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心臓の鼓動でペースメーカーなど体内埋込型機器を自動充電する技術が発明

バッテリー交換で手術する負担が軽減されます

Kiyoshi Tane
2019年2月6日, 午後02:50 in Medicine
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Patricio R. Sarzosa, Thayer School of Engineering

世界中で数百万もの人々が体内埋込型のペースペーカーや除細動器などを利用していますが、問題は電池を5~10年ごとに交換する必要があることです。そのためには手術が必要となり、機器の交換にも高額な費用が掛かるばかりか、合併症や感染症の危険も伴っています。

米国国立衛生研究所の援助を受けたダートマス大学の研究者チームは、この電池交換をなくすために本人の心臓の鼓動を使った自家発電機構を用い、様々な体内デバイスに充電可能な技術を開発しました。

ペースメーカーは心室内にリード線を挿入して心臓の信号を検知したりパルスを信号に送ったりします。この技術は、導線部に心臓の鼓動が持つ運動エネルギーを電気に変換する装置を取り付け、継続的にバッテリーを充電できる役割も兼ねさせるものです。つまり新規開発のデバイスに丸ごと取り替えるわけではなく、すでに植え込まれた機器を利用することで患者への負担やコストを減らせることも強みといえます。

発電には「PVDF」(ポリフッ化ビニリデン)による高分子圧電フィルムを採用します。これを既存のペースメーカーなどに追加すれば、最小の鼓動でさえ効率よく電気に変換されるという仕組み。さらに同じモジュールを生体センサーとして使用し、患者の体内データをリアルタイムに収集できる可能性も検討されているとのことです。

研究成果を発表する論文の第1著者である研究員Lin Dong氏は、この発明が「生体に適合し、軽量かつ柔軟性があり、薄型にすることは必須でした。このデバイスは現在のペースメーカー構造に収まるだけでなく、将来の多機能性にも対応できる拡張性があります」と語っています。

これまでの研究開発には3年掛かり、前臨床プロセス(動物実験や品質試験を通じて安全性や有効性を確認する、臨床研究の前段階)を経て規制当局の承認を得るまでには、あと約5年の歳月がかかると見込まれるとのことです。

現在すでに植込み型デバイスを利用している人にとっては手術の負担が軽減され、将来的にはリアルタイムの体内モニターによって健康管理をしやすくする可能性を秘めた本技術が、十分な安全性が確保されてから普及する日を待ちたいところです。



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