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5G✕自動運転✕ARでクルマが変わる? 日産とドコモが『VTuberとの旅』を提案

都内にいながらパリやベイルートの家族と観光、なんてのも。

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年3月12日, 午後08:50 in 5G
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日産自動車とNTTドコモは12日、日産追浜工場にて、次世代のモバイル通信「5G」を活用した新しい乗車体験のデモンストレーションを実施しました。

前会長の逮捕騒動で揺れる日産ですが、遠い未来を見据えた技術開発は変わらず続けています。今回、披露されたのは「Invisible-to-Visible(I2V)」という技術。クルマの乗車中にキャラクターと会話したり、遠隔地にいる人と一緒に乗車体験を楽しめたりするというものです。体験者はARゴーグルを被って乗車し、遠隔地にいる人はVRゴーグルを被って"バーチャル乗車"します。

日産・ドコモ 5G I2V

そして、今回の実証実験のポイントは、VR映像の転送などにNTTドコモの「5G」を活用していること。VRでのリアルタイムなコミュニケーションには、映像を一気に送れ、遅延がない(リアルタイムに反応できる)ワイヤレス通信が必須。5Gの特性は、大容量低遅延なのでまさにI2Vに求められるものです。I2Vの実現には、5Gの普及が前提となる、というわけです。

実証実験は日産追浜工場併設の体験施設「グランドライブ」のコースを使って行われました。低速で移動する自動車の中で、(離れた場所で人が操る)ARキャラクターとの乗車体験を楽しめるという内容です。

実際に体験してみると、まるでその場にいるような感じで違和感の無い会話ができ、予想以上にスムーズなコミュニケーションが取れるように感じます。また、遠隔地の相手もこちらのみている風景を映像として共有しているので、同じ風景をみていることになり、まさに"一緒に乗車している"感覚を楽しめます。

AR映像なので、人間をそのまま映し出すこともできますが、バーチャルユーチューバー(VTuber)のようなキャラクターと同じ空間を共有するという体験もできます。乗車体験では日産の「ミス・フェアレディ」や、ユニティ・テクノロジーズのキャラクターで"バーチャル女優"の「ユニティちゃん」が建物内から"バーチャル搭乗"しました。

日産・ドコモ 5G I2V
▲ARグラスをかけて乗車している様子

日産・ドコモ 5G I2V
▲こんな風景が見えます。

そして、AR上で表示された写真やオブジェクトを観たり、視界の一面をAR映像で覆う(つまりVR的に使う)こともできるのも面白いところ。現実には存在しない"仮想的なモノ(オブジェクト)"を出して一緒に遊んだりといったこともでき、観光案内や学習コンテンツにも使えそうです。


ちなみに、今回、体験者がかけるARグラスは米Meta Company製の「Meta 2」で、遠隔地から乗車するガイドは「HTC Vive Pro」を利用しています。カメラは市販のGo Proを複数台取り付けて360度をカバーしているとのこと。ただし、サービス自体はこれらのデバイスに依存するわけではなく、今あるもので開発を進めた結果としています。

日産・ドコモ 5G I2V▲ARキャラクターの"中の人"
日産・ドコモ 5G I2V▲"中の人"にはお互いの様子がキャラクターとして見えています。体験者もキャラクターとして表示されます

5Gの通信はNTTドコモの移動基地局車より、クルマに搭載された実験用移動局に向けて行われています。詳しい人向けに説明しておくと、実験用免許が交付されている28GHz帯で、帯域幅は400MHz幅を使用しているとのことです。

日産・ドコモ 5G I2V▲ドコモの5G移動基地局車

NTTドコモの担当者は「障害物がない理想的な環境で、ピーク時下り1Gbps/上り300Mbpsの通信が確保できる」と説明していました。ただし、筆者が体験乗車した回では、途中で通信が不安定になるなどして、2回、実験を一時中断して調整をかけており、最後はクルマを動かさずに実験していました。28GHz帯は5Gではじめて利用される新しい周波数帯ですが、その運用には一層の調整が必要なのかもしれません。

「自動運転車は便利なVRボックス」日産が目指す未来

日産自動車でI2Vを研究する上田哲朗氏(日産総合研究所 エキスパートリーダー)は、自動車会社がコミュニケーションサービスを開発する必要性を「自動運転車」と結びつけて語ります。

日産・ドコモ 5G I2V▲上田哲朗氏(日産総合研究所 エキスパートリーダー)

現在、世界中の自動車会社やIT大手が開発を進める自動運転技術。その通信でも5Gの性能は欠かせません。I2Vが目指すのは、クルマのハンドルを握らなくても良くなる「レベル5」の完全自動運転が実現した後の世界です。

自動運転によってクルマの運転をしなくなると、運転者はとたんに暇を持て余します。I2Vをサービス化すれば、たとえばクルマで移動する時間に遠隔地にいる講師から英会話学習を受けるといったように、時間の有効活用につながるサービスを提供できます。クルマを移動する部屋と見立てれば、「自動運転車は便利なVRボックス」(上田氏)と考えることができるわけです。

日産・ドコモ 5G I2V
▲観光ガイド的な活用も

また、近い将来では、バーチャルガイドが搭乗する観光タクシーのようなものに応用できる可能性があります。逆に遠隔地からバーチャル搭乗できるようになると考えれば、たとえばパリを観光しにきた人が、病気や高齢といった事情で日本から動けない家族と"一緒に"パリの街を観光することができます。

クルマ✕ARには多くのサービスを実現する可能性があり、そのポテンシャルを引き出すのが5Gの通信性能、だと言えるかもしれません。

ちなみに、今回のI2V実証は日産にとってあくまで未来の技術の実験という位置づけで、「社内で組織的にサービス開発を進めていく想定ではない」(上田氏)とのことです。「メタバース」と言われるVR/ARの世界では、現時点では(スマートフォンでのAppleやGoogleのような)支配的なコミュニティプラットフォームは存在していません。上田氏の構想では、日産としてコミュニティプラットフォームを提供するわけではなく、支配的なプラットフォームに連携する形での提供を考えているとのこと。

今回の実証実験は日産にとって、現在、開発者コミュニティを中心に盛り上がりつつあるVR/AR市場にアピールする狙いもあるようです。

日産・ドコモ 5G I2V▲日産はI2Vを市販車(キューブ)に組み込んだプロトタイプも作成しています

筆者がI2Vを実際に体験した感触としても、ARとクルマの親和性はかなり高いと感じました。現在は一部産業や開発者、そしてマニアのものとなっているVR/ARですが、5Gの普及が進んだ未来では、スマートフォンのように生活に欠かせない存在になっているのかもしれません。



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Source: NISSAN
関連キーワード: 5G, AR, autonomous, Car, docomo, NISSAN, NTTdocomo, VirtualReality, VR, vtuber, XR
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