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プーチン大統領、 迎撃システム回避する「Avangardミサイルを2019年にも配備」と発表

弾道ミサイルと巡航ミサイルのいいとこ取り

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2018年12月27日, 午後04:15 in Gadgetry
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ロシア当局が12月26日、極超音速ミサイル「Avangard」の発射試験を実施し、成功したと発表しました。発射を指示したのはウラジミール・プーチン大統領。Avangardは弾道ミサイルとグライダー型の機体を組み合わせたようなシステムで、空気抵抗の少ない上空をマッハ5で滑空するとされます。

試験ではAvangardをロシア中西部のオレンブルク州から発射し、約6000km離れたカムチャツカ半島のターゲットに命中させることに成功したとのこと。プーチン大統領はこのシステムが「想定されるミサイル防衛システムでは迎撃できない」として、試験の成功をロシアの「偉大なる勝利だ」と述べたと伝えられます。

Avangardに対して、なぜ既存のミサイル防衛システムが対応できないかと言えば、それはその独特な滑空システムにあると言えます。普通の弾道ミサイルは、弾道曲線を描きつつ宇宙空間まで上昇して慣性飛行したのち、大気圏に再突入してそのまま標的に向けて落下します。



防衛する側の視点に立てば、弾道ミサイルはその発射を早期警戒衛星が探知すでばすぐに対応を測るべく、ミサイルの上昇、中間、下降のそれぞれの段階で迎撃する仕組みの研究開発が進んでおり、イージス艦などが備えるSM-3ミサイル、米国では地上発射型のGBIミサイルが宇宙空間での迎撃に使用されます。また弾道ミサイルが宇宙空間から再突入フェーズに入った場合は、Xバンドレーダーによる捕捉とPAC-3ミサイルやTHAADミサイルシステムなどを用いた迎撃が行われることになります。

一方Avangardは、マッハ20に迫る弾道に比べると速度こそマッハ5程度にとどまるものの、上空を滑空しつつ衛星システムからの指示によって巡航ミサイルのように飛行コースを変えることが可能。このため、相手側のイージス艦などによる監視範囲を迂回しつつ、標的に到達できるとされます。これが、既存防衛システムでは対応できないとされる点と考えられます。


構想どおりに機能するAvangardが実戦配備されれば、それはロシアと敵対する側の国々にとっては脅威となります。しかしながら、今回の発表はおそらくロシア国内に向けたデモンストレーションに過ぎないという見方もあります。米国防総省はこの10月、CNBCに対して「ロシアは実際の証拠に比べて遥かに壮大な成功の主張をする」と述べています。また、今回の試験成功に関しても、記事執筆時点ではロシア以外の国による試験発射の確認がとれていません。

プーチン大統領は、2018年3月1日に行った年次教書演説において、数種類の新兵器を発表しました。これらはいずれも従来より強力であったり、動力に原子力を使用して無限に近い航行性能を得たと説明されました。Avangardもそのうちのひとつだったわけですが、ロシアがこれら兵器を示したのには、各国のミサイル防衛システム開発および配備によって相対的に自国が無力化されていないことを示すためとも、2018年2月に米トランプ政権が発表した、新しい小型核兵器や核巡航ミサイルなどを開発する方針に対抗するためとも言われています。

ブレグジット決定から2年半、米国がトランプ政権に変わって2年が経ち、このわずかな年月で世界がやけにギスギスしてきた感は否めません。

英国ではエリザベス女王がクリスマスメッセージで「異なる考えかたをする人同士が、それぞれを尊重する精神を持つことが大切」だと述べ、日本では退位を控える天皇陛下が85歳の誕生日に「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに心から安堵しています」と述べられました

国内外、天地に渡り平和が達成されることを願って名付けられたとされる日本の「平成時代」はもうじき終わるものの、日本だけでなく世界の平和が今後も維持されることを願うばかりです。


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