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『大手キャリア値下げ』に対抗 独立系MVNO「mineo」次の一手:週刊モバイル通信 石野純也

「MVNO冬の時代」でも契約者数が増加

石野純也 (Junya Ishino)
2019年2月23日, 午後07:30
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ケイ・オプティコムの展開するMVNOのmineoは、ファンを重視する独自の戦略を取り、大手キャリアに属さない独立系MVNOながら、今年の春には100万回線を達成しました。

もともとauのMVNOとしてサービスを始めたmineoですが、その後はドコモ回線も追加。さらには昨年、ソフトバンク回線も増え、3キャリアから選べるマルチキャリアMVNOへと進化しています。結果として、直近での「契約者数は113万回線」(モバイル事業戦略グループグループマネージャー 上田晃穂氏)にまで増加しました。

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▲113万回線にまで成長したmineo

順風満帆に見えるmineoですが、2018年はMVNOにとって厳しい1年だったともいいます。上田氏は、MVNO全体の市場動向として、「4月以降、伸びが緩やかになってきていると感じている」と話します。実際、mineoに加入するユーザーも減少。ユーザー数は増えている一方で、過去と比べると、その伸び率が下がっているのも事実です。

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▲mineoの新たな戦略を語る、ケイ・オプティコムの上田氏

理由は複数ありますが、1つはワイモバイルやUQ mobileなどのサブブランドが今まで以上に力をつけていることがあるでしょう。MVNOのシェアを見ても、UQ mobileは着々とユーザーを獲得しており、昨年12月に発表されたMM総研の市場動向調査ではシェア3位に躍進しています。
2018年はLINEモバイルがソフトバンク傘下になり、第3のブランドと位置づけられるなど、大手キャリアがサブブランドを強化した1年でした。

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▲2018年にはLINEモバイルがソフトバンク傘下になるなど、サブブランドの攻勢が一層激しさを増している

また、これに対抗すべく、ドコモも段階制のベーシックパック、ベーシックシェアパックを導入し、シンプルプランを全パケットパックに拡大。その影響は決算でも明らかになっており、モバイル通信サービス単体で見ると減収になっています。mineoをはじめとするMVNOもこうした競争のあおりを受けているというわけです。

特に大手キャリアに属さない独立系MVNOほど、その影響は大きいといえます。これはmineoに限らず、IIJも個人向けのサービスのIIJmioに関しては伸びが非常に緩やかになっており、予断を許さない状況。"格安スマホ"や"格安SIM"と銘打ち、料金の安さを売りにしてきたMVNOですが、大手キャリアやそのサブブランドが低価格を打ち出したことで、相対的に、そのインパクトが薄れてきていることがうかがえます。

これに加えて、上田氏によると、ユーザーの層が変化してきているとのこと。具体的には、「今まではリテラシーの高い方が自分で選択して入っていただけたが、マジョリティ層に移行し、不安が解決されないと入っていただけないところにシフトしている」といいます。
自分でMVNOを調べて比較、検討し、ネットでSIMカードを取り寄せ、設定も自分で済ませてしまう層は、すでにどこかと契約を済ませており、パイが小さくなっているというわけです。

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▲ユーザー層もマジョリティへと変化してきている

ただ、上田氏の挙げたような層は、いわゆる大手キャリアの上得意客。「テレビCMをワッと打って認知率を上げ、たくさんある店舗に来ていただく方」(同)で、こうしたところのコストを切り詰めて運営しているMVNOとは、あまり相性がよくないのも事実です。さらに、4月以降にはドコモの分離プラン導入や料金値下げが控えており、MVNOにとって、状況は一層厳しくなることも予想されます。

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▲2019年は、MVNOにとって、市場環境がさらに厳しくなるおそれも

こうした状況に対し、mineoが出した答えは、これまで以上にファンを巻き込んで運営していくというストレートなものでした。

これまでmineoは「Fun wiht Fans!」というブランドステートメントの下で運営されてきましたが、これに加えて、行動指針となる「mineo way」を策定。アンバサダー制度を導入したり、Webで申し込んだSIMカードを受け取れるお渡し店を始めてリアルな接点を増やしたりと、事業を強化していきます。

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▲「mineo way」という新たな行動指針を策定

おもしろいのが、アンバサダー制度。中でも「共創アンバサダー」は、mineoの運営側とより密接に関われるなど、mineo好きにはうれしい仕組みといえるかもしれません。これまでもmineoは、マイネ王と呼ばれるサイト上でユーザーからアイディアを募ってそれを実現していましたが、共創アンバサダーは、これを一歩進めた取り組みです。

よりリアルに実現できそうな仕組みを議論するためmineoが専用サイトを用意し、そこでは経営に関わる情報も一部開示していくとのこと。たとえば、MVNOのコストは、大手キャリアからネットワークを借りるための接続料が大半を占めますが、共創アンバサダーには、その接続料が売値に占める比率を公開していくといいます。
また、契約者数はもちろん、mineoがどのようなターゲット層を設定しているかなどの情報も、開示する予定だといいます。

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▲共創アンバサダーには、かなり詳細な情報まで開示。新サービスを一緒に作り上げていく

また、「サポートアンバサダー」では、これまでマイネ王で実施していたテキストでのサポートを拡大。ベテランのユーザーが初心者のユーザーに、ビデオチャットで回答できる仕組みを用意していきます。

ユーザー同士がサポートしあい、問題を解決する取り組みは海外キャリアでも導入しているところがありますが、ビデオチャットを使うのはなかなか画期的。トラブルが起こらないか少々心配なところはありますが、大手キャリアではなかなか踏み込めないサポートの形といえそうです。

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▲ユーザー同士のサポートには、ビデオチャットを導入

MVNOに不足している安心感の醸成については、先に挙げたお渡し店のほか、mineoを「プチ体験」できるサービスを拡充します。現在もプチ体験として、わずか200円でプリペイドパックを販売していますが、この音声通話対応SIM版を用意します。さらには、端末ラインナップのバリエーションも増やしていく方針です。

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▲お渡し店の導入や、プチ体験の強化を実施

端末は、新たにシャープの「AQUOS R2 Compact」や、ファーウェイの「nova lite 3」を導入。さらには、カナダ版のiPhone SE(16GB版)も3万600円で販売します。

mineoは大手キャリアからそのまま持ち込んだiPhoneのユーザーが多く、上田氏によると、mineoでのiPhone販売比率は4割にものぼるといいます。こうしたユーザーが機種変更する際に、ラインナップにiPhoneがないと、mineoを解約してしまう動機にもなるため、iPhoneの販売は必須。mineoではiPhone 8などを販売していますが、iPhone SEも独自ルートでカナダ版を調達してきました。

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▲端末ラインナップも強化。左からiPhone SE、AQUOS R2 Compact、nova lite 3

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▲iPhone SEはカナダ版を独自ルートで調達した

MVNOの置かれている状況に対し、ストレートな回答を示したmineoですが、これで一気に盛り返せるわけではなく、やはり競争環境が厳しいことに変わりはありません。そのため、100万回線突破時に掲げていた「2020年までに200万回線」という目標も、見直さざるをえなくなったといいます。

そもそも、こうなってしまったのは、これまでMVNOを推進してきた総務省が手のひらを全力で返し、大手キャリアに値下げを要求しているのが一因。mineoのように対策を打てないMVNOは、今後、さらに厳しい戦いを強いられることになるかもしれません。




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