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フォルクスワーゲンとフォードが業務提携を発表

商用車やピックアップから電気自動車、自動運転まで広範囲で協業

Hirokazu Kusakabe
2019年1月17日, 午前06:50 in Transportation
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現在米国デトロイトで開催されている北米国際オートショーの会場で、フォルクスワーゲンフォードが「広範囲にわたる国際的な業務提携」の合意に達したことを正式に発表しました。まずは商用バンとピックアップ・トラックを共同で開発・生産し、さらに今後は電気自動車や自動運転、モビリティサービスの分野でも提携の可能性を検討していくとのことです。


両社の提携について初めて報じられたのは昨年10月のこと。それから約3ヶ月の"交際期間"を経て、この度ついに"婚約"の運びと相成りました。

今回発表された計画によれば、まずはフォードが中型ピックアップ・トラックの開発と製造を手掛け、フォルクスワーゲン側に供給。この新型モデルは2022年に両社から発売される予定です。商用車に関しては、欧州市場向けにフォードが大型のバンを開発・生産し、フォルクスワーゲンは都市部で使われる小型バンの開発を担当。これらを相互に供給し合い、ぞれぞれ自社のブランドとディーラーで販売することになります。

フォードは現在、オーストラリアで開発された「レンジャー」というピックアップ・トラックを販売していますが、このクラスではかつて日本のマツダが開発したトラックに、フォードのバッジを付けて売っていたこともあります。一方、フォルクスワーゲンは商用車部門から「アマロック」というピックアップ・トラックを、主に中南米や欧州などに向けて販売していますが、こちらもその先代にあたるモデルはトヨタの「ハイラックス」がベースでした。つまり、両社ともこの分野に関しては、世界的に見れば必要なタマではあるものの、あまりリソースを注ぎ込まずに他社との提携で賄えるならそれもよしという姿勢が歴史的に窺えます。

しかし、商用バンに関しては、フォードには欧州でベストセラーの座を守り通している「トランジット」、フォルクスワーゲンには、あの"ワーゲンバス"という愛称で有名な「タイプ2」を祖とする「トランスポルター」というモデルがあり、どちらも60年以上に及ぶ長い歴史と多くの熱心なファンを持っています。両車の統合(実質的にはトランスポルターがトランジットに併合)には複雑な思いを抱く人も少なくないでしょう。両社の2018年における軽商用車の世界販売台数は、合計すると120万台にもなるとのこと。次世代のバンは、このシェアをそっくり受け継ぐことになります。

乗用車をベースにした小型の商用バンについては、フォルクスワーゲンが得意とするところ。ちょっと前の「ゴルフ」と「トゥーラン」のシャシーを流用した「キャディ」と呼ばれるバンや、さらに小さな電気自動車「e-up!」をベースにした電動バンまで、今日も配達やサービスの仕事で欧州の街を走り回っています。

今回の業務提携が実を結べば、以上に挙げたようなモデルを両社がそれぞれ個別に開発・生産する必要がなくなり、多くの費用削減と市場における競争力拡大が見込めます。なお、両社の発表によると、株の持ち合いなどの資本提携は伴わないとのことです。

Story "Volkswagen and Ford launch global alliance"
現在のところ具体的に明らかにされた計画は中型ピックアップ・トラックと商用車に関するものだけですが、両社は今後、電気自動車や自動運転、モビリティサービスの分野でも提携の可能性を検討していくと宣言しています。電気自動車に関しては、フォルクスワーゲンが2019年内に新しいEV専用プラットフォームを採用する最初のモデルを市場に導入することになっています。

この「MEB」と呼ばれるプラットフォームや、それを使って生産された電気自動車が、フォード側に供給される可能性は十分に考えられます。自動運転については、フォルクスワーゲンがグループ傘下のアウディで実用化を着実に進めている一方で、フォードは昨年7月、自動運転技術部門を新会社として独立させ、2023年までに総額40億ドル(約4350億円)を投じると発表したばかり。両社が手を結べば、より効率的に研究開発が進むと思われます。

モビリティサービスとは相乗りサービスやカーシェアリングが考えられますが、この分野ではメルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーと同じドイツのBMWが昨年、共同出資で新会社を設立しました。ホンダもGMの自動運転開発部門に出資し、自動運転タクシー事業の開始を目指すなど、最近は大自動車メーカー同士の提携が増えています。

「T型フォード」や「ビートル」で知られるように、フォードとフォルクスワーゲンといえば、どちらも20世紀に大衆のモビリティに大きな変革をもたらしたメーカーです。そんな歴史に残る名車の精神を受け継ぎ、我々の生活を変える魅力的なクルマやモビリティが、両社の提携から生まれることを期待したいものです。



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