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「宇宙全体で今までに作られたすべての光」を科学者が測定。約138億年の歴史を知るヒントに

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Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2018年12月4日, 午後01:30 in Space
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クレムソン大学の研究チームは、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡を使った観測と分析によって、これまでに宇宙で作られた光(光子)のほぼ全量を測定できたと発表しました。目的は、宇宙の生い立ちを研究するため。

宇宙は約138億年前のビッグバンによって始まり、その数億年後には星々を形成し始めたと考えられます。いまでは全宇宙には約2兆の銀河があり、それぞれが無数の星で形成されています。

研究者らは、初期の宇宙について調べるために非常に遠い銀河がはるか昔に発した光を観測してきました。ただ、あまりに遠すぎるためはっきりと観測することができず、その分析に推定を織り交ぜなければならないのが難点でした。

遠い銀河が発した光は、とにかく広大な宇宙を通り抜けて地球にまで届きます。銀河と銀河の間のなにもない空間は、われわれには真の闇のように思えます。しかし実際は、宇宙の誕生以来あらゆる銀河や恒星や爆発などの現象が放出したすべての光が拡散した状態とも考えることができます。

この拡散した光は銀河系外背景光と呼ばれ、宇宙の霧のようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。つまり遠い銀河からの光は、夜霧の道を照らす自動車のヘッドライトのようもので、途中で拡散してしまうことになります。

研究チームは、観測可能で太陽の数十倍から数百万倍の大きさを持つ739個のブレーザー(クエーサーの一種で、放出するジェットの一方が地球の方向に向いているため激しく活動しているように見える)と、ブラックホールの誕生の際などに発生するガンマ線バーストに関する9年分のをデータを調べました。


大質量ブラックホールの降着円盤からエネルギーを取り込み、円盤の軸方向に宇宙ジェットを放出するクエーサー/ブレーザーはどれも赤方偏移が強く、遠い宇宙にしか見られません。チームは、このブレーザーから届くガンマ線の減衰を知ることで、銀河系外背景光を算出しました。

この方法によると、銀河系外背景光つまり宇宙空間に放出された光子の全量は「4x10の84乗」個になるとのこと。文字で記述してみるとなんともあっけないもので、 "生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え" 的数字にも思えてしまいそうですが、その数の大きさを想像してみれば「なるほどな」と飲み込める程度に現実感もある大きさです。


ただ、これだけの大きな数の光子が存在するにしても、それらは宇宙空間全体に拡散しているため、その明るさは60w電球で4km先を照らしたほどにしかならないとのこと。

研究チームは、観測するブレーザーからの距離を分類することで、10億年前、20億年前、60億年前など宇宙の時期ごとの宇宙の光量を測りました。そして、それらのデータから宇宙が初めて星を生み出した時期の事を効果的に調べられるとしました。研究チームは「宇宙の最初の10億年はまだ人類の技術では観測できておらず、この研究がそれを覗くことを可能にするだろう」と述べています。

星の形成を理解することは宇宙塵から銀河への進化や、暗黒物質など天文学の多くの分野に影響を与えるはずです。さらに今回の研究結果は、2021年に打ち上げ予定のJames Webb宇宙望遠鏡を使った観測にも役立つものとなりそうです。


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