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ファーウェイ販売トップインタビュー「2019年はハイエンドにフォーカス」

11月30日に実施されたグループインタビューです。

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2018年12月13日, 午後05:30
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中国のスマートフォンメーカー、HUAWEI(ファーウェイ/華為技術)の副社長インタビューをお届けします。

このインタビューは、ファーウェイ本社の副社長Jim Xu氏(Huawei Consumer Business Group,Vice President)の来日にあわせて、11月30日に実施されたものです。

12月以降、ファーウェイ本社のCFOの逮捕を発端として、米中対立のさなかにあるファーウェイですが、このインタビューではスマートフォン市場での今後の展開を中心に語っています。なお、「米国政府のファーウェイ製品使用中止要請」についての受け答えは、23日付けの記事でも紹介しています。

2018年をふり返って

――2018年をふり返っての所感は。

Xu氏:スマートフォンは、ファーウェイのコンシューマービジネスグループが扱う製品の中でも、もっとも革新的なデバイスです。

その中でも、「Mate 20」シリーズのようなフラッグシップモデルの販売を、今年は伸ばすことができました。フラッグシップモデルの販売台数は、前年比で倍近くまで達しています。

そして、フラッグシップの好調が、販売ボリュームの大部分を占める、ミドルレンジやローエンドの製品の販売もけん引する存在になっています。今年は多くの国で、前年比の150%で超える出荷数となりました。全世界の出荷台数では、2億台を突破するでしょう。

Mate 20 Pro

スマートフォンだけでなく、タブレットも好評でした。ノートPCも多くの製品を投入しています。来年はこの分野でもさらに多くの製品を投入できるよう、PC向けの研究開発も加速していきます。

また、ウェアラブル端末やスマートウォッチ、IoT分野などその他の製品は、生活のすべての面をカバーしていくために、重要な存在となってきます。今後はこの分野にも注力していきます。

Mate 20シリーズの現況

――10月に発表した「HUAWEI Mate 20」シリーズの販売動向は。

Xu氏:10月2日のロンドンの発表会で、ファーウェイは「Mate 20」「Mate 20 Pro」「Mate 20 X」の3モデルを発表しました。発売から1カ月半が経ちますが、販売は大きく伸びている状況です。

以前発売したモデルと比べても、初動で3~5倍という、良いペースで伸張しています。「Mate 20」シリーズには大いに自信を持っています。総販売台数は、1000万台に届くとみています。

――Mate 20シリーズで今回、ペン入力対応の「Mate 20 X」が発表された。手書きというUIはファーウェイがあまり取り組んでこなかった分野だが、どのように考えてるか。

Xu氏:「Mate 20 X」は、7.1インチの大画面スマートフォンで、ペン入力機能も搭載しています。そして、ゲームパッドを装着して、スマートフォンながらゲーム機としても使えるという付加価値もあります。

この製品はファーウェイとしても初めての分野での挑戦でした。発表したときには、海外のすべての国で販売するほどの自信を持っておらず、現時点では主に中国を中心とした少数の国で販売しています。

新製品を大規模に展開するときには、消費者が気に入るかどうか、まずはリサーチをしなくてはなりません。Mate 20 Xを中国で発売した際には、大きな評判を呼びました。そこで、販売国を追加し、マレーシアとタイでも試験販売のような形で展開しています。今ではこの製品にも自信をもっています。次は日本市場にもぜひ投入できればと思っています。
――Mate 20シリーズからは、新しい記憶媒体としてNMカード(ナノメモリーカード)が登場された。このNMカードとHUAWEI純正のケースが日本で販売されている。一方で、エコシステムの拡大にはサードパーティのメーカーを巻き込んでいく必要がある。

Xu氏:おっしゃる通り、良いアドバイスだと思います。

昨日、東京のたくさんのショッピングモールを見学しました。どの店舗にも多くのアクセサリーが並んでいる。スマートフォンアクセサリーが棚を埋め尽くすように並ぶ様子は、他の国では見られない光景です。

日本の店頭を訪れたことで、サードパーティーと協力して多くのアクセサリーを用意する必要性だ、という気づきを得ました。消費者は1つのスマホにいくつものアクセサリーを購入することはできませんが、種類を揃えることで、細分化したニーズを満たし、満足度を上げることができます。

――「Mate 20 lite」をビックカメラグループの専売商品として用意した。こうした販売チャネルごとに商品を用意する戦略は、海外でもよく行っているのか。

Xu氏:弊社としては多くの製品を提供していきたい。メーカーであるファーウェイとしては、どの製品をどのチャネル向けに販売することもできます。

一方で、メーカーと消費者の中には、さまざまなパートナー企業が介在しています。パートナー企業とのやり取りを重ねた中で、Mate 20 liteの場合は、独占提供という形になりました。

今後、日本で発表されたすべての製品は、原則としてオープンマーケット(SIMフリー市場)でも販売していこうと考えています。

米国との関係について


――11月23日、米紙WSJが「米国政府が中国ファーウェイ製品の使用中止を同盟国に要請している」と報道した。この報道に対するファーウェイの見解はあるか。

Xu氏:ファーウェイの製品・ソリューションは世界170か国以上で幅広く利用されており、米国の優良企業ランキング「フォーチュン・グローバル500」に名を連ねる一般企業、そして数多くの消費者のみなさまにご利用いただいています。

多くの企業、消費者の皆様から選ばれているのは、ファーウェイが届ける価値を理解し、信頼されている証です。ファーウェイとしては消費者体験を第一にする方針は変えず、今後も製品開発・展開を続けていきます。

現在、一部の国では販売できない状況になっていますが、それらの国でも条件が合えば商品を提供したいと考えています。

HUAWEI Jim Xu氏

市場環境、グローバル展開への見通し

――Appleの失速はファーウェイにとって追い風となるのか。

Xu氏:日本のことをおっしゃっているのだと思いますが、中国市場では依然としてApple製品は売れています。

ファーウェイとしては、iPhoneの販売状況はあまり注目していませんでした。iPhoneはかなり高額。我々の主力製品は、その価格帯には届かない、ロープライスな製品です。

ただ、ユーザーの選択肢を増やすためにも、iPhoneや、他社のAndroidから、ファーウェイ製品へスムーズに移行できるよう、データを簡単に転送できるようなソリューションを用意しておかなければいけないとは考えています。

――端末の売れ行きは国によっても違いがあると思う。日本では「P20 lite」が好調だったが、海外ではどうか。

Xu氏:例を挙げると、ヨーロッパのほとんどの国では、我々のシェアが50%を超えています。一部の国では、30%のボリュームシェアを獲得しています。

販売額や実売ボリュームでは、ミドルレンジの製品が多くを占めています。中東、アフリカ、ラテンアメリカ、アジア太平洋の一部の国では、低価格はエントリーモデルが大部分です。

日本市場が特異なのは、ハイエンドモデルが非常に売れていること。イギリスとドイツを足したよりも多くの台数が出ています。我々にとっても大きな伸びしろがある市場だと認識しています。

――スマートフォンでシェア1位を目指す上では、米国市場の規模は外せないほど大きいと思うが、ファーウェイの今後の戦略は米国市場を含んだものなのか。

Xu氏:1位になるというのは、結果であって目標ではありません。ファーウェイの会社としての目標は、消費者にとって使い勝手のよい製品を作り、ニーズを満たし、気に入られることです。

――ファーウェイはハイエンドからエントリーまで多数のスマートフォンを揃えているが、それらをどのように売り分けていくのか。

Xu氏:ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドというラインナップを幅広く網羅する戦略は、多くの消費者の要望を満たすためにも、今後も継続していきます。その一方で、ファーウェイの"次のステップ"として、ハイエンドモデルの需要を延ばしていきたいと考えています。消費者がブランドを認めるきっかけとなるのは、やはりハイエンドの製品です。

ファーウェイは、実は"技術ファースト"の会社です。毎年、技術開発に多額の投資を行っています。2018年の研究開発費は120億ドル、今年2018年には、それを上回るだろうと予想しています。

地道な研究開発によって育ててきた技術を、今後のハイエンドの製品にどんどん投入してきたいと考えています。今後は、研究開発から販売までハイエンドにフォーカスしていく方針です。

――ハイエンドを中心とした販売戦略について。メーカーが売りたい製品を売るのでは市場の受け止めが違う。日本では、来年以降、端末の購入補助が抑制されて、よりローエンド志向が強まっていくだろう。そのような市場環境でも変わらずハイエンドモデルを投入していくのか。

Xu氏:弊社の製品はあくまでお客様志向、消費者志向でやっていきたい。日本市場に向けても、ミドルレンジのモデルは、今後も強化していきます。

ハイエンドの製品では革新的な技術、技術力がよくわかるようなものを投入していく。ミドルレンジはコストパフォーマンスの良さを訴求し、手に取りやすい製品として提供していく。この戦略は今後もファーウェイの基本方針として、変わらず続けていきます。

将来への展望

――ファーウェイのハイエンドモデルではAI技術を取り入れているが、AIは今後どのように進化していくのか。

Xu氏:次の世代のスマートフォンは、ハードウェアの変革以外に、ソフトウェア体験の向上、そしてAIによる体験によってもたらされていくでしょう。

具体的テクノロジーとしては、音声コントロールの重要性が増していくと考えています。今はタップ操作で行っていることが、話しかけて操作できるようになっていくでしょう。

音声でユーザーの指示を認識し、その内容を理解する。そして、ユーザーが望む動作を行う、次世代のスマートフォンでは、こういったユーザー体験が実装されるとみています。

AIは今後、もっと広く応用されることになると考えています。「Mate 20 Pro」では、発表会の場でAIを使ったデモンストレーションを行いました。食べ物にカメラをかざしてカロリーを表示したり、商品にかざしてショッピングサイトを表示したりといった内容です。これも未来のスマートフォンから振り返ると、できることのうちのほんの一部に過ぎないでしょう。

――AI以外にはどういった技術が重要になっていくと考えているか。

Xu氏:AIは主にソフトウェアの変革をもたらしていくテクノロジーです。一方で、ハードウェアについては、カメラをより強化していきたいと考えています。

スマートフォンのカメラを突き詰め、デジタル一眼やビデオカメラ並みの画質まで高めていきます。そこまでいけば、記者のみなさんも重い荷物を持つことがなくなるでしょう(笑)。

また、バッテリーの持ちを長くするのも重要でしょう。「HUAWEI Watch GT」では、最長で14日という連続待受時間の長さが特徴です。"充電無しで長く使える"というユーザー体験は、消費者にとって非常に価値をもつことだと思います。

――スマートフォンにおいて、今後の課題となるのは。

Xu氏:ファーウェイはこれまで、ハイエンドからローエンドまで、たくさんの製品を投入してきました。しかし、消費者にとって本当に便利な体験を提供できているか、ニーズに応え切れているかという観点から見ると、まだまだ課題があります。

たとえば、スマートフォンのカメラ機能では、世界一と言える性能を実現しました。しかし、スマホのカメラで撮った写真を、編集、管理、整理、保存、そしてパソコンとのやり取りまで、一貫して快適なユーザー体験を提供できているかというと、未だに十分ではないでしょう。

スマートフォンからパソコンへ写真を転送するツールは、どのメーカーのスマートフォンにも入るようになりましたが、たとえばスマホの写真をプロジェクターに送って映し出したいとなったときに、分かりやすい操作でその機能を提供するのは難しい。

そこでたとえば「パソコンもテレビもファーウェイ製にすれば、スマホと簡単に連携できます」といった体験を提供することはできますが、消費者にとって、すべての製品を1つのメーカーで揃えるのは難しいことです。

それなら、多くのメーカーの製品が互いに連携できるような、オープンなプロトコル(共通の通信仕様)があれば、機器同士が連携する、便利な体験を提供できるようになります。

ファーウェイでは、スマホとパソコンが連携するサービスとして、「HiLink」を提供しています。海外では、これを拡張して、多くの機器と連携できるようなサービスとなっています。残念ながら日本では提供できていない状況ですが、機器同士の連携は、今後の課題となってくるでしょう。


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