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10周年のGalaxy S、そしてFold。「安定良品」と「積極挑戦」の向こうに見える悩み(本田雅一)

垣間見える迷い

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年2月26日, 午前06:00 in galaxy
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MWC 19 Barcelonaの開幕直前に、サムスンが毎年恒例のモバイル製品発表イベント「Umpacked」を開催し、最新のGalaxy Sシリーズ(S10)と、予てから噂されていた折り畳み端末Galaxy Foldが発表されました。MWC直前にもかかわらず、寝る間を惜しんで書かれた記事が掲載されているので、ハンズオンレポートなどは現地からの声をご覧ください。

今年はGalaxy Sが10世代目の節目を迎えるということで、サムスンの本気を強く感じました。ということで、端末レポートではありませんが想うところを書き連ねてみます。

"Galaxy Sに期待されること"を10世代目のS10シリーズでやり切ったうえで、次の10年を見据えて積極的に挑戦した製品を開発する。フルモデルチェンジとなったS10シリーズに加え、従来の路線とは異なる商品企画で積極的に新しいことに挑戦したGalaxy Fold。サムスンの意図は極めて明快です。しかし、だからこそ、そこに大きな悩みあるように感じました。

"ど真ん中"に剛速球を投げ込んだS10シリーズ

Galaxy S10シリーズが他社の上位Android製品と少しばかり異なる風合いを感じるのは、彼らが「Android端末」ではなく「Galaxy S」という端末を開発しているという意識が強いからなのかもしれません。

もちろんGalaxyはAndroidを使った端末なのですが、単純なスペックの向上を目指したり、カメラ機能に特化したり、「Andoridの中では、○○についてウチが一番ですよ」という製品作りを行っています。いわば自分たちの世界をひとつ持っているわけです。

実際に端末を使う際の体験、利用シナリオを見直して、それをハードウェア商品企画にフィードバックし、新しい使い方やより良い利用シナリオをスムースに、そして"10年の集大成"とも言える安定した良品に仕上げるべく開発したようです。

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iPhoneの登場から11年、いろんなメーカーが"スマートフォンの次の10年"を探し続けていますが、サムスンも10世代目の集大成を用意したうえで、新たな道を模索しているのでしょう。

かつては「Tizen」という独自OSを開発していたこともあったサムスンですが、独自OSの夢はとっくの昔に潰え、Android枠組みで前に進むしかありません。サムスンだけでなく、スマートフォン端末の業界全体として、どのような方向に行くのか本気で見直すべき時期なのかもしれません。

"出し惜しみナシの最高の製品を"という強い意思を感じるS10シリーズ

さて、世界での出荷実績でトップを走るサムスンが誇るSシリーズとNOTEシリーズのツイントップ。そのうち主流派とも言えるのはGalaxy Sシリーズです。今回、そこへさらに折りたたみ式のFoldが追加されたわけですが、これが主流モデルになっていくかどうかは未知数です。もっとも、Foldがメインストリームになるとはサムスン自身も考えてはいないと思いますが......。

Android採用の端末は多種多様で、価格差は上から下まで5倍(あるいはそれ以上)ぐらいありますが、Foldまでを含めると実に10倍ぐらいの価格ダイナミックレンジがあることになります。

そんな中で最上位モデルとして第10世代まで来た今年のGalaxy S10ですが、今年は盛り込める要素は何でも入れようという気概を感じさせてくれました。

スマートフォンは小さな端末にコンピュータとして最大限の機能性や性能が持たされています。これが意味するところは、"痒いところに手が届く"かの如く、欲しい機能、情報へとシンプルにアクセスできるような、心地よいユーザーインターフェイスでしょう。

どこまで心地よい実装になっているかは、実際に使ってみなければ(当然、好みや"ピンと来る"、"ピンと来ない"といったことはあると思います)言えない部分が多いでしょう。

しかし、いくつか確実に求められているニーズはあります。

そのうちのひとつは「可能な限り大きなディスプレイ」と「手のひらに収まるコンパクトな操作性の良さ」です。実は片手打ちニーズは海外では少ない(両手打ちQWERTYソフトキーボード使いが多いためと思われます)そうですが、巨大化し続けるディスプレイも、そろそろ限界が見えてきています。

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今年のGalaxy Sシリーズは低価格版のS10eを含めると3サイズ+1(5G)の4モデル展開。スクリーン上の素早い指紋認識を搭載したうえで、カメラエリアを含めてギリギリまでディスプレイにすることを実際に実現したんですから。

エッジまでディスプレイを巻き込んだGalaxy NOTE Edgeでは、単にOLEDの特性を活かそうとしただけなのかも? と思っていましたが、S10シリーズではあれから経験と改良を積み重ねて、"ギリギリ表示"と"快適で自然な操作性"を両立させつつ、さらに指紋と顔認証を組み合わせた個人認証までも搭載。ハードウェアメーカーとしては、まさにやり切った感があるのではないでしょうか。

SoCの性能が上がっていくのは当然のこととして受け入れられ、また高画質化した上に数が増えていくカメラも、多くのトップメーカーが取り組んでいますが、端末としての完成度をバランス良く引き上げようという意思が感じられます。

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実は初代Galaxy Sが発売直後、香港を訪ねた際、山根博士に連れられてモンコックのお店で購入した実機がまだ手元にあるのですが(しかも充電可能で動作もしました)、当時はディスプレイのカラーマッチングがまったく取れておらず、樹脂カバー部の複屈折と内面反射がヒドいカメラなど、スペックはともかく個人的に残念な印象が強かったのですが、そんなGalaxyも今やスマートフォンのど真ん中、王道を行く製品になりました。

PIXELシリーズのような"標準機"ではなく、独自性を持ちながらもど真ん中を行く。同じく世界一のテレビの方は、マーケットリーダーとして疑問のある製品が多いのですが、こちらは流石です。

"Fold"の奥に垣間見える進む道への迷い

もちろん、カメラに関しては、ファーウェイのAIカメラのような方向や、あるいはOPPOの10倍ズームカメラのような方向など、もっと思い切りのいいカメラを、と思う人もいるかもしれませんが、いわゆるスマホのど真ん中の製品としてはバランスがいいと思います。

しかし、スマートフォン市場が成熟し、単純にハードウェアを改良していくだけでは成長が望めなくなっている(むしろ市場規模は小さくなりつつある)中、何ができるのか? については、まだ進む道が見えていないのでしょう。

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Galaxy Foldは、スマホ好きの少年が夢見るような製品仕様となっていて、これはこれでなかなか魅力的です。

この製品、簡単に言えば7.3インチAndroidタブレットと、4.6インチのスリムなディスプレイを備えた持ちやすいスマートフォンを1台で実現したものです。大画面で映像やゲームなどのコンテンツを楽しみつつ、スマートフォンとしてもバランスのいい操作感を持つ。

OLEDディスプレイが折りたためるという部分にばかり注目が集まります。確かにOLEDの特性を活かしたものとはいえ、品質を保証したうえで折りたためるようにしているのは凄いことです。

しかし、もっとも評価すべきなのは、熱心に最新端末を求めるユーザーが"どうせできないでしょ"と思いつつ理想的だと思っている、大画面でありながらコンパクトで持ちやすく使いやすいスマートフォンという理想を目指していることだと思います。

派手な打ち上げ花火ではなく、愚直に欲しい端末を開発した感がありますよね。

しかし一方でFoldには、この先どこまでこのシリーズを続けられるのか? という、継続性に対する疑問が残ります。本体を開いたときに、4.6インチ画面から7.3インチ画面にスムースに切り替わるようなアプリの実装をサードパーティーの開発者がどこまで使ってくれるのか? といった部分は、Galaxy NOTEシリーズでスマートフォンのペン対応を行ったときと同じく難しさとして残りますが、もっとも悩ましいのは"仲間が増えそうにない"ことだと思います。

"面白い"、"凄い"と"未来のスタンダード"にある壁

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Foldに関しては"価格"という問題もありますが、ここはさほど問題ではないと思います。ミニタブレット並の大画面とスマートフォンとして使う際のディスプレイを両方備え、おまけにメカニカルな構造も複雑になるのですから、価格は上がる要素しかありません。

しかも標準的なシステム構成ではないため、Androidを管理するグーグルとともに、このフォームファクタを定着させようとネゴしていかなければ、メジャーなバージョンアップを行うたびに、サムスンは大きな開発負担を強いられるでしょう。

つまり、これからの10年、新たな方向へと進化する方向を示した"新たな原機"なのかというと、そこには大きな疑問があるということです。このプロジェクトを進めてきたサムスンには敬意を表しますが、問題はこの取り組みの先に"奔流となるトレンド"があるのか、それともないのか。

スマートフォンは言うまでもなく、パーソナルコンピュータの一種、あるいは形を変えたものです。製品の価値は、そのハードウェアだけでなく、アプリが担っている部分が大きい。過去10年、スマートフォンが急成長したのは、世界中の開発者やコンテンツクリエイターが、スマートフォン向けに多様なアプリやコンテンツを提供してきたからに他なりません。

しかし、まだ小さい市場だった頃からスマートフォンにドップリとハマって、アイディアを練ってアプリを生み出してきた開発者たちは、プラットフォームとしての面白さとともに、将来、"みんなが使うようになるに違いない"という確信を持っていたからではないでしょうか。

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その核心は、単に"面白い"とか"凄い"という先に垣間見える、未来のスタンダードの姿なんだと思います。 個人的には、Foldは面白いトライアルだと思いますし、このトライアルの先に別の成功があるのかもしれません。しかし、現時点でサムスン自身が、"Foldをシリーズ化していった先"に何かのビジョンを観ているようには思えないのです。

プラットフォームとして整えたうえで、開発者に可能性を拓いてもらおうと材料を用意していくアップルのやり方や、独自SoCに大きな投資をすることで自らが進む方向をコントロールしようとしているファーウェイに比べ、確かに"凄い"、"面白い"取り組みなのですが、そこにどんな人たち(開発者やクリエイターなどなど)を巻き込んでいこうとしているのか、そこが見えないと言えば、やや厳しすぎるでしょうか?

今年のS10シリーズはグローバルでヒットしそうな予感がしていますが、個人的にはGalaxy Foldの健闘を祈るとともに、次世代製品へと系譜が続くことを願っています。

同様のトライアルをファーウェイも「Mate X」という形で行っていますが、一時的な流行なのか、それとも次の進化の方向を示しているのかと問われると「まずはやろうと思えばできるからやってみた」のではないか......というのが率直な感想です。

今年のS10シリーズはグローバルでヒットしそうな予感がしていますが、個人的にはGalaxy Foldの健闘を祈るとともに、次世代製品へと系譜が続くことを願っています。



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