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折り畳みディスプレイスマホ、10年前のコンセプトから今の動きを振り返る

大画面と5Gの時代こそフォルダブルディスプレイは必須になる

山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2018年11月10日, 午後12:45 in Galaxy
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サムスンからついにディスプレイが折り曲げられるスマートフォンのコンセプトモデルが公開されました。発売時期は未定ながらも、来年にはいよいよ「閉じて・開いて」使えるスマートフォンが市場に出てきそうです。またサムスンに先駆けてディスプレイメーカーのRoyoleからも折り曲げ可能なスマートフォンが発表されています。


筆者は9月にベルリンで開催されたIFA2018の会場でRoyeleの折り曲げディスプレイを見てきましたが、耐久性さえクリアできれば曲げられるディスプレイのモバイル機器への搭載は実用化レベルに十分達していると感じたものです。

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さて折り曲げられるディスプレイを搭載したスマートフォンのコンセプトは実はすでに10年前に登場していました。当時はまだiPhoneの初代モデルが発表されたばかり。スマートフォンといえばノキアのSymbian OSマシンのことであり、ディスプレイサイズも3インチあれば「大画面」。iPhoneの3.5インチという大きさは特大サイズのディスプレイと感じられる時代でした。

フィリップスからスピンアウトしたディスプレイメーカー、Polymer Visionが2007年に発表したデバイスが5インチの折り曲げ可能なディスプレイを搭載した携帯電話内蔵型PDA端末です。イタリアのキャリア、TIMが発売予定ということで当時の展示会でサンプル品も展示されました。

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カラーディスプレイといえば液晶という時代で、しかもタッチパネルは感圧式、パネルが圧力を検知する方式が主流でした。そのためカラーパネルを「曲げる」のは到底難しく、曲がるディスプレイは夢物語とみられていたのです。そこでPolymer Visionが目を付けたのは電子ペーパー。簡単に言えばフィルムの2層の間に片側が白、もう片側が黒のカプセルを並べて荷電によって向きを変えることで表示できるのが電子ペーパーですから、曲げることのできるディスプレイの開発は液晶よりも難易度は低かったのでしょう。

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とはいえ電子ペーパー面へのタッチ操作はできず、本体に備わる5つのボタンで操作を行う必要がありました。なお端末のOSは非公開で電子ブックリーダーやWEBブラウザなどが搭載される予定でした。スマートフォンというよりも高性能携帯電話、という位置づけの製品だったと言えます。

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通信方式は3Gに対応し、TIMとしては高速(当時)にブラウジングやコンテンツのダウンロードができる、3G時代を見据えた新しいカテゴリのデバイスとして発売する予定でした。しかし技術的な問題や価格の面から実機が発売されれることはなかったのです。

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さてその後はスマートフォンそのもののディスプレイサイズが大型化していき、2010年にはDellから5インチサイズの「Streak」が発売。翌2011年にはサムスンの初代「Galaxy Note」が登場し、スマートフォンは手のひらにすっぽり収まる大きさから、より大きい画面サイズを搭載する動きが加速化していきました。5インチの電子ペーパーをわざわざ曲げて収納する必要性は薄れていったのです。

その一方で2011年には京セラから2つのディスプレイを搭載し、折りたためるスマートフォン「Echo」が登場。2013年にはNECから「MEDIAS W N-05E」が発売になるなど、やはり「大画面かつ普段はコンパクトなサイズ」の端末ニーズは市場にある、とメーカーは考えていました。

FDPまた完全に曲げられなくとも、湾曲したカーブディスプレイの開発はディスプレイメーカー各社が進めていました。2013年にはLGが上下に湾曲したスマートフォン「G Flex」をリリースしようとすると、その直前にサムスンが左右に湾曲した「Galaxy Round」を出すなど、曲面ディスプレイ搭載スマートフォンでこの2社が争ったことがあります。両社はディスプレイメーカーでもあり、新しい用途向けのディスプレイの開発も行っているのです。

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スマートフォンに曲がったディスプレイを採用できたのも、有機ELディスプレイが安定した性能と品質を保てるようになったからです。有機ELディスプレイは素子の1つ1つが発光します。これに対して液晶はディスプレイの背面にバックライトを装着し、そのライトの前にフィルターをかけて発色させます。そのため液晶では曲面ディスプレイの実現は難しいわけです。

2枚のディスプレイを折りたためるスマートフォンが登場し、また曲面ディスプレイも製品化が進めば、その行きつく先は当然のことながら「折り曲げ自由なディスプレイ」を搭載したスマートフォンです。サムスンは2013年に折りたたみディスプレイのコンセプトビデオを早くも公開。そしてその利用スタイルは今見ても十分通用します。

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2018年現在、スマートフォンのディスプレイサイズは縦長(横長)のワイド化が進むとともに、大画面化が再加速化しています。もはや6インチを超えるスマートフォンは当たり前となり、7インチクラスの製品も出てきています。消費者が大画面スマートフォンを使うことに慣れつつある今、持ち運び時にはコンパクトになりSNSのタイムラインをちょっとチェックをするときは小型の画面を使う、という使い分けは十分ニーズがあります。

数年前は「折りたたみスマートフォンはアプリケーション不在」ともいわれました。しかし2019年の5G時代にはむしろ「1台で大画面と小型画面を使い分けられる」折りたたみ型スマートフォンの需要が高まるかもしれません。サムスンのフレキシブルディスプレイ「Infinity Flex」の商用化とスマートフォンへの搭載が今から楽しみです。



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