y』は未発表でしたが、インテルが後追いで事実上の発表をしました。

事実上の、と表記したのは、原稿執筆時でニュースリリースは出ておらず、インテルが公開しているCPUデータベース『Intel ARK』でのみ仕様を公開する形式となったため。こうした事実上発表は、従来にもあったパターンです。




特筆すべきポイントは、TDP(熱設計電力:消費電力と発熱の目安となる値)が7Wと、従来の"Core m系"または"Yプロセッサ"と呼ばれるシリーズの中で比較的高く設定されている点。ただしその分、Core m系で標準となるTDP 5W版よりも、相応に処理性能が高い(動作クロックが高い)設定ともなっています。


さて、この「TDPが7W」という点がなぜポイントになるのか、軽く紹介します。その理由は、この値がCore m系のCPUとしては大きく、本来のCore m系CPUが持つ設計思想(性能よりも消費電力と発熱の小ささを優先する)とは反したものとなるため。

とくに後者において、7Wという数値のインパクトは大きなものとなります。Core m系のCPUは、冷却機構をファンレスでも使える点が売りの一つとなっているのですが、インテル側は昨今の技術での限界を5Wと想定しており、実際に他のCore m系第8世代プロセッサは5Wに設定されています。

言わばi5-8210Yは「Core m系でありながら、事実上ファンレス運用を想定しないCPU」とも呼べる存在となっているわけです。


▲i5-8210Yと8200YのCPU部仕様比較


ただしその分、もちろん性能はTDP 5W版より向上しています。今回公開された仕様を、Core i5-8200Y(第8世代Core i5のTDP 5W版である兄弟的CPUです)と比較してみると、以下のような点に違いが見られます(8200Yを基準とした表記。Intel ARKの該当ページリンクはこちらです )。

  • TDPが5Wから7Wへ(2W増加)
  • CPUの基本動作クロックが1.3GHzから1.6GHzへ(300MHz増加)
  • ターボ時最高クロックが3.9GHzから3.6GHzへ(300MHz減少)
  • 対応メモリ(LPDDR3)が高速化(1866MHz相当から2133MHz相当へ)
  • 内蔵GPUの最高クロックが950MHzから1.05GHzへ(100MHz増加)
  • 1000個あたり参考価格が291ドルから281ドルへ(10ドル低下)

【訂正:10月31日午後11時40分】記事掲載当初、ターボ時最高クロックの値に関して、8210Yと8200Yの値を逆に掲載しておりました。正しくは上記のように8200Yのほうが高く、8210Yは300MHz減少となります。読者および関係者の皆様にお詫びし、訂正させていだきます。


なお両者とも、CPUコア数は2基(デュアルコア)、同時実行スレッド数は4基。このあたりは変更はありません。

このように、CPU側の基本クロックは+300MHz(ただしターボ時最高はー300MHz)、GPU側最大クロックは+100MHzと、相応に性能が上げられていると呼べる仕様。「TDPが上がりファンレス動作が見込めない分、動作クロックは大幅に伸ばしている」仕様と呼べそうです。


▲i5-8210Yと8200YのGPU部仕様比較。残念ながら、実性能でクロック以上に鍵となる処理ユニット数の違いなどは触れられていません


この動作クロックは、TDP 5W版の上位モデルとなる『Core i7-8500Y』のクロック(基本1.5GHz/ターボ時最高4.2GHz、GPU最高1.05GHz)と比べても、CPU基本クロックで勝るのがポイント。
ターボ時では600MHzほど負けるものの、基本クロック差は実性能に対する影響がより大きいため、実使用時では比肩できる性能となるはずです(逆に言えば、TDP 5W枠で性能が高い8500Yが優秀とも呼べるわけですが)。

なお同じ第8世代Core iでも、一般的なモバイルノートPCで採用されるTDP 15W版(通称『Uプロセッサ』)は、より高性能となっています。

とくに大きな違いはCPUコア数。第8世代で代表的な『Core i5-8250U』の場合、4コア8スレッドに対応し、CPUの基本クロックは1.6GHz、ターボ時最高は3.4GHzと、物理的なCPUコア数は一気に2倍となります。
一方で参考価格は297ドルと、ほぼ同等。消費電力や発熱が大きくなる代わりに、同じ価格で理論上の最高処理速度は大幅に増す構成となるわけです。


▲i5-8210Yと8200Yのメモリ仕様比較。より高速なLPDDR3メモリに公式対応する点が違いです



▲新MacBook Air。事前のウワサでは従来モデルと同じくTDP 15W版CPUが採用されると言われていましたが、蓋を開ければ12インチMacBookに近いCore m系CPUの採用となりました


このようにCore i5-8210Yの仕様は、"ファンレス使用を前提として性能が決められた"Core m系としては異例ながら、その分動作クロックは上、なれどUプロセッサに対しては歴然とした差がある......という、厳しいことを言えば微妙な立ち位置のCPUと呼べるもの。

これを搭載したモデルであるMacBook Airの購入時、また回りの人から購入を相談された時は、こうしたCPUの立ち位置に留意しておくとベターです。


807シェア
195
409
0
203

Sponsored Contents