有名アナリスト、iPhone XRの出荷予測を下方修正。「より安い価格とデュアルレンズが求められている」
アップルが販売台数の発表を辞めたので検証は難しそう
アップル関連の予測で知られる著名アナリストが、iPhone XRの出荷予測台数を引き下げたレポートを発表したと報じられています。
TF International SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏は、2018年第4四半期から2019年第3四半期を通じたiPhone XRの出荷予測を、以前の1億台から7000万台へと下方修正するとのこと。
この減少分はiPhone XSやiPhone 8など旧モデルの需要増により相殺されるとしつつも、2019年第1四半期の全iPhone出荷予測を15〜20%引き下げています。
今月初めにも「iPhone XRが増産中止、代わりにiPhone 8/8Plusといった旧モデルが増産」との噂が報じられていました。今回のレポートは、この説の信憑性を高めている格好です。
Kuo氏によれば、iPhone XRの出荷予想が下方修正される理由は、
- 米中貿易戦争による消費者心理への影響(特に中国市場)
- 現在の水準よりも安い価格(つまりXRは高すぎると思われている)やデュアルカメラ、狭いベゼルが多くのユーザーから望まれていること
- ファーウェイのMate 20シリーズとの競争
そんなiPhone XRの不調をiPhone 8など旧機種の好調が埋め合わせするとしながら、Kuo氏は2019年第1四半期の全iPhone出荷予測は5500〜6000万台から4700〜5200万台へと下方修正しています。
iPhone XRに対するKuo氏の期待は並々ならぬものがあり、予約開始直後の出足の弱さが市場の懸念を呼んでいたなかで「iPhone XRは最終的にiPhone 8/8 Plusの合計より売れる」と強気の予測をしていました。
上位機種のiPhone XS/XS Maxと同じA12 Bionicプロセッサを搭載し、機能的にほぼ遜色のないiPhone XRですが、日本のキャリア販売で10万円近い価格設定は「普及モデル」としては厳しかったのかもしれません。
アップルは先日、「今後はiPhoneやiPad、Macの販売台数は公表しない」と発表していましたが、こうした事態も織り込み済みだった可能性がありそうです。