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ペンよりもカメラが話題だったGalaxyシリーズの2018年を振り返る:山根博士のスマホよもやま話

2018年のスマホ各社の振り返り:サムスン編

山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2018年12月25日, 午後12:00 in smartphone
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スマートフォン世界シェア1位のサムスン。毎年初春に登場する「Galaxy S」シリーズと夏に発表の「Galaxy Note」シリーズの2つのラインナップで市場の話題をさらいます。しかしグローバル市場ではこれらのフラッグシップモデルよりも、カメラを強化した「Galaxy A」シリーズに注目が集まった2018年であったと感じます。アップルの不調でシェア1位の座は安泰と思いきや、後から急激に追いかけてくるファーウェイの姿が見え隠れします。

「Galaxy S9(Galaxy S9+含む)」はサムスンが期待したほどの販売数には達しなかったと思われます。これはイノベーションを消費者に感じさせることができなかったことが大きな要因でしょう。1年前の「Galaxy S8(Galaxy S8+含む)」と比べるとGalaxy S9熱は高まりませんでした。後からの新色追加も春先にレッド、冬にポラリスブルーと、どちらも劣勢な中国市場を意識したものと強く感じられました。
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Galaxy S8はフロント側の指紋認証センサーを廃止し、18.5:9というワイドなインフィニティーディスプレイを採用したことで、本体デザインも従来機種から大きく変わりました。Galaxy S8はスマートフォン市場の話題を一気に集めたほど注目された製品だったのです。

ところがGalaxy S9は本体のデザインがほとんど変わりませんでした。強化された機能は「明るいカメラ&スーパースローモーション」「ステレオスピーカー」「背面指紋認証センサーの位置変更」「Galaxy S9+のデュアルカメラ化」など。それぞれの機能は確かにより便利になったものの、新製品に消費者を振り向かせるほどの魅力を伝えきれたとは思えません。
samsung2018例えばスーパースローモーションはカメラを起動してからメニューで撮影モードを選び、さらにアイコンをタップして被写体を選んだりスロー部分を設定する必要があるなど操作性はいまひとつ。ワンタッチでスーパースローモーションが使えるようでなければ消費者は使おうと思わないでしょう。SNS向けにショートクリップ作成機能を搭載しているメリットがあるものの、それ以前に「スーパースローを撮りたい」時に即座に撮影できないわけです。
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しかもGalaxy S9のあとにすぐファーウェイの「P20」シリーズが登場し、3カメラ&4800万画素、そしてライカのパワーを持った「P20 Pro」に「カメラスマートフォン」の呼び名も奪われてしまいました。あらゆる機能がパワーアップしたものの、具体的な利用シーンをユーザーに提唱しきれなかった、これがGalaxy S9を中途半端な存在にしてしまったと筆者は感じます。
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「Galaxy Note9」もスタイラスペン「Sペン」をBluetooth対応にすることで「第三のポインティングデバイス」を標準搭載する業界唯一の製品になりました。カメラ利用時にSペンをリモコンで使うのは便利ですし、ブラウザの操作なども画面タッチ不要、Sペンのボタンクリックで行えます。しかし対応する機能が少ないうえに、後から追加された機能もあまり多くありません。
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そもそもGalaxy Noteシリーズは大画面スマートフォンとして生まれました。Sペンを使った手書きやペン操作は便利なものの、Noteユーザーの大半はペンを使わず、その画面サイズに魅力を感じた人が多く使っていることでしょう。つまりGalaxy Note9は「秋の大画面フラッグシップ」と「Sペンが使えるクリエイティブな端末」という2つの側面を持っているのです。ところが「大画面」に関しては「iPhone XS Max」が6.5インチとNote9より大きくなった上に、OPPOなど中国メーカーのスマートフォンが次々と6インチ台の製品を出しGalaxy Note9の優位性が薄れてしまいました。
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TVに本体を接続し専用デスクトップ画面を利用できる「DeXモード」も、1年前のGalaxy Note8登場時はクレードルが必要なものの、ビジネスユーザーやゲームユーザーにアピールできる大きな進化でした。しかしすぐ後に登場したファーウェイ「Mate 10」がケーブルのみでTV接続を可能にしてしまいました。Galaxy Note9ではようやくケーブル接続に追いつきましたが、今度は2か月後に発表されたファーウェイ「Mate 20」シリーズがワイヤレスでのTV接続を可能にしてしまったのです。

TVも自社製品に多くラインナップを持つサムスンだけに、スマートフォンとTVの接続に関しての開発力は他社より進んでいるはず。しかしGalaxy Note8が登場したときのクレードル「DeXステーション」の価格が1万円以上したことからもわかるように、スマートフォン本体以外の周辺機器でも利益を得ようと考え、完全ワイヤレス化を遅らせてしまったのかもしれません。サムスンが業界をけん引している時代はそれでも通用したかもしれませんが、今やファーウェイの力が無視できない程になっています。
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エッジディスプレイの陳腐化を防ぎ大胆なデザインを採用したGalaxy S8、「Note 7ショック」を乗り切るためにゼロから開発しなおしたGalaxy Note8。2017年のサムスンのフラッグシップ2製品は申し分のない出来でした。しかし2018年のモデルは革新性が弱く、前年のマイナーチェンジ製品という印象に終わってしまったと思われます。

フラッグシップモデルに元気がなければどのメーカーも勢いが落ちてしまうでしょう。ところがサムスンはより多くの消費者が購入できる価格帯のミッドレンジ、ミッド・ハイレンジモデルにアグレッシブな新製品を投入したことで市場での存在感をまだまだ誇示しました。低価格ラインの「Galaxy J」シリーズは目立った動きはなく他社の低価格モデルとのし烈な競争の中でブランド力を頼りになんとかふんばっています。一方ミッド・ハイレンジモデルを多く有する「Galaxy A」シリーズはカメラフォン、さらには最新技術を搭載したモデルとして存在感を高めました。
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Galaxy Aシリーズは2017年からフロントカメラを強化したセルフィーフォンとして生まれ変わりました。日本にも投入された「Galaxy Feel2」のベースモデル、「Galaxy A8(2018)」も1600万画素+800万画素のデュアルフロントカメラを搭載しています(Feel2は1600万画素のみ)。なお数字の若い「Galaxy A6(2018)」はA8のフロントカメラのシングル化&ディスプレイ解像度ダウンとしたモデルです。
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ところが2018年9月にトリプルカメラ搭載の「Galaxy A7(2018)」を発表すると、立て続けに10月にはクワッドカメラの「Galaxy A9(2018)」を投入。4つのカメラを縦に並べたデザインは、ファーウェイのP20シリーズあえてカメラの数で対抗するかのように見えるデザインです。この2つのモデルで「Aシリーズ=カメラ強化モデル」という位置づけをはっきりとさせました。
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さらには12月にノッチではなくディスプレイ内左上にカメラを内蔵した「Galaxy A8s」を発表。「Infinity-O Display」と呼ぶ新しいディスプレイの採用に加え、背面はトリプルカメラ、ディスプレイに埋め込まれたフロントカメラは2400万画素としました。A8sは新世代ディスプレイに高画質カメラ搭載モデルという、新技術とトレンドを組み合わせたモデルとなったのです。
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Galaxy A8sの投入は、年に2回のフラッグシップモデルに合わせて新技術を搭載するのではなく、時代の流れに応じて早く出せるものはすぐ搭載するという、迅速な製品展開をこれから行うというサムスンの姿勢の表れと見ることができます。前述したDeXモードの展開の遅さの反省の表れでもあるでしょう。ましてや勢いを増す中国メーカーは新興国を中心に次々と目新しいミッドレンジモデルを投入しています。「Galaxy SやGalaxy Noteの廉価版」としてGalaxy Aシリーズを出しても、消費者は興味を示してくれません。

2019年のGalaxyは、5Gへの対応が急務でしょう。「世界初の5G端末」を出さないことには他社に対しての技術力の高さを誇示できません。フォルダブルディスプレイ採用端末の投入も、ディスプレイも手掛ける同社だけに他社の後追いは許されません。その上でカメラの強化や新しい機能の追加を図り、消費者に「さすがはGalaxy」と思わせる製品をだす必要があります。ブランド力はまだ強いものの、イノベーション力では他社との差が縮まった2018年。果たして「Galaxy S10」がどんな製品として出てくるのか、2019年2月の発表に注目したいところです。


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