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伝説のアップルCM『1984』の絵コンテが公開。ジョブズは「素晴らしい」と激賞

アップルがビッグ・ブラザーにならなくてよかった

Kiyoshi Tane
2019年2月6日, 午後12:15 in 1984
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1984年にアップルがスーパーボウル広告として放映したテレビCM「1984」のストーリーボード(絵コンテ)の一部が公開されました。

これは脚本を手がけたスティーブ・ヘイデン氏により提供されたもの。米経済メディアBusiness Insiderのポッドキャストにて、当時のCEOだったジョン・スカリー氏が思い出を語ったことと合わせて公開されています。

1984
スーパーボウルとは、毎年1~2月に行われる全米フットボールリーグ(NFL)の王座決定戦。日本ではなじみが薄いものですが、テレビ視聴率は軒並み40%を超え、視聴者数は約1億4000万人ともいわれる国民的なお祭りです。広告の効果および費用も非常に高いとされるだけに各社CMのクォリティも高く、任天堂もポケモン20周年を記念してスポットCMを放映したことがありました。

さて、この「1984」CMは初代Macintoshが発表される2日前に放映されたもの。1人の女性が追っ手を振り切って無表情な男たちの間を駆け抜け、ビッグ・ブラザー(全体主義の独裁者)が演説を振るうスクリーンに向かってハンマーを投げつけて爆発を引き起こす。

最後に、「1月24日にMacintoshを発表します。そして今年がジョージ・オーウェルの小説『1984年』のような年にならない理由が分かるだろう......」と締めくくっている構成です。CMのメガホンを取ったのは『ブレードランナー』等のリドリー・スコット監督で、いつもながらのディストピアが活写されています。

なぜMacintoshが『1984年』に象徴される全体主義に相対しているかといえば、分かりにくいPCインターフェースによる技術のしがらみから、Macの分かりやすい操作が人々を解き放ってくれることを意味しているわけです。

実際、このCM放映後にアップル共同創設者スティーブ・ジョブズ氏がMacintosh発表にて、当時のコンピュータ業界で支配的立場にあったIBMをビッグ・ブラザーに見立てていた映像も残されています。

少し時間を遡ると、このCMを撮影する前に、広告会社はジョブズ氏と当時のCEOジョン・スカリー氏にプレゼンをする必要がありました。そこで絵コンテを見せたところ、「ジョブズが最初に言ったのは、ただ『素晴らしい』の一言だった」--とスカリー氏はポッドキャストで振り返っています。

それから数十年後にアップルはiPhoneを送り出してスマートフォン業界をリードしたものの、競合するAndroidがそれ以上のシェアを占め、世界支配にはほど遠い状態にあります。Androidを苦々しく思う発言が残されているジョブズ氏ですが、アップルがビッグ・ブラザーにならなかったことは本望だったのかもしれません。



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