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5Gにauはどう挑むか ──KDDI高橋社長を直撃

ドコモ「4割値下げ宣言」への対応策は

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年1月31日, 午後01:30 in 5G
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KDDIの高橋誠社長への単独インタビューをEngadget 日本版が2018年12月に行いました。5Gでの戦略や「ドコモ4割値下げ」への対応、新決済「au PAY」の戦略など、注目のトピックについてお伺いしました(当インタビューの内容の一部は速報として掲載しています)。

災害対応に奔走した2018年

高橋氏 奔走した1年でした、災害も多かったですし「料金値下げ」のような課題も出てきて、あっという間に過ぎるかと思いきや、いろいろなできごとが起き続けましたね。

私自身も社長になったことで、社内外で見渡す範囲が広くなりました。課題にひとつひとつ対処していくうちに時が過ぎ、後から振り返ると短い期間ではあるけれど、体感では長く感じた1年でした。

──特に印象深かったことは何ですか

高橋氏 災害の関係ですね、異例のものが多かったですから。地震対策は結構進みましたが、西日本で発生した水害なども長期間、影響が出ましたからね。続いて北海道の地震。ブラックアウトで北海道全域に影響が出ました。想像もできないような災害が多く、とても印象深く刻まれています。

──競合キャリアと災害時には協力されるのですか

高橋氏 
競合と協力、両方の側面が出ると思います。通信会社として、社会のインフラを支えている面もありますから、助け合うときは助け合う。インフラとして、1日も早く全面復旧する必要があるのはお互い様ですから。

5Gは模索の時期

──2019年には次世代のモバイル通信「5G」がいよいよ実用段階に入ります。KDDIとしてどのように展開していくのでしょう

高橋氏 5Gについては2020年度に商用サービス開始に向け準備中です。最初はノンスタンドアロン、4Gと5Gのハイブリッドでの提供を考えています。

5Gは2019年にトライアルサービスを開始する方向で検討してます。精細映像配信やスタジアム向けのソリューション、ドローン警備といった用途を限った内容で、準備を進めています。周波数割当も2019年内に実施されるので、本格的な動きはそこから出てくるでしょう。


▲5Gタブレットを使った自由視点映像の伝送デモンストレーション

──5Gのデモンストレーションでは動画を使ったものが多くありました。見せ方としては、3Gや4G LTEを導入する前のデモンストレーションと変わらないようにも思えますが...


高橋氏 ご存知の通り、3Gのときの主役は結局メールだった。4Gのときの目玉はスマートフォンでしたね。5Gでも動画が大きく取り上げられていますが、実際の5G時代に花形となるのは、おそらく違う形になると思っています。

──5Gの特徴をどうアピールするのは、キャリアや通信機器メーカーの皆さんも模索している面があるのかと思います

高橋氏 5Gで変わる可能性が高いのは、スマートフォンよりもIoTの分野でしょうね。LTEの時にはやはり消費電力の問題もあって、IoTは進んでいるようで、実際には今一つ浸透しなかった。5Gの世代になれば、もう一段階進む可能性があるんじゃないかなと思っています。

スマートフォンのような人が使うデバイスについては、まずは形態が変わってくる必要があるのかもしれません。

──2019年、どのような5Gデバイスが出るとお考えですか

高橋氏 5G対応のスマートフォンについては、海外キャリアでは2019年春の発売を案内しているところもありますね。KDDIでも検討はしていますが、2019年はあくまでトライアルの年なので、スマートフォンまで発売するかというと難しいでしょうね。

スマートフォンの形の進化という観点からみれば、折りたためる端末もたくさん発表されそうです。さすがに今のストレートタイプのスマホだけでは、5Gを語るのには足りなくなりそうですから。5Gが浸透するにつれ、新しい形態のスマートフォンも出てくると思います。

──スマートフォンの形に飽きている面はあるかもしれません。Engadgetでも「カードケータイ」のような変わった携帯電話の記事が読まれています。auの「INFOBAR xv」も注目を集めていました

高橋氏 INFOBARは、すごく調子がいいのです。フィーチャーフォンも根強く売れてますよね。かといってまさか5G時代にフィーチャーフォンをどんどん出していくわけにもいかないでしょうけれど、INFOBARみたいな(人気モデルを現代風にブラッシュアップする)トライは、またやってみたいですね。

INFOBAR xv

──スマートフォンでもauならではのオリジナルモデルを用意する余地はありそうですか

高橋氏 5G時代になり、どのような端末が出てくるかですよね。5Gの特徴にうまくフィットするデバイスを模索していく方がいいと思います。今後2年のテーマは、5Gでどんな端末が出てくるかということになるでしょう。

5Gはアプリ・サービスの勝負に


──キャリアとして、今のスマートフォンに求める新機能はありますか

高橋氏 ひとつ言えるのは、5Gでは動画が盛り上がっているから、IPを使った放送系は今後の流行になるでしょうね。ただ、5Gの時代には我々通信キャリアの人間だけでは思いつかない機能が出てくる可能性があります。そうしたところでは、ベンチャー企業の方たちと協力しながら、オープンイノベーションを起こしていくのが良いと考えています。勝負のレイヤーが変わってきているのでしょうね。スマートフォンの時代になっているから、オープンイノベーションに移らないと戦えない。

KDDI高橋社長

3Gの頃は、端末自体も作りながら、キャリアが流行りを仕掛けていくことができましたが、4Gでは完全にスマートフォンの時代になって、iOSとAndroidという2つのプラットフォームの寡占という状況に変化しました。ハードウェアは規模が大きいグローバル市場のトレンドで決まって、後はアプリケーション・サービスのレイヤーでの勝負になってくる。アプリはローカルの色がすごくつくので、そこでの勝負になる。そうすると、いかに技術をオープンに使ってもらえるようなプラットフォームを作れるかが、勝負を決めるようになってきます。

──アプリケーションでレイヤーでの勝負というのは、5G時代でも変わりませんか

高橋氏 5G時代だからこそ、より重要になってくるでしょう。KDDIでも「KDDI DIGITAL GATE」という5G時代に向けた開発拠点を作っています。

5GやIoTの技術を使ったサービスを作りたい、そのアイデアはあるという法人は多いけれど、実際にどうやって作ればいいのか分からないという声もあります。そこで「KDDI DIGITAL GATE」では、最新技術やサービス開発のアイデアを持つ知見があるベンチャー企業を集めて、そうした法人とつなげ、新しいビジネスモデルを開拓する場を作っています。



──「IoTはマネタイズが難しい」という声もあります。KDDIはどのような戦略をお持ちですか

高橋氏 そこが課題です。お客さまから新しい"消費"として認めてもらえるようなビジネスモデルを作りあげないといけない。それをパートナーさんと一緒に取り組んでいるのが「KDDI DIGITAL GATE」です。実際やってみる段階では、そう簡単にはいかないでしょうね。通信キャリアはずっとストックビジネス(定期課金型のサービス)を運営してきて、その経験値がある。そこにパートナーさんのアイデアを組み合わせて、5G時代にふさわしい、IoTサービスを生みだすことができたら素晴ですよね。

──ホームIoTとして「au HOME」を展開していますが、5G時代には拡充させていくのでしょうか

高橋氏 もちろんです。お客様の生活にどれだけ入っていけるかが、今後のビジネスのカギになりますし、ホームIoTはそのひとつの方向性になるでしょう。IoT機器を設置したところで、設定が分からなかったら大普及しません。au HOMEでは周辺サービスもいくつか増やしていって、より使いやすい環境を整えていければと思っています。

楽天との提携「うちが取らなくてもNTTが貸してた」


──2019年には楽天が携帯電話事業に新規参入してきます。auではローミング(ネットワークの貸出)などで提携していますが、キャリア同士の競争の構図にどのような影響がでるとお考えですか

高橋氏 auが楽天さんにローミングでお貸出しするのは、東名阪の混雑したエリアを除いた部分。もっとも品質競争しなきゃいけないのは、やはり(ローミング協定の対象外となっている)東名阪のお客さんがたくさんいらっしゃるエリアです。そのあたりは引き続き、競争が厳しくなってくるのだと思います。

──楽天との提携では、ローミングといういわば通信の根幹を貸していることになりますが、それに見合った対価は得られたのでしょうか

高橋氏 楽天さんとの提携は、「対NTT」という意味ではいい連合が組めたと思っています。ローミングはうちが取らなくても「結局NTTが貸すだろう」とも思っていたので。そして、東名阪のエリア構築が難しい部分は楽天さんにはお貸ししていないので、それほど大きな投資をしなくても良くなる。

一方で、楽天さんからすると、(自前ですべて構築するよりも)投資を抑えてスタートできると思います。その分こちらもeコマースや物流では楽天さんの持っている資産を使わせてもらう予定です。

ユーザー向けのサービスの領域ではもちろん競争しているのだけど、インフラ整備の面では協力してコストを下げていこうという考え方ですね。ローミングでお貸しした分は楽天さんから収入として入ってくるけれど、それを設備投資に回すことでコストを抑えることができる。

物流でも楽天さんの持つシステムだけでは足りない面もあると。そういうところにうちの持つ資産を組み合わせてあげると、より効率的に運用できる。なかなか面白い提携だと思います。

──「楽天がサブブランドになってしまう」と懸念する報道もありますが。

高橋氏 そんなことは決してありません。競争は競争でフェアにやっていきますよ。

KDDIと楽天の提携図

ドコモの「4割値下げ」へ対抗の構え


──料金プランについて。NTTドコモが「最大で4割値下げする」と宣言しました。auとしてはどのようにとらえていますか。

高橋氏:NTTドコモが導入するのは端末の代金と携帯電話料金を分離する「分離モデル」だけど、我々は「auピタットプラン」「auフラットプラン」で、すでに導入済みです。分離モデルについては先行していると言えます。ドコモさんの出方を見つつ、さらに対抗する必要があれば対抗するというスタンスです。

──ドコモの値下げに対抗する、ということでしょうか

高橋氏:そこは競争なので、ドコモさんだろうとソフトバンクさんだろうと、消費者に対して優位な料金を出してきたら当然対抗します。ドコモさんは2019年春を目途に導入する新プランで値下げするとしているので、そのプランが出た後に、考えていく形になると思います。

KDDI高橋社長

──ドコモは「2~4割」の値下げとしていますが、これに対抗するとなると、かなりの原資が必要となる気がします

高橋氏 ドコモさんが還元額として出している数字は4000億円。auでは(従来のLTEフラットプランとの比較で)auピタットプランが約3割の値下げをすでに実現しています。そして、これまで新料金プランなどで(導入から約1年半で)3000億円分を還元しています。

たとえドコモさんの値下げによる還元が、auのピタット/フラットプランの還元額を上回るものであったとしても、その差分を埋めていくことになるわけで、追加の還元が"何千億"という規模にはならないでしょう。

当然、企業としては成長を目指していかなければならない。還元をするとなると、設備投資や経費を抑制しながら成長するよう、努力していかなければならないということですよね。

──分離モデルを導入したことで、端末代金もどんどん高くなっていますよ

高橋氏 auは「アップグレードプログラム」を導入して、月々の負担を減らして、次に機種変更するときに残債を免除するといった工夫をしています。そういうお客さんが買いやすくなる工夫をするというのが重要になってくると考えています。

──ドコモの場合、料金の値下げというアピールに加えて、料金をシンプルにするというメッセージも打ち出しています

高橋氏 auのピタット/フラットは、かなりシンプルだと思っています。ピタットプランはお客さんが使ったデータ量の分だけ課金するというものだし、フラットプランは「何GBでいくら」とあらかじめ決まっています。

あとは分離モデルへの以降が進むと(購入補助がなくなり)端末が手に取りづらい価格になってきます。それを販売するためにいろいろ工夫をしていて、そのひとつとしてアップグレードプログラムがあるわけです。

一方で、他社への流出を防ぐ意図があるのではというご意見も頂いています。もし修正が必要なのであれば、そこは修正していく必要があると考えています。

──料金プランの競争では、安さ以外の対抗軸もあるのでしょうか。

高橋氏 ピタット/フラットプラン自体がすごく斬新なサービスだと思っています。このようなプランは、今後も考え続けます。新しいタイプの料金プランでいえば、動画配信のNetflixをバンドリングした「auフラットプラン25 Netflixパック」をリリースして、好調に推移しています。こういう通信以外のサービスとのバンドリングプランとかも、たくさんあっていいような気がしますね。



──Engadgetの読者にはスマートフォンに詳しい人も多いですが、大半の人はauショップがサービスを知る窓口になっている印象です。ショップやサポートのサービス改善について、どのように考えていますか

高橋氏 KDDIではずっと「NPS(Net Promoter Score、ネット・プロモーター・スコア)」というお客様の満足度を数値化した指標を追いかけていて、今だいぶ上がってきています。やはりショップというのはお客様との大きな接点になるので、そこの品質を上げていくというのは、最も努力していかなければいけないと思います。

auでは店頭以外でも遠隔による「auスマートサポート」のようなサービスも展開していて、シニアの方を中心に好評です。お客様の使い方をサポートする取り組みは、これからますます重要になってくるでしょうね。

課題としては、auで提供していないサービスまでサポートしなければいけないので、どこまで責任もってできるかというところでしょうか。地方の店舗を回ってスタッフの意見を聞いたりしていますが、多くの現場で課題として認識しているようですね。

ファーウェイ問題、5G基地局での採用は

──ファーウェイについて、政府調達から事実上排除する形になっていて、ソフトバンクも採用を控えるという見解を示しました。auではいかがでしょうか

高橋氏 4G LTEでは元々コア設備ではファーウェイ製の通信機器を使っていません。

5Gは周波数も決まっていないため、ベンダーをどこにするかという最終的な決定はまだしていません。総務省が策定する5Gの指針の中では「政府調達に留意すること」という記載が追加されるので、それに沿った対応になると思います。

──auではファーウェイ製のスマートフォンを扱っていますが、今回の件で今後の取り扱いを中止する可能性はありますか

高橋氏 対応をどうするかという詳細までは決めていません。今回の件があったからといって、直ちに端末まで排除ということにはならないと思います。

「au PAY」、1000億円の蓄積が強み


──4月から「au PAY」を開始します。同じコード決済ではソフトバンク系の「PayPay」が注目を集めていますが、au PAYはどのようにアピールしていくのでしょうか。

高橋氏 au WALLETは他社よりも大幅に先行して開始したサービスです、すでに2400万人もの会員がいて、大部分がプリペイドカードの会員ですが、クレジットカードの会員も400万人を超えており、非常に順調に推移していると考えています。

結局、ウォレット系のサービスは「その財布の中にお金がいくら入っているのか」によって価値が決まってくると思います。新規参入するサービスでは、まずは残高をチャージしてもらわないとワーク(流通)しない。そのチャージ残高の多寡が価値を決めてくると思います。

au WALLETでは、ポイントと残高を合わせ約1000億円以上が(ユーザーが使えるお金として)すでに入っています。そのお金をあとはワークさせるだけ。そのための方策のひとつがeコマースで、「Wowma!」という通販サービスを一生懸命拡充させています。

もうひとつ、リアル店舗での利用にはプリペイドカードでワークさせています。これだけでは足りなくなってきたから、コード決済の「au PAY」をスタートさせようと、こういう流れです。au PAYでは楽天と加盟店開拓で協力して、2019年の春頃までに、100万スポットで利用できるよう準備しています。



──au WALLETでプリペイド決済の仕組みはきっちり用意していると考えると、新たにコード決済は不要なのではないかとも思えます

クレジットカードの仕組みを使うと手数料取られますよね。それが中小店舗で導入が進んでいない一因になっています。コード決済は手数料や機器導入の負担がすごく軽い。だからみんな入れたがるのだと思います。

通常の加盟店って、たとえばPOSレジに対応しているコンビニさんなどでは、バーコード決済に一度対応してしまえば全店舗で一斉に対応できるでしょう。それよりも小さい加盟店さんをもっと増やしていかないといけません。

──ありがとうございました

スマートフォンが共通の機能を持つようになっている現状で、「通信キャリアの主戦場は端末そのものではなく、アプリケーションやサービスレベルでの勝負となる」という高橋社長のお話が印象に残るインタビューでした。




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