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Mate 20 Proなどのスマホ搭載AIは何を目指すか。ファーウェイ開発トップに訊いてみた:週刊モバイル通信 石野純也

モノクロセンサーはどうなる?

石野純也 (Junya Ishino)
2018年11月22日, 午後05:00 in Android
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Ittousai, 8月13日
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秋冬のフラッグシップモデルとして、Mate 20シリーズを発表したファーウェイ。P20 Proで話題を集めたトリプルカメラをさらに進化させ、新たに超広角レンズを採用。「Mate 20 Pro」はディスプレイ内部に指紋センサーを埋め込んだほか、ワイヤレスチャージで他の機器を充電できる「ワイヤレスリバースチャージ」機能も話題を集めました。

さらに、ラインナップには、7.2インチと大画面な「Mate 20 X」も用意。もともとMateシリーズは大画面ニーズを満たす端末として誕生した経緯がありますが、さらにその魅力を増した格好です。

今回、筆者はそんなファーウェイのMate 20シリーズの開発をリードした、李昌竹(Li Changzhu)氏のグループインタビューに参加することができました。日本発売もウワサされるMate 20シリーズのコンセプトや、カメラを刷新した理由など、同端末の気になるポイントから、ファーウェイの端末戦略までを同氏が語っています。主な一問一答は、以下をご覧ください。

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グループインタビューに答えたファーウェイの李氏

──まず、Mateシリーズの特徴を改めて教えてください。

李氏「ファーウェイには2つのフラッグシップモデルがあります。1つがMate、もう1つがPです。1つ目の違いは発表時期で、Pは春で3月や4月、Mateは毎年秋に発表しています。発表時期が違うこともあり、秋のMateシリーズには、その年の最新のチップセットが載り、翌年のPにもそれが採用されるという流れになっています。

また、デザインも違ったものにしていきたいと考えています。Pはアクティブで軽やかなイメージを持たせた端末で、全体の作りを薄くし、ファッション性も出して女性らしさを持たせています。対するMateは、発表当初からビジネスパーソンに好評でした。このユーザーはバッテリー容量に対する要望が強い。ハイエンドなビジネスパーソンは、頻繁に出張に出かけたり、仕事に使ったりするからです。

そのため、バッテリー容量はいつも最大で、4000mAh以上のものを搭載するようにしています。ただし、スリムな外観とファッション性は重要で、どちらの要素も持たせたいため、そこが大きなチャレンジになっています」



──もともとはPがカメラに強い端末という位置づけでしたが、それが変わったということでしょうか。

李氏「確かに、カメラで大きなイノベーションを起こすときは、まずPに搭載していました。しかし今ではご存知のように、PもしくはMateが出るたびにカメラ機能が大きく進化しています。それは、ユーザーがカメラに対して大きく期待しているからです。

ラボでは新しいアルゴリズムのイノベーションに力を入れていますが、こうした新しい技術が成熟すると、まずはPかMateのどちらかに搭載し、世の中に届けていく方針です。ですから、最新モデルであれば、何かしら新しい要素が加わっていることになります。常に進化をさせることで、ライバルメーカーとの差も広げることができます。

補足になりますが、ライカとは、写真のクオリティを最高にするため、もっともすぐれた光学モジュールを作り出しました。また、センサーでは、ソニーとも提携しています。そのクオリティをベストに保つため、ライカと協業し、チューニングを施しています。結果として、DxO Markでも高い得点を獲得することができました。

ただ、我々は上手なストーリーテラーではないので、それをなかなかうまく伝えることができません。ユーザーが使っている機能は、我々が実現したものの1/10ぐらいでしょう。これから宣伝も強化して、しっかりと伝えていきたいと考えています」

──これまでのファーウェイのデュアルカメラは、モノクロセンサーとカラーセンサーを同時に使って、光を多く取り込めるようにしていました。それに対してMate 20シリーズはモノクロセンサーがなく、超広角カメラに変わっています。その理由を教えてください。

李氏「今の構成になったのは、ユーザーがスマホのカメラを使う中で、より広角の写真を撮りたいというニーズがあり、それを認識していたからです。広角で撮れば、より多くの情報を(1枚の写真に)収めることができます。ずっと超広角カメラは取り入れたいと思っていました。

モノクロセンサーはたくさんの光を取り込むことができ、光の少ない暗所撮影時にも(写真の)ディテールを強化できました。ただ、今回はレンズをマトリクス型にすることができ、ISPも処理能力が大きく向上しました。Kirin 980もそれに貢献しています。そのため、モノクロセンサーをなくしても、これまで以上のパフォーマンスが出ることが確認できています。画像の処理能力が総合的に上がったからと言えるでしょう。

もちろん、モノクロを好んで撮影するユーザーもいますが、Mate 20シリーズにもモノクロ撮影モードは残っていますし、モノクロの画質もライカの開発チームとともにチューニングしているので、クオリティは保証されています。ライカ風のモノクロ写真が撮れると考えてください」

──モノクロ+カラーの構成はここで終わりにするということでしょうか。

李氏「ユーザーが利用する際のメリットを最大化することを目的にしていますから、どんな組み合わせにも可能性があります。モノクロセンサーに対する研究も、中止したわけではありません。センサー自体もどんどん進化しているので、まったく可能性がないというわけではありません。今後、モノクロセンサーを使ってカメラのパフォーマンスが大きく飛躍することも、ないとは言えません」



──今現在、カメラはトリプルになっていますが、将来的にはもっと増えていくのでしょうか。逆にAIの力で1つに戻っていくのでしょうか。

李氏「どういった技術を取り入れるのかは、あくまでユーザーの課題が解決できるかどうかによります。カメラについても、ユーザーの撮影体験を向上できるのかが選定基準です。

ただし、もう1つ、基準として見た目のよさもあります。インターネット上に、6つや13のレンズがついたスマホの画像が上がっている画像を見たことがありますが、私の目から見ると、デザイン性がいいとは言えません。スマホはほとんどの人にとって、もっとも重要なガジェットで常に持ち運ぶものですから、機能面はもちろん、外観のよさも兼ね備えなければなりません。

ですからMateもPも、曲線を生かした形状にしたり、新しいカラーリングを考案したりと、筐体に対しても様々な工夫をしています。機能性とデザイン性は、しっかりバランスを取らなければなりません」

──Pixel 3やiPhone XRなど、シングルカメラでポートレートモードができる端末も増えています。これについてはどうお考えですか。

李氏「メーカーごとにそれぞれの手法があり、アルゴリズムも異なります。その結果ですが、ポートレートモードには、非常に大きな差も出ます。比較するときには、ぜひ髪の毛を見て、細かくボケているかを確認してみてください。また、腰に手を当てて撮影し、その間がうまく背景として切り取られているかどうかも見てみるといいでしょう。

弊社のカメラは(デュアルカメラで)人の目に見立てた構造になっているので、しっかりとした奥行きが取れます。この奥行き情報を元に、人の輪郭を検出しています。

技術的な競争はディテールをいかによくしていくかにあり、技術面の競争は消費者にとってもメリットがあります。弊社ではこれを歓迎しています」

──先ほどソニーとの関係に言及がありましたが、センサーを見ると、ソニーからは他社以上にいいものが供給されています。どうやってこの関係を築いたのでしょうか。

李氏「ソニーさんを含めてになりますが、たくさんのサプライヤーと弊社の間には緊密な戦略的パートナーシップが結ばれています。なぜ戦略的かというと、みんなで同じ目標を共有しているからです。チャレンジにはそれなりのリスクがつきもので、立ち向かう決意も必要です。失敗の可能性もありますが、そのリスクは負う。一方で、成功したら世の中に大きなサプライズをお届けできます。

戦略的なパートナーになるためには、ウィンウィンの関係を築けることが重要です。製品が売れ、しっかり売上を確保できたら、パートナー企業にも経済面でしっかりお返ししなければなりません。ウィンウィンになることが、業務関係での基礎になっています」

──先ほどからカメラの話はアウトカメラが中心ですが、インカメラはいかがでしょうか。P10ではインカメラにライカブランドがつきましたが、P20からはそれが外れてしまいました。

李氏「よく見られてますね。確かにP10のインカメラはライカで、P20からはその冠が外れています。ただし、品質面の基準が何か変わったわけではありません。先ほどお話したように、ライカとの業務提携範囲は主に2つで、1つが光学レンズの設計、もう1つは写真のテイスト、つまりライカ風の写真が撮れるようにするということです。

インカメラも設計に関してはライカ基準に準拠していますが、一方で、アウトカメラで撮る写真とセルフィでは、求められるテイストが異なっていることが分かりました。そのため、(画像の仕上げは)ライカとは異なる方向性にしています。これは(ライカの方向性とは)一致しないということで、ライカの冠は外すことにしました」

──AIを売りにするメーカーも増えてきましたが、改めてファーウェイの優位性を教えてください。

李氏「AIをどう伸ばしていくのかは、2時間ぐらい説明できます(笑)。そこまで時間がないので、ポイントは次の3つです。1つ目は、ユーザーがより簡単に、優れた写真を撮るための手助けをAIがするということ。今のAIは様々な被写体やシーンを瞬時に識別できます。たとえば花だけでも数億枚の写真をすでに学習しているので、どういった設定がいいのかがAI側に知識として備わっています。これを実際の光の加減などと照らし合わせながら調整することで、誰が見てもきれいな花の写真に仕上げられます。

2つ目のトレンドとして、AIでこれまでの撮影機材ではなかなかできなかったことを実現しています。たとえば、Mate 20ではAIを使って被写体の人物にだけカラーが残ったままにして、背景をモノクロにする機能がありますが、この効果は写真だけでなく、動画にも適用できます。こうしたことは、従来でもできましたが、撮ったあとに処理をしなければなりませんでした。

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李氏は、背景だけをモノクロにする機能をアピール

3つ目は潜在能力が高い技術ですが、撮影以上のことができる技術です。2つの例をお話しましょう。今では肌のキメ、シワ、シミなどを細かく写すことができますが、それをフィルターできれいに見せるのではなく、美肌のための建設的なアドバイスを出すということにも使えます。

もう1つの例になりますが、写真は一瞬を残しておくためだけでなく、単なるメモとして撮ることもありますよね。映画のポスターを撮っておいて後で見に行ったり、本の表紙を撮っておいてあとで買ったりということはあると思います。買いたいものをとりあえず写真に撮っておくこともありますよね。こうしたときに、2本の指で長押しすると、アリババのイーコマースサイトに飛べるようになりました。

中国ではアリババやJDと提携していますが、将来的には世界各国のイーコマースと提携していきたい。日本だと、ヨドバシカメラさんやアマゾンさんと提携できれば、1秒でインテンション(注目)からビヘイビアー(行動)に移すことが可能になります。

ほかのメーカーも確かにAIを宣伝していますが、弊社のAIはあくまで現実の課題を解決するものです。仕事の効率を上げたり、日常生活のクオリティを高めるためのものという位置づけです。発表会でリチャード(・ユーCEO)もデモをしていましたが、今では弊社のスマホを使えば、英語をしゃべる人と中国語、フランス語をしゃべる人同士がリアルタイムで会話できます。これは、Kirinに搭載されているNPUの力を使ったものです。

ただし、AIの応用面に関してはまだスタートしたばかりで、まだまだ初級的な応用しかできていないという認識です」

──Mate 20の発表会では、リバースワイヤレスチャージでiPhoneを充電する説明もあり、日本ではTwitterで大きな話題になっていました。さすがにそのために載せたわけではないと思いますが、どのような意図があるのでしょうか。

李氏「繰り返しになりますが、いかなる機能もユーザーの課題を解決するためのものです。もちろん、そもそもの趣旨として、iPhoneを充電するために開発したわけではありません(笑)。この機能を開発したのは、スマホにはたくさんのアクセサリーがあるからです。たとえばBluetoothイヤホンがワイヤレス充電に対応していれば、それをいつでも充電できます。スマホであれば(イヤホンを充電するには)容量も十分ですからね。いざというときにアクセサリーを充電できるという趣旨で搭載しました。

もちろんですが、自分自身の電池がなくならないよう、一定のパーセンテージを下回ると自動で充電が止まるようになっています。また、安全性も考慮していて、充電に不要なものが載ったときは端末側が判断して、しっかり給電は止めるようにできています」

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李氏はリバースワイヤレスチャージについて、「iPhoneを充電するためではない」と笑う

──今回、Mate 20 Proは画面内部に指紋センサーが搭載されています。これは光学式でしょうか。画面に傷がついたり、フィルムを貼ったりしたらどうなるのでしょうか。

李氏「光学式です。そのため、画面に傷がついたり、フィルムが汚れたりすると、指紋認証には影響が出ます。しかし弊社がこれから発売する純正フィルムでは、問題が起きないようにしてあります」

──Mate 20にはmicroSDカードではなく、ファーウェイ独自のNMカードが採用されています。これはなぜでしょうか。

李氏「ユーザーによりますが、外部メモリがほしいという声があったからです(P20シリーズでは非対応)。バックアップ用に使いたいというニーズは確かに存在していて、弊社としてもその声を無視することはできません。ただ、スマホに関しては1mmでもスペースは貴重です。そのため、メモリカードのサイズをSIMカードと同じにできないかと考えました。中身に関しては従来と同じですが、パッケージングが違います。今後はより多くのメモリメーカーに声をかけ、どんどんエコシステムの中に入っていただけるようにしたいと考えています」

──ありがとうございました。


ざっくばらんに戦略をお話してくれた李氏ですが、こうしたファーウェイの端末を他社と差別化しているもう1つの要素がユーザーインターフェイス。同社の端末には、独自に実装した「EMUI」が内蔵されていますが、Mate 20シリーズではこのバージョンも9.0に上がりました。インタビュー後編では、このEMUIに関するあれこれをお届けしていきます。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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