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無人で回るハンドルの衝撃―「自動運転レベル4」を横須賀で体験

頭では仕組みを理解していても漠然と不安になるのは、慣れてないからでしょうか

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年1月24日, 午後07:22 in Autonomous
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新世代の交通サービスを模索するイベント「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」にて、ドライバー無しの"レベル4"自動運転を体験してみました。

この「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」は、横須賀リサーチパーク(YRP)で1月25日~26日に開催されるイベントで、24日は報道向けの限定公開日となっています。自動運転車や小型のモビリティなど、次世代の移動ツールが多数展示されます。

ドコモ自動運転

無人の自動運転車に乗ってみた

今回、NTTドコモが展示しているのは、ドライバーが不要となる「レベル4」の自動運転のデモンストレーション。自動運転技術は東大初のベンチャー TierIV(ティアフォー)社が開発しているもので、ドコモは通信機能の開発で協力しています。デモンストレーションでは、会場近くの数百メートルの公道を体験乗車できます。

筆者も実際に体験乗車してみました。公道から建物へ出る際の段差を乗り越えるときなどは、慎重に動かすようプログラムされているようで、人の運転よりは時間がかかるように感じました。一方で、公道に出ると、走りはなめらかで安定しています。

ドコモ自動運転

ドライバーなしで回るハンドルを見ると、やはり不安に感じますが、自動運転車は交差点でもスムーズに左折し、安全に終点まで到着しました。

現在の日本の法令においては、運転席が無人の状態での自動運転は許可されていませんが、ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジでの展示では、国家戦略特区の枠組みを利用して、公道での自動運転を行っています。

ただし国家戦略特区であっても、ドライバーを乗せない自動運転では、緊急時に遠隔操縦できるオペレーターを配置する必要があるとのこと。筆者が乗車した際にはオペレーターによる操縦は行われませんでしたが、例えば路上駐車の自動車があった場合などは、回避するための操作が必要になるそうです。


デモンストレーションの自動運転車は、最大時速30kmで走行しています。ゆっくり動いているようにも思えますが、日本の公道で行われるドライバーなしでの自動運転では、高速なものだといいます。

ドコモの担当者によると、通常、ドライバーなしでの自動運転を公道で行う際は、時速15km以上では警察の許可が得られないとのこと。今回は、自動運転の制御のために専用の通信帯域を確保し、携帯電話の通信が混雑しても影響を受けずに制御できるようにしているため、時速30kmでの運行の許可が得られたそうです。

安全に配慮するため、助手席に座ったスタッフがオペレーターと連絡を取りながら運行を進めていたほか、沿道には多数の案内スタッフが配置されていました。

ドコモ自動運転


自動運転レベルとは

さて、冒頭で紹介したレベル4と言う言葉ですが、これは自動運転の技術レベルを表現するもの。世界中のテック企業や自動車メーカーが開発競争を展開している自動運転技術ですが、そのレベルは以下の5段階があります。

・レベル0......ドライバーが常にすべての運転操作を行う。現在市販されている自動車の大部分
・レベル1......加速、ハンドル操作、ブレーキのいずれかをシステムがアシストする。自動ブレーキがこれ
・レベル2......ドライバーによる運転をシステムが監視しながら、加速、ハンドル操作、ブレーキのうち複数操作を同時に制御する。米テスラのオートパイロットはレベル2
・レベル3......限定的な環境下や交通状況でのみ、システムが加速、ハンドル操作、ブレーキのすべてを制御する
・レベル4......特定の状況下(悪天候でない、高速道路上のみなど)において、ドライバーの運転操作が一切不要となる
・レベル5......完全自動運転。すべての状況で自動運転が実行可能。ドライバー、遠隔操作が不要となる

現在、一般に販売されている自動車では、自動運転レベル2までに対応している製品がほとんどとされています。

レベル4の自動運転は未だ研究開発段階にありますが、技術自体はもはや珍しいものでもなく、国内でも多くの企業や大学などにより研究が進められています。


「ダイナミックマップ」と「エッジコンピューティング」を活用

総務省の研究プロジェクトの一環として行われた今回の実証実験では、これまでにない特徴が1つあります。それは、自動運転に必要な「ダイナミックマップ」と呼ばれる地図データを、携帯電話基地局から取得する試みがなされていること。

自動運転では、周囲の状況を確認するためのLIDAR(ライダー)というセンサーシステムを利用しますが、ダイナミックマップはそれと同じくらい重要な技術。道路形状を把握できるような3次元地図となっているのに加えて、車線の数などの自動運転に必要な情報が収録されています。このダイナミックマップを自動運転車にダウンロードすることで、円滑な自動運転が可能になるわけです。

ドコモ自動運転▲LIDARは電波の反響で周囲の障害物などを把握する仕組み。自動運転車の上でクルクル回っています

また、ダイナミックマップの配信では、NTT研究所が開発した「エッジコンピューティング」の技術が活用されています。エッジコンピューティングは、自動運転時代に利用が進むと見られる技術で、基地局の近くにデータサーバーを置くことで、インターネットの向こう側にあるクラウド環境より高速でデータをやり取りできるというものです。

今回の展示では、会場をカバーするように設置された4G LTE基地局の近くに、基地局周辺のダイナミックマップを収録したデータサーバーを有線で接続して配信しているとのこと。

さらに、エッジサーバーではLTEのハンドオーバー(基地局の切り替え)と連動して、基地局が切り替わるタイミングで自動運転車の位置情報などの受け渡しも行われます。将来的に高速で運行する自動運転車が登場した際も、そのまま対応できるようなデータ配信システムとなっているのです。

ドコモ自動運転
▲自動運転車の移動にあわせて、マップ情報を送付する基地局を切り替え。低遅延が特徴の「5G」の商用サービスが始まれば、自動運転の実用化もより現実的になってきそうです

今回の実証実験では、事前に道路の状況を調査してダイナミックマップの生成を行っています。しかし、公道に出るときなどは、オペレーターの指示によって一般車を回避するなど、まだまだ人の目による監視と操作が必要という状況でした。一方で、乗り心地には問題なく、特に速度が出ているときには、運転席が無人なことを忘れてしまいそうな快適さでした。

目的地だけ言えば連れて行ってくるような、完全な自動運転の実現はまだまだ先になりそうですが、状況や場所を限定した自動運転は意外と身近な存在になってくるのかもしれません。

なお、「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019」で自動運転車の乗車体験は、一般参加者向けにも実施されます。ただし、残念ながらすでに事前予約で体験枠が埋まっているとのこと。

同イベントは、体験乗車がなくても、自動運転車、自動運転バスや小型モビリティ、ドローンといったさまざまな乗り物が展示されており、最新技術好きや乗り物好きには一日楽しめそうな内容となっています。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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