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バッテリーの進化がデバイスの進化に:第5回ウェアラブルEXPOレポート

デバイスに必須のバッテリー技術にせまる

Hirotaka Totsu
2019年1月21日, 午前09:00
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「第5回ウェアラブルEXPO」では、様々なバッテリー技術、製品が紹介されていました。いまやIoTデバイスを始め各種デバイスを動作させるためにバッテリー(電池)は必須といえるアイテム。しかし、重要なアイテムにもかかわらず、加熱や発火などの事故があったり、適切な容量、方式のバッテリーが選ばれていないなどの課題もあります。そんなコアパーツであるバッテリーに関して、詳しく取材しました。

■ポストカード並みに薄い充電地

FDKブースでは、紙のように薄いリチウムイオン充電池の展示がありました。「薄い電池」といえばボタン電池。ボタン電池を使用したメッセージカードなどを思い浮かべる人もいるかと思いますが、FDKの充電地はそれよりもさらに薄く、名刺やポストカードほどの薄さになっています。

ウェアラブルEXPO
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電池が薄くなり、使い切りの一次電池でなく充電可能な二次電池になることで、多くの課題が解決できます。その1つが小型、軽量化、防水性などを備えたIoT機器・小型デバイスの設計が柔軟になることです。電池交換が必要なデバイスでは、ボディの剛性や電池蓋の開閉機構などを設ける必要があるため、厚く大きなものになってしまうことがあります。

FDKの薄い充電池を採用することで、繰り返し利用するデバイスで厚みを抑えた設計が可能になります。さらに、充電端子はすでに防水処理された部品もあり、低コストで基準を満たした製品を作ることも可能ということです。

もちろん、従来のリチウム電池にも電圧が安定していたり、寒い場所でも定格出力が出たりするといった利点があります。「用途に合わせて適切なバッテリーを選んで使ってほしい」とFDKのブース担当者は話していました。

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セイコーインスツル(SII)ブースでは、非常に小さな蓄電装置、キャパシタの紹介がありました。小型化してゆくデバイスのために小さいバッテリーの需要は増加しています。キャパシタはいわば超小型の電池で、例えばスタイラスペンの中に収めるためのバッテリーなど、薄さだけでは実現できないニーズにも対応します。

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■切断しても発火しないシート型バッテリー

JENAXブースで紹介されていた柔軟性の高いバッテリー「J.Flex」は、曲げだけでなく、折りや巻きなど様々な変化に対応する柔軟なシートタイプのバッテリーです。衣服やベルトバンドなどに収めることもでき、万一の破断に際しても発火や爆発などが起きない安全性をアピールします。

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ブースでは切断したバッテリーが、電力を供給しつつも発火などを起こさない様子を映像で紹介していました。なお、切断しても発火・爆発はせず、充電されている残りの電力を供給することもできますが、その状態で再充電して利用することはできず、廃棄、交換が必要になります。

JENAXでは、映像での紹介はあったものの、残念ながら実物は展示されていませんでした。同社の担当者によると、このバッテリーは組み込まれる製品の企画段階から同社が参画して、容量や形状、調達数などを取り決めた上で製造するとのこと。筆者は「製品化までの道のりが長そうだな」という印象を抱きました。

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■ウェアラブル製品でバッテリーの果たす役割

IoT製品だけでなくウェアラブル製品では、バッテリーの果たす役割は大きなものになってきています。一方で、回路やバッテリーの大きさがデバイスの大きさ(や形状)を決めると言っても過言ではないほど、小型化が難しいとされてきました。しかし、取材をする中で小型のバッテリーや薄型のバッテリーの存在を知り、こういったものを利用することで問題解決が図られるのではないか? とも思いました。

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問題は、試作段階において、入手性の良いバッテリーを選んでしまうことで、量産時にもその設計に引きずられる場合があるということです。回路は、ユニバーサル基盤からプリント基板へと集積したり小型軽量化しやすいのですが、その際見落とされがちな部分がバッテリーです。当初の設計段階で電圧や容量を店頭で買える範囲のものから選んでしまうと、最終的に集積された基盤には過剰な性能のバッテリーになってしまう、ということもあるそうなのです。

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開発者側の言い分としては、小型軽量の電池の存在を知らない(一般的な汎用電池より情報が少ない)、入手方法がわからない、というのもあります。特にスタートアップ企業などで、パーツメーカーと取引した経験がない開発者にとっては、店頭や通販など市販品から選ぶしかないという面もあります。また、メーカーに直接相談しても相手にしてもらえないのでは? という不安もあります。

取材したメーカーに聞くと、最低出荷ロットが1000個以上となっており、スタートアップ企業にとって調達のハードルは低くありません。しかし、試作段階ではサンプル出荷など小ロットの販売も実績はあるとのことで、(すべての要望に応えられるとは限らないが)気軽に相談してほしいと話していました。また。開発段階から相談に乗ることで、電源周り、バッテリー周りで良いアドバイスができる可能性もあるということです。

■バッテリーの専門家に聞く、電池に優しい使い方

せっかくの機会でしたので、バッテリーの専門家にスマートフォンやEVなどでの効率的なバッテリーの使い方についても聞いてみました。充電式のバッテリーと言っても、リチウムイオンやニッケル水素などさまざまななタイプがありますが、おおよその傾向として、バッテリーが寿命を迎えたり、故障したりして使えなくなるまでの期間と、充電サイクル(充電と放電の頻度)は、反比例の関係にあるそうです。つまり、充電の頻度が高いほど、バッテリーの寿命に近づきやすいということです。

そして、満充電と0%のバッテリー切れ状態は避けた方が良いといいます。スマートフォンでは寝てる間に満充電になったり、通話や通信が多いとバッテリー切れになったりこともありますが、満充電にするとバッテリーに負荷がかかり(過充電)、バッテリー切れが続くと過放電で再び充電されない状態(=故障)となることがあるそうです。

結論として、バッテリーそのものの寿命を伸ばしたい場合には、バッテリー切れと満充電の状態を避け、電池残量が30〜80%の間で使用しつつ、充電の頻度はなるべく減らすというのが、理想的な使い方となります。

スマートフォンなどのデバイスメーカーによっては、搭載するバッテリーの規格に対して、表示上のバッテリー残量を少なめに見積もることがあるそうです。デバイスの表示上は100%になっていても、バッテリー容量の規格上の容量よりは少ない範囲で充電を止めたり、実は電力が少し残っていても早めにバッテリー切れ表示を出したりすることで、バッテリー寿命を確保できるというわけです。

同じ事情から、自動車ではガソリンとバッテリーを併用するハイブリッド車のほうが、純粋なEVよりもバッテリーの死活対策としては優れているとのこと。現在のハイブリッド車はバッテリー管理がかなり正確に行えているため、高効率で長寿命な運用ができるそうです。

バッテリーの観点から、EVの性能が発揮されやすい地域を考えると、平坦で気候が安定している地域となります。標高差が多く、夏は高温多湿、冬は気温が時として氷点下になるなど温度変化が大きい日本は、バッテリーにとっては過酷な環境と言えそうです。






CAREERS TechCrunch Japan
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