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iPhone XS / XRの「eSIM」は海外データ通信が超お得だった:週刊モバイル通信 石野純也

5GBで2000円

石野純也 (Junya Ishino)
2018年12月5日, 午前07:00 in Apple
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iPhone XS、XS Max、XRや新しいiPad ProがeSIMに対応したことを受け、世界各国のキャリアが続々とサービスを開始しています。発表会で紹介されたキャリアの数はそれほど多くありませんでしたが、eSIMはGSMAの標準に則っている技術。しかもオープンになっているため、eSIMプラットフォームを持つキャリアの一部は、独自にサービスを開始している状況です。

iPhone XRでeSIMを使ってみた

今回、筆者が使ってみた香港の「3」(スリー)もその1社。同社は、ローミング用として、欧米やアジア圏で利用できるサービスを提供しています。筆者は12月4日に開幕する、クアルコムの「Snapdragon Tech Summit」を取材するため、米ハワイに来ていますが、ここでの回線として「3」のローミングサービスを試してみることにしました。

料金はシンプルで、10日間のローミングパックが138香港ドル(約2000円)。規約を見ると、フェアユースポリシーが適用され、利用量が1日500MBを超えると、速度に制限がかかるようです。とはいえ、わずか2000円で10日間利用できるのは非常にお得。1日980円で提供されているドコモのパケットパック海外オプションや、auの世界データ定額を基準に考えると、わずか2日ぶんです。

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▲料金は10日で138香港ドル。1日500MBまで高速通信を利用できる

大手キャリアのサービスは、普段契約しているデータプランの容量をそのまま使えるため、大容量プランであれば速度制限の心配が少なくなるものの、出張は丸々1週間になるため、料金も6860円と、1回線ぶんに近い金額になります。約2000円で10日間使える「3」のeSIMであれば、料金は1/3以下に収まるというわけです。持っててよかったiPhone XR。

というわけで、早速契約してみましたが、その手順はあっけないほどでした。「3」のeSIMを紹介しているページに飛び、ローミング用のパッケージを選択。香港の電話番号を入力する欄がありましたが、とりあえず無視して、8ケタぶん、すべて0を入力しても問題なく先に進むことができました。ここで入力したメールアドレスに、eSIM設定用のQRコードが送られてきます。

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▲電話番号はダミーでOK。メールアドレスだけで契約できた

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▲支払いが済むと、登録したメールアドレスにQRコードが届く

このQRコードを、iPhoneのカメラで読み取ります。iPhoneの「設定」を開き、「モバイル通信」 「モバイル通信プランを追加」をタップすると、QRコードリーダーが立ち上がるので、ここにQRコードを写すだけでOK。あとは、画面に表示された説明に従い、ボタンをタップしていくだけです。

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▲「設定」の「モバイル通信プランを追加」をタップ

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▲QRコードをiPhoneのカメラで読み取る

QRコードを読み取る必要があるため、申し込みは"iPhone以外"の端末でやっておいた方がスムーズです。筆者はiPadを使いましたが、PCでもいいでしょう。iPhoneから申し込んでもいいのですが、その場合は、iPadやPCなど、別のデバイスで受信できるメールアドレスを入力するようにしてください。いったんiPhoneで受信したQRコードを、ほかのデバイスに送ってもいいのですが、ひと手間余分にかかってしまいます。

eSIMが設定されると、iPhoneがデュアルSIM化するため、メインの電話やSMSに使うSIMカードをどちらにするかを選択する必要があります。今回、「3」ではデータ通信だけをしたかったので、筆者は普段利用しているドコモのSIMをメインにしながら、「3」をデータ通信に利用するよう設定しました。デュアルSIMになると、それぞれのSIMカードに名前をつけておけますが、筆者は分かりやすいよう、キャリア名を入力しています。

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▲eSIMが登録され、iPhone XRがデュアルSIMに

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▲「3」のeSIMは、データ通信のみの副回線に設定した

あとは、通信をするだけ。日本で設定を済ませておいたため、ハワイの空港についてすぐに、通信を使い始めることができました。国際ローミングになり、いったん香港を経由するため、日本のサーバーにアクセスした際の遅延は気になるところですが、Webを見たり、ちょっとしたアプリをダウンロードしたりするぐらいであれば、十分なスピードです。

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▲香港から距離が離れていることもあり、遅延が少々気になった

ちなみに、ホテルの部屋では少々電波状況が悪かったため、キャリアを自動で選択されたAT&TからT-MobileやVerizon、Sprintに切り替えてみましたが、AT&T以外ではうまく通信ができませんでした。低価格なローミングを実現するため、AT&Tにキャリアを絞っているのかもしれません。ネットワークや電波の状況にもよるため、今後、違う場所でも試してみたいところです。

物理的な制約からの解放

実際に使ってみると分かりますが、その手軽さはやはり感動的。これが物理的なSIMカードだと、わざわざ香港まで行くか、日本から並行輸入するしか入手方法がありませんが、eSIMはネットだけですべてが完結します。SIMカードという"モノ"があるゆえにどうしてもかかっていた、輸送のための距離や時間から解放されるというわけです。SIMカードを抜き差しする必要がないのも、手軽。設定感覚で、簡単に作業を終えることができました。

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▲SIMカードという、物理的な制約から解放されたインパクトは大きい

残念ながら、ローミング対象の国や地域は、アジアや北米、欧州の一部に限られており、筆者が取材で訪れることが多いメジャーな国では、ドイツやスペインが非対応。日本人の渡航が多い国や地域では、グアムやインドネシアもサービス対象外です。国や地域は、より増やしていってほしいと感じました。

なお、ローミングは日本にも対応しています。そのため、月の途中で容量が足りなくなってしまったときは、キャリアでデータ容量を追加するよりも、データ通信だけを「3」にしてしまった方が、割安になることがあります。たとえば、まだ月末まで10日ほど残っているときは、1GBを1000円で買うより、毎日500MB使えて2000円という方がうれしい人も多いでしょう。

その意味で、eSIMは、国境をまたいだ競争を促進させる可能性も秘めています。現時点では"裏技的"な機能で、言語の壁もあり、知る人ぞ知る存在かもしれませんが、キャリアにとっても、うかうかしていられないはず。しかも、その機能が日本でもっともシェアの高いiPhoneに搭載されているのです。今はまだ実感できるレベルではないかもしれませんが、そのインパクトは徐々に大きくなっていくはずです。


関連キーワード: apple, iphone, iphonexr, iPhonexs, mobile
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