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NASA、月の材料は地球由来だと示すモデル分析結果を発表。アポロの月サンプル分析と比較

技術の発展が複雑な分析を可能に

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年2月5日, 午前08:20 in Space
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月という星は、地球の大きさに対して衛星というには非常に大きな星です。その生い立ちとして有力なのは、原始の地球に火星ほどの大きさの天体Theiaが浅い角度で衝突した結果、飛散した破片が地球の周囲に円盤を形成し、それが徐々に現在の月を形作ったとする説が有力です。

しかし、月の組成は地球のそれとほぼ同一であり、物質科学的観点からはこの巨大衝突説が成立しないとも言われます。今回NASAが行った分析は、過去にアポロ宇宙船が地球に持ち帰った月のサンプルにおける14種類の親鉄性元素によって月の生成をシミュレートし、これまでに得られなかった複合的な結果をもたらしました。

シミュレーションでは、アポロが地球に持ち帰った月のサンプルに含まれる14種類の親鉄性元素をすべて用いて、衝突後の円盤形成プロセス、そして月の芯になった金属コアの形成などをモデル化しました。その結果、14種類のうち9種類で地球との強い相関性を発見しました。一方で衝突した火星サイズの天体とのモデル的な相関はほとんどないことから、ほぼ全てが地球由来の材料で形成されたことを示す結果を得たとのことです。

また、14の元素のうち5つである亜鉛、スズ、カドミウム、インジウム、ツリウムはモデルによるシミュレーションよりもかなり低い濃度でしか存在しませんでした。研究者らは、この5つの揮発性元素は衝突の後に大部分が気相(気体の状態)のままで留まってしまい、月の形成時に再凝縮しなかったため月の組成から分離してしまったとの考えを示しました。これは地球のマントルに比べ月の中では多くの元素が存在しない理由にもなるとしています。

同じく14の元素のうち砒素、銀、アンチモン、ゲルマニウム、ビスマスの月マントルにおける濃度が低い理由は、月のコアにとらわれて分離された結果だと説明されました。

とはいえ、この研究だけではまだすべてを説明するには至りません。衝突発生後に形成された円盤の状況を知るには、まだまだ多くの分析研究の積み重ねが必要です。衝突したTheiaの組成はどうなったのかも気になります。

月のサンプルについて1970年代に行われた初期の研究では、この14種類の揮発性元素のうちいくつかが地球に比べて非常に少ないということがわかりました。しかしその時代の分析技術ではその原因を完全にリカシすることは不可能だったと研究者は述べています。

今回の研究は、当時のそれにおける穴を埋めるものであると考えられます。そしてここから始まるだろうさらに多くの研究がいつか月の生い立ちを完全に解き明かすときが来れば、夜空から柔らかく降り注ぐその明かりがこれまでとは違って見えるようになるかもしれません。





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Source: NASA
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