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メッシュWi-Fiで家のネットを高速に。話題のルーター「VELOP」を一軒家で試してみた

「面倒な設定はスマホにお任せ」という斬新な設計思想も注目です

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2018年11月25日, 午後05:30 in router
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LTEが急速に普及して、スマートフォンでどこでも高速通信できる時代になりましたが、自宅ではWi-Fiにつないだほうが(ギガ消費の面でも)安心です。

そこで気になるのはWi-Fiの側の進化。無線LANの規格としてはより高速な「IEEE 802.11ax」という新規格も登場していますが、スマートフォンなどで普及するにはまだまだ時間もかかりそう。今のスマートフォンで使える高速化、そして通信エリアを広げる手段として有望なのが「メッシュWi-Fi」です。

「メッシュWi-Fi」という技術をざっくり説明するとしたら「複数のWi-Fiアクセスポイントが連携して、いい感じにカバーするエリアを広げてくれる技術」といったところになるでしょう。これを搭載したWi-Fiルーターが、2018年になって複数のメーカーから登場しています。

特にコンクリート壁で仕切られたマンションなどでは、壁により電波が減衰するため、1つのWi-Fiスポットではカバーしきれないといった問題があります。こうした家でWi-Fiがつながらない部分をなくすのというが、メッシュWi-Fiのコンセプトです。

なお、これまでのWi-Fiルーターでも、あとからエリアを広げられる"増設用"の機器が発売されています。しかし、それらは設定が複雑で、機械に詳しい人でないと手が出しにくい製品でした。昨今のメッシュWi-Fiルーターは、こうした複雑な設定を、スマートフォンアプリなどを使い、手軽に行えるように工夫されています。

メッシュWi-Fi「Linksys VELOP」
▲「Linksys VELOP」の3台セット。各Wi-Fi機器(ノード)の機能は同等で、どれから設定しても大丈夫。本体、電源のほか、LANケーブルが1本付属する

メッシュWi-Fiに対応するルーター製品は各社から販売されていますが、今回はベルキンの「Linksys VELOP」で使用感を検証してみました。この製品は2台セットで3万2980円、3台セットで4万9480円(いずれも税抜)と値段が張りますが、スマートフォンだけで(PCを使わなくても)設定が完結できる、という特徴があります。

なお、現在販売されているメッシュWi-Fi製品は、基本的にメーカー間での互換性がない(メッシュWi-Fi対応とされていても、複数のメーカーの製品を混ぜては使えない)ことに気をつけてください。

メッシュWi-Fi「Linksys VELOP」▲説明書は同梱されていない。あるのは「アプリを入れてね」という内容が書かれた紙1枚だけという割り切りの良さ

2階建ての電波環境を改善したい

筆者宅は延べ床面積40坪の木造2階建て。2階の端の部屋に光回線があり、Wi-Fiルーターもそこに設置しています。これまでは木造で電波が通りやすいこともあり、Wi-Fiルーター1基でカバーしていました。

メッシュWi-Fiを使ってみた
▲筆者宅の間取りはこんな感じ。電波を遮るものも少ないためWi-Fiには優しい環境ですが、やはりルーターから距離がある1階の端は弱くなりがち

とはいえ、ルーターから一番遠い1階ではさすがに電波が弱くなるようで、Facetimeオーディオで通話しながらスプラトゥーン2のオンライン対戦をプレイしていた時などは、Wi-Fiがヘタって切断されてしまうこともありました。

そこで、VELOPを(1)光回線直近、(2)2階の作業部屋、(3)1階中央という3か所に設置してみました。

メッシュWi-Fiを使ってみた
▲上図のように配置してみることに

設定はアプリだけで完了

VELOPを設定を始めるとき、まず行うのはスマートフォンアプリのインストール。iOSとAndroidをサポートする「Linksys」アプリを導入します。以下、すべての設定はアプリを通して行います。

設定の中でユーザーがする作業は、アプリの指示にしたがって機器をつなぐくらい。ほぼ、待っているだけで完了します。ただし、フレッツ光系のサービスでは、プロバイダーから送られてきた「接続情報」を入力する必要があります。そうした情報もアプリで入力することになります。

メッシュWi-Fi「Linksys VELOP」
▲本体上のランプの色を見ながら、アプリの指示に従って設定する

メッシュWi-Fi「Linksys VELOP」▲アプリ上の設定(の抜粋)。段階を踏んで説明されるので分かりすい。ただ、「ノード」や「モデム」などの用語が理解できる程度のITリテラシーは必要

2台目以降の機器の追加も、アプリ上で行えます。Wi-Fiの増設というと、一般的には調整にかなりの手間がかかる作業ですが、VELOPではそうした調整もお任せ。スマホを設置する子機の前に持って行き、しばらく置いておくだけで設定が完了します。

メッシュWi-Fi「Linksys VELOP」▲最初の1台では本体に書かれている「SSID」と「パスワード」を入力する必要があったが、2台目以降の設定ではそれを確認する必要すらない。これは便利

Wi-Fiの名前、パスワードの設定もVELOPからカンタンに変更できます。なお、今回はWi-Fi機器の再設定の手間を考えて、以前のルーターと全く同じSSIDとパスワードを設定しました。

ちなみに、パソコンのブラウザーでVELOPのIPアドレスにアクセスすると「設定はアプリで開いてください!」という注意書きが表示されます。面倒な設定は極力自動化し、ユーザーはアプリを見ているだけで済むという設計思想は、「スマホ時代ならではだな」と関心してしまいました。

肝心の速度改善効果は

さて、速度改善の効果ですが、今回はレビューの都合上、あくまで簡易的な計測しか行っていないことをお伝えしておきます。本来なら、「Iperf」などのネットワーク計測ツールを用いて行うべきですが、今回はスピードテストアプリによる速度調査にとどめています。数値などは参考値とお考えください。


メッシュWi-Fiを使ってみた
メッシュWi-Fiを使ってみた
今回の測定で特に目立ったのが、アップロードの速度向上。400Mbpsという数値をたたき出しています。一方で、下り速度は、予想していたほどには効果がなかったという印象です。これは、筆者宅がもともと木造で、Wi-Fiの電波にとっては優しい環境だったからかもしれません。

なお、1階で測定した下り速度の結果は、「VELOPを導入してむしろ下がってしまったのでは」と感じるような数値となっています。これはおそらく、測定時に2階から1階へ移動してすぐ計測してしまったため。3回計測した結果は84.5Mbps、109Mbps、137Mbpsとなっており、1回目が特に低い数値となっています。

VELOPでは、接続するノード間での切り替えの判断をWi-Fi機器側が自動で行う仕組みです。筆者宅の場合、2階から1階に移動してもWi-Fi速度が劇的に低下することはないため、2階の(遠い)ノードでの接続が継続されてしまったものと思われます。

ここからは体感での印象になりますが、安定性では、VELOPシステムに軍配があがるように思いました。特に1階でスプラトゥーン2を遊ぶときなど大量の通信を継続して行った場合にも、Wi-Fiルーターがへばることなく、通信を流し続けていた印象です。

通信対戦のゲームではWi-Fi側がへばってしまうと切断してプレイしている人に迷惑をかけることになってしまうため、その心配がなくなったのは嬉しいところ。単純な通信速度以上に心理的な不安を払拭できるのがありがたいな、という印象でした。

メッシュWi-Fi「Linksys VELOP」

使う時のストレスも減った

速度改善効果はもちろんありましたが、それ以上に「イイ!」と感じたのが、使っているときのストレスが軽減されたこと。これまで2.4GHz帯(IEEE802.11b/g/n)と5GHz帯(IEEE802.11a/n/ac)という2つの周波数帯で別々のSSIDで展開していたWi-Fiが、VELOPでは1つのSSIDにまとまり、機器ごとに接続する周波数帯を使い分ける形になったのです。IT機器に詳しくない家族への説明もしやすくなりました。

設定がアプリだけで完結することも便利なところ。

Engadget読者に多いであろう「家庭のネットワーク担当者」をされているような方なら、「家のWi-Fi設定はパソコンでやるもの」という先入観があるかとも思いますが、現代のスマートフォンはパソコンに勝るとも劣らないスペックがありますし、信頼できるメーカーを選べば、アプリがすぐ使えなくなるという心配も(少なくとも数年単位では)ないはずです。

VELOPを使ってみると、「複雑な設定はアプリ上に任せる」という設計思想が徹底されているのに気づきます。初期設定もアプリの指示に従うだけで、利用後のWi-Fiの健康管理まで自動でみてくれるので、これまでよりも簡便になるはずです。

また、専用のアカウントによるログイン機能が用意されているのも便利なところ。ルーターに設定した管理者パスワードを忘れてしまって、すべて最初から設定しなおし、といった事態を防げます。

家のネットワーク機器は完璧に管理したい、という人には向かないようにも思えますが、「家の隅々までに強いWi-Fiを行き渡らせたい! 設定は面倒!」という人には、間違いなくおすすめできる製品です。


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