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MWC2019から考える「僕らのスマホが5Gになるタイミング」:本田雅一のウィークリー5Gサマリー

いつ頃欲しいですか?

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年3月2日, 午後12:00 in 5G
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矢崎 飛鳥, 10月29日
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遠く西の果て西班牙(スペイン)の巴塞洛納(バルセロナ)ではEngadget 日本版にも多くを寄稿する一流ジャーナリストの方々がたくさんのニュースをレポートしてくれていました。5Gはすでに米国を筆頭にサービスインしていますし、日本でも秋からプレサービスが始まります。

そうしたことを受けてでしょう。今週の5Gな話題は「端末」が主役でした。

5G全体を見渡すと、端末は必ずしも主役ではありません。しかし、ネットワークを提供したならば対応端末は当然出てくるわけですし、すでに対応するモデムを組み合わせることが可能なSoCは発表済みなのですから、MWC開催のタイミングで多数の端末が出てくるのは、あらかじめ見透かされていたことと言えるでしょう。

しかし、いずれも"5G対応"ではありますが、"5Gならでは"のスマートフォンだったでしょうか? 実はそこが一番大切なところ。"5Gスマホはいつ僕たちのスマホになるのか"という見極めをするのは、まだまだ先そうだなと思った方も多いのではないでしょうか。

また、いかにも"ドコモらしいなぁ"と微笑ましく感じたのが、本サイトに太田百合子さんがポストした「日本の5Gは遅れているの?ドコモ5G推進室長に素朴なギモンをぶつけてみた」という記事。

この素朴な疑問に関連してのやり取りこそが、今現在の5Gの状況を表しています。なお、記事を読めば判るとおり、日本の5Gが進んでいる/遅れているといった評価をする段階にはまだないと僕も思います。さすが太田さん、テーマ設定が絶妙ですね。


"5Gを急ぐ必要がない"のは標準規格を狙う必要がないから

太田さんの記事において、ドコモの5G推進室長はこう話しています。

「何をもって商用サービスというかはそれぞれの考え方、ポリシーもあります。5Gはグローバルシステムなので、調達などの状況に大きな差はないはずです。あとはどの程度の出来映えで、それを商用化したと言うかでしょう」

docomo5g

ここで話しているのは、5Gがグローバル共通の技術基盤であり、どこかと規格争いをしているわけではない、ということです。もちろん、他にもいろんな話が出ていますが、ここでは「早いこと手を出す競争をしているわけじゃないよ」という部分が重要です。

実は4Gになった「LTE」は、もともと4Gにいたる前の進化過程で生まれてきたもので、そもそもが「Long Term Evolution」の略でした。そして3Gの際には、規格自体2つに別れていました。技術的には多少未熟でも先に出した方が良い的な空気感があり、"先出し競争"が激化していた時期もあったわけです。しかし、5Gの場合、そうした標準規格を巡っての対立はありません。

つまり、通信事業者にとって5Gを開始するという判断に、自分たちが開発・採用予定の技術を世の中の標準として普及させるため、なるべく前倒しでサービスインする理由はないのです。

純粋に商用サービスとして、どのタイミングでサービスを開始し、エリアを作って行くことが"顧客価値"を鑑みて最適なのかを考えているとドコモは言っているわけで、基本的な考え方の部分において、これは他の通信事業者も同じではないでしょうか。

ニーズのないところにネットワークを構築したところで、将来的に利用者が増えるはずがありません。主戦場である4Gでの品質や端末の使い心地を競いつつ、将来に向けて5Gの各種応用分野に投資する、極めて舵取りが難しいのが今の時期と言えるでしょう。

5Gスマホとはどんな製品なのか?



ところで、4Gという名前で音声もIP通信へと切り替わったLTE世代をふり返ると、その"応用分野"の中でもっとも市場規模が大きいジャンルがスマートフォンでした。今後はLPWAという技術のおかげで、また違った展開を期待されていますが、4Gの黎明期から普及期は携帯端末に求められるネットワークの質が変化し、もっともっと広帯域が求められていた時代と重なります。

通信技術や基地局整備など、通信帯域の制約に歩調を合わせ、端末に与える機能をコントロールしていたフィーチャーフォン時代とは異なり、(今では当たり前ですが)スマートフォンはもっと自由な汎用コンピュータに近い存在。アプリや用途次第で、ひたすらに利用する通信量、求める速度が高まっていきました。

3Gの普及とともに世界中に拡がっていったスマートフォンが、そのまま接続速度ニーズの高まりを加速させ、LTEへの自然な移行を促してきたと言えるでしょう。

では5Gではどうなのか?

もちろん将来的には当たり前になっていくでしょうけれど、3Gから4G/LTEへと自然に移行していった流れとはちょっと違うように思います。もちろん、それは5Gに使われる予定の周波数帯が3.7GHz帯と4.5GHz帯の「Sub-6」や30GHz以上の高い周波数帯を使用する「ミリ波」であることとも無関係ではありませんが、それはネットワークを整備する側の事情です。

エンドユーザー側から(未来の自動運転車やドローンなどは別として)、手元の端末がどうなっていくか? という視点で見たとき、どんな製品になるんでしょう。いずれどの端末にも5Gモデムは入るでしょう。ただ、4G/LTEの時代とは異なり、個人向けの端末に5Gを爆発させる要素は隠れているでしょうか?

5g

サンフランシスコでサムスンが「Galaxy S10 5G」を発表し、MWCでもOPPO、Xiaomi、LGエレクトロニクス、ZTE、それにソニーも5G端末を発表しているものの、まだ単なる"高速な端末"に留まっています。5Gでは将来的に低消費電力になっていく(効率が良いため)と思われますが、現時点ではシステムの規模が大きく、端末は発熱や消費電力の問題を克服する必要があり、一時的には設計上の制約となっていくでしょう。

Engadget 日本版で紹介されている各社の5G端末においても、そのあたりはいろいろと工夫を重ねている様子が感じられました。それらを見る限り、基地局や端末の納入でグローバルの競争と日本の通信機器メーカーが主役ではないことを考慮するなら、きちんと動向はウォッチするとしても、実際の5G端末普及に関しては5Gの整備を牽引する存在として開発を急ぐのではなく、自然流れにまかせるのがいいのかなという印象を受けました。


海外での5G端末動向は、今のところは"参考程度"?



端末の動向が参考程度になってしまうのは。5Gの普及シナリオに関して、国や地域ごとに進め方の違いがあるからです。

前回のコラムで書いたように、北米ではケーブルテレビや有線インターネット回線の置きかえを主たる用途に5Gサービスが始まっています。なぜ有線の置きかえかというと、サービスを開始している米ベライゾンワイヤレスの持っている周波数帯が、電波浸透率の低いミリ波だけだからという事情があるからです(もっとも、ベライゾンはミリ波で携帯端末向けにある程度の面展開にも積極的にはなっていますが)。

しかし、合併が承認される予定の米T-Mobileと米スプリントは2.6GHz帯を持っていますし、中国最大のチャイナモバイルも同じ周波数帯での5G整備が進む予定です。この帯域はLTE向けの周波数を再割り当てしているものです。同周波数帯では、すでに基地局を国レベルで面展開するノウハウも溜まっているため、ミリ波はもちろんSub-6などよりも面での展開が容易とみられます。

と、このように周波数帯の違いもあるのですが、そもそものシナリオとして考えられていた移行・展開のスケジュール感が変化してきていることもあるでしょう。

ちょっと難しい話になりますが、当面はLTEをネットワークの核として使いながら、局所的に5Gを併用していき、将来、5G中心のネットワーク構成に切り替えるときにLTEの周波数とエリアを5Gに移行していくという考え方で進んできました。

しかし上記のように米中を中心に面展開していく流れも生まれ、また欧州でもテレビ放送用の700MHz帯(いわゆる"プラチナバンド")を5Gに転用する動きが強まっています。

ユーザー視点では、端末がまだどうなるのかわからない中でも、ネットワーク整備は早く進めていこうということでしょう。LTE基地局も、将来的に5Gへ転用できるよう考慮されたものが導入されているそうで、周波数の運用さえ工夫すれば、5G化は意外と早く進む可能性があります。

こうした中で、日本の5Gはというと、まだ周波数割り当てさえ行われていないわけで、まずは海外の端末動向をウォッチしながら「すげー、速度出たよ!」的な話ではなく、「俺っちの端末、めっちゃ良くなったよ。やっぱ5Gだな」という事例が登場するのを祈りつつ、海外5Gスマホ事情に関しては参考程度に見ていくのが良さそうです。





「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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