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100億円キャンペーン再び。PayPayは、いまだ「自分探し」のまっただ中(本田雅一)

キャッシュバックキャンペーンのその先は?

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年2月4日, 午後06:30 in payment
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すでにEngadget 日本版にも一報が掲載されているように、QRコード決済のPayPayが昨年末に引き続き、100億円の予算を積んでキャッシュバックキャンペーンを開始します。詳細は発表会レポートの記事をお読みになるか、あるいはPayPay自身のウェブページを読むのがいいでしょうけれど、ざっくりと発表内容を噛み砕くと、二つの話題に収れんするかと思います。



まず、クレジットカードの不正利用が問題となったことと、実際には不正利用ではないものの利用約款に違反しているため付与できていないポイントがおよそ2億円分残っていること、いずれも陳謝した上で、クレジットカードの不正利用ぶんに関してはPayPayが保証するとし、付与できていないポイントに関しては事実確認ができ次第、約款への違反がなければ付与すると話しています。

記者会見ではこの点を突く質問が多数上がったがものの「反省して対策を施した」「今後はこうしたことはない」「お客様にはパスワード管理などを厳密に行っていただくようお願いしていく」といった、通り一辺倒のコメントに終始したという意味で、あまり答らしい答えは聞けませんでした。

もちろん、本人確認をしたり、利用上限を設けたりといったことはしているんですけどね。

PayPay

では、新しい100億円キャンペーンに関して、従来のものと何が変わるのか? というと、PayPay自身が「反省を踏まえた上で改良した」というように、同じ100億円でも"ばらまき方"が大きく変更されました。

しかし第2弾の100億円ばらまきの先に、このサービスが定着する秘策があるのかというと、さて......どうなんでしょうか? PayPayがどうなっていくのか──いわば決済ブランドとしての"自分探し"に200億円を投じるわけですが──まだ自分たち自身がどう進めばいいのか、その方向性が見出せていないように感じました。

今回のコラムでは、あらためて"PayPayってどうよ?"という話をしていきます。

"言えない数字だらけ"の中から透けて見えること

最初の100億円あげちゃうキャンペーンが社会現象とも言える盛り上がりを見せた一方、本当にキャンペーン後もユーザーが使い続けているのだろうか? という素朴な疑問を持つ人は少なくないでしょう。

今回、唯一明らかになったのは、PayPay登録者の数が400万人を超えたということです。IDあたりの登録者獲得コストは2500円。このコストが高いか安いかというと、他にテレビCMも大量に打っていることを考えれば、安いとは言えないものの、そう悪くはない数字だと思います。

しかし、キャンペーンで付与されたポイントを使い切った後、ユーザーが引き続きPayPayを使ってくれているのか......という点においては実態が見えてきません。記者会見でも、あの手この手でこの数字や手応えを尋ねるのですが、暖簾に腕押しでハッキリとした答がありません。

バーンと高額商品を買って、キャッシュバックでお得に利用したら、あとは存在を忘れてしまっている。そんなユーザーが実際には多いのかもしれません。当然ですがPayPayとしては頻繁に利用していない人にもっと使って欲しいわけです。

PayPay

今回のキャンペーンにおけるルール変更も、その意図が透けて見える『2000円以下の少額決済をお得にすることで"PayPay払いの体験"を日常化しよう』というものになっています。

僕自身、会見会場で「少額の決済を増やしてPayPayを日常生活に定着させることが目的だと思いますが、一方でQRコード決済は乗り換えも容易。第二弾で日常化、習慣化を推し進めたあと、すなわちキャッシュバックの原資が終わったあとに定着させる戦略はないのですか?」と尋ねましたが、「確かにそこは課題だと思っています」という応えに留まりました。

PayPayならではの価値って何なのか

100億円キャンペーンが実施中の場合、利用社側の視点で見たPayPayの価値は明らかです。他よりもキャッシュバックの率がいいのですから、日常的に利用するお金ほどPayPayで払う方がお得。わざわざお店を探してまで使う価値があるとも言えます。

少額決済でのお得を増やしたおかげで、今後は、地域密着の商店会などでも導入が進むことでしょう。利用できる場所が増えれば、一歩ずつ定着に近付いていくことができます。また、PayPayは中国のAli payとも接続されているため、2020年東京オリンピックを見据え、インバウンド利用者が増えることを考えれば、決済金額は自然に増えていくでしょう。

しかし、一方でどうしても拭えない疑問があります。

400万人の会員を集め、さらに100億円をプロモーション費用として積み上げて決済数を増やしていき、キャンペーンを通じて"日常生活への浸透"をキーワードに加盟店を増やしていくというのはわかりますが、PayPayには(中国のAli payユーザーは別として)そのアプリを使う、つまりPayPayを利用し続ける決め手が思いつきません。

僕自身は使っていませんが、たとえばLINE Payのように基礎となるユーザーコミュニティがある場合、そのコミュニティをベースに使うモチベーションを高める方法が想像できますし、楽天ペイのようにもともとECサービスを行っている、さらには非接触決済のEdyを持っている会社なんかも利用者コミュニティの醸成しようがありそうです。

PayPay

しかし、キャッシュバックキャンペーンで獲得したユーザーに、キャッシュバックで継続利用してもらった先、キャッシュバックなしでどう定着させていくのか。

うーん。と唸ってしまったのですが、PayPayの中山一郎社長は「PayPay単独ということではなく、たとえばYahoo!のサービス事業などとの連携を深めるなど、親会社と連携して定着を図っていく」「より使いやすいサービスとして品質を高めていく」の2つを挙げましたが、サービス品質に関しては互いに鎬を削っていく部分でしょうから、どうもスッキリとしません。

非接触決済が普及した日本での戦い方は?

さて、PayPayの発表会では、飲食店や美容室、タクシーなどで流れるようにPayPayを利用し、居酒屋での飲み会で簡単にワリカンしたり、あるいはお金の受け渡しをしたり......と、便利な使い方のビジョンが示されていました。

ただ、その一部はすでにFeliCaでも実現されています。

言い換えるとFeliCaが不得手なジャンルこそが、PayPayの戦いのフィールドだと言えましょう。しかし現状、PayPayの得意分野のはずだった高額決済が、不正利用防止のために一定の制約が設けられてしまいました。

もうひとつ、ワリカンなどで個人間取引がしやすいこともメリットのひとつですが、こちらはクレジットカードではなく、銀行口座と紐付いていないとうまくいきません。......が、どのぐらいのユーザーがクレジットカードではなく、銀行口座と接続しているのか、明確な数字は示されていません。おそらく、クレジットカードユーザーの割合が相当多いのでは......(それは銀行口座と紐付けられた人がお得になっている第2弾キャンペーンの内容が物語っています)。

また、何人かが集まってのワリカン払いなら、そもそもが連絡ツールでもあるLINE Payの方がはるかに現実的で使いやすいでしょう。

PayPayがすぐになくなってしまうとか、ユーザー数が減っていくとか、あるいは決済総額はさほど伸びないのでは、なんて後ろ向きなことは思っていません。きっと2020年までにかなり普及するとは思います。

しかし、その先はどうでしょう。

ともあれ、"ブロードバンドの普及"を先導したYahoo! BBのように、"QRコード決済の認知と普及"という役割を果たしてくれるであろうPayPay。社会変革をもたらすという役割はキッチリ果たしてくれそうです。

関連キーワード: payment, payments, paypay, QR, qr code, QrCode
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