Sponsored Contents

cameraの最新記事

Image credit:
Save

スマホ+リコー「GR III」の併用がもたらす納得感。特別な時以外にも持ち歩きたくなるデジカメの価値(本田雅一)

スマホがあればデジカメはいらない?

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年3月15日, 午後07:00 in Camera
1211シェア
950
237
0
24

連載

注目記事

スマホ+リコー「GR III」の併用がもたらす納得感。特別な時以外にも持ち歩きたくなるデジカメの価値(本田雅一)
16

スマホ+リコー「GR III」の併用がもたらす納得感。特別な時以外にも持ち歩きたくなるデジカメの価値(本田雅一)

View
かつて"デジカメ"は、僕らが毎年、スマホ以上に多くの金額を注ぎ込む製品でした。"かつて"と書いているのは、文字通り、デジカメ市場は"消滅"してしまったからです。2010年ぐらいまで増え続けていた"デジカメ(ここで書いているのはコンパクトデジタルカメラのこと)"ですが、今やその数は1/10以下と言われています。

レンズ交換式カメラが踏ん張っているとはいえ、一眼レフからミラーレスへの急速なシフトが進み、勢力図にも大きな変化がありそうです。キヤノンの御手洗会長は、今後2年ほどの短期間でさらに半分くらいまで市場が小さくなる可能性を示唆しているとか。

「デジカメなんてもうオワコンじゃん?」という状況の中で、それでも新モデル発表が大きな話題になっている製品があります。それがリコーの「GR III」。一眼レフカメラなどでも使われるAPS-Cサイズの大型CMOSセンサーと、単焦点ならではのコンパクトで解像力、コントラストともに高いレンズを搭載する、小型・軽量カメラです。

GR3

大型CMOSセンサーとそれを活かせるレンズを備え、さらにはダイヤル操作など作品作りに不可欠となる快適な操作系を装備しつつ、オートフォーカスは像面位相差検出・コントラスト検出のハイブリッド方式。撮像できる静止画は2400万画素です。しかも、4段分の3軸手ぶれ補正をボディに内蔵しながら、幅109.4mm、高さ61.9mm、厚さ33.2mmのサイズに収められています。もっと言えば、バッテリー、SDカード込みで257gという軽さは、実際に持ってみると"こんなに軽いの?"と、手にすっぽり収まる感覚に感動するでしょう。

搭載するレンズは18.3mm/F2.8。画角は35mm版換算で約28mm相当ですが、中央部を切り取りってファインダー画像を確認しながら露出/AF/撮影でき、35mm相当、50mm相当の2種類にクロップ可能なモードが搭載されています。

50mm相当時でも画素数は3360×2240画素。個人的には充分な画素数で、ドライブモード切替ボタンをクロップモード切替へとカスタム設定し、積極的に使っています。

そして、何より納得感があるのは、描写に優れたレンズと、大型CMOSセンサーと最新映像処理プロセッサの組み合わせによる力のある画像。それだけでもスマホカメラではなく、GR IIIを使うモチベーションになりますが、しかし、実際にGR IIIを持ち歩いてみると、"単に高画質なコンパクトデジタルカメラ"以上に魅力あるカメラだと感じるようになりました。

スマホ以外にカメラを持つ理由

GR3

かつてスマホの買い替え理由といえば、SoC性能の向上、画面の大型化、指紋認証をはじめとする機能性の向上などでした。しかし、ある程度の性能・機能の向上が進んだ結果、スマホの買い替え理由としてもっとも納得感のある要素として、カメラ性能・機能の向上が上位に挙げられはじめています。

90年代からデジタルカメラで取材をしてきた僕としても、この2〜3年のスマホカメラの性能・機能向上めざましいものがあります。iPhoneはひたすらに写実主義。機械学習で「リアリティ」を追い求めながらも、でも画像処理でキレイに見せるという、とっても矛盾した要素を匠の技で実現しようとしていますし、ファーウェイはひたすらに「幻想的な脳内で想像する美しさ」を追求していて、どちらが良いということではなく、カメラとしてそれぞれの対象層が求める画像を出してくれます。

そのうえで、スマートフォンならではと言えるSNSとの連動性の高さがあるのですから、カジュアルに写真が撮影できるというだけでは、世の中に価値ある商品として認めてもらえないのは致し方ないのだと思います。

すなわち、スマートフォンを持ち歩くことが当たり前の現世代において、スマートフォンのカメラではなし得ない価値が提供できなければ、デジカメが売れないことは自明です。もっと簡単に言うならば、"スマホ以外に何か荷物持つ必要があるの?」という、実は単純な話なんですね。

GR3

みなさん、考えてみましょう。毎日、日常的にスマートフォン以外のカメラを持ち歩く必要があるでしょうか? そもそも購入したいと思うでしょうか? そこを出発点として、あえてスマートフォンと一緒にカバンに入れる製品はどんなものでしょうか。

僕にとって、取材時にスマートフォンと別に持ち歩くカメラはパナソニックの「LUMIX TX2」でした。

しかし、GR IIIを試用してみると、LUMIX TX2とは別の領域でスマートフォンと併用したくなります。LUMIX TX2が仕事でも使える旅カメラだとするなら、GR IIIは常に身に付けておきたいウェアラブルなカメラです。特別な時、特別な瞬間を切り取る画質を備えつつ、常に身に付けていたいと思わせる薄型軽量と高画質のバランス。日常のパートナーとして、これこそが"毎日持ちたい"カメラと言えるでしょう。スマートフォン内蔵カメラとの差異化も明確です。

素早く起動、素早くレリーズでき、被写体への圧迫感を与えず、さりげなく、しかし高画質に、目の前に拡がる景色を映像として切り取る。

カメラ業界では「GRに第3世代の製品が登場する!」と賑やかだったのは知っていましたが、個人的にはまったくのノーマーク。そんなGR IIIですが、今やスマートフォンとともに、このカメラが僕のカバンの中にレギュラーで入るようになりました。

gr
▲スタンダード

GR
▲ビビッド

GR
▲ポジフィルム調

GR3
▲モノクロ

GR IIIをスマホと共に使う理由

僕はこのGR IIIが登場するまで、リコーのGRシリーズにまったく興味がありませんでした。しかし、実のところ良い製品なんだろうとは予想していました。

1990年代、リコーのR1Sという銀塩フィルムを用いた28mm短焦点レンズのコンパクトカメラを使っていたことがあります。当時、なかなかのヒット商品だったのですが、シンプルなレンズ構成で、実に描写が良かったうえ、速写性が高く、サクッと取り出して、パッと撮影。そんなお手軽度マックスなカメラでした。

この人気を受けて投入されたのが、28mm短焦点でダイヤル操作も行え、本格的な作品作りに耐えうるコンパクトカメラの「GR」だった......というのが、うろ覚えの記憶です。しかし、デジタルになってからのGRは紆余曲折でした。銀塩フィルム時代は、良いレンズさえ載せてやれば、それだけでフィルム性能ごとにそれを活かした作品作りができます。しかし、デジカメ時代は違います。どんなに光学性能が良くても、センサーや画像処理がタコならば、価値はありません。

ただ、実際に使ってみたGR IIIは、こなれた操作性やコンパクトかつ軽量なボデイだけでなく、画質面で実に良い、納得感のある製品でした。

GR3

ズームがなければ......自撮り機能が豊富でなければ......自撮りを意識するなら、液晶はフラップタイプがいいよね。そんな安易な発想では、良い製品は作れません。そうした意味で、GR IIIのコンセプトは明快です。

「ピンと来たなら、即、レリーズしろ」

そのために起動時間を削り、オートフォーカスをバイパスして指定したフォーカス位置での撮影(いきなり全押しすれば設定した距離にピンを持っていって撮影してくれます)ができ、しかも手首に常にストラップを通し、右手に持っていても気にならないほどの薄型軽量。

この、ふと気付きを得た瞬間を撮影する。その感覚がR1Sユーザーだった僕には懐かしく感じました。この軽快感、速写性こそが、GRファンの愛してきた感覚なのでしょう。

スペックを語れば堕ちる話者の価値

GR3

工業製品である限り、評価を行ううえで製品スペックは避けられないポイントです。しかし、GR IIIの価値はスペック以外にあります。

GR IIIは最新のCMOSセンサーを採用し、最新の画像処理アルゴリズムで、コンパクトな筐体で「28mm相当」という特定の枠内で「最高クラス」の画質をたたき出すカメラです。操作に慣れれば手足のように操ることもできますし、使いこなさなくとも普通に撮影するだけで、鮮度の高い画像が得られます。

リコーがGR IIIに自信を持っているのは、そのカタログを見ればわかります。最後の見開きに、申し訳程度にスペックやオプション(21mm相当の画角になるワイドコンバーターなどがあります)の説明がありますが、それ以外はすべて"写真"のみ。GR IIIで撮影された瞬間、スナップ写真だけが並ぶのです。

GR3

なるほど、ふと思った時にポケットから取りだしたカメラのレンズを被写体に向け、ただレリーズする。その手軽さ、速写性の高さはスマートフォンにはない気持ち良さです。仕上がりの写真は、撮影者の感性に依存するため、必ずしも"素晴らしい"とは限りません。

しかし、GR IIIが提供するのは、撮影しようと思ったその瞬間、可能な限り素早く、しかも手軽に映像を切り取れる。そんなカメラのスペックを語ったところで、意味はないですよね。

いつの間にか被写体を探す自分に気付く

僕は写真撮影が得意な人ではないですし、カメラは使いこなすのではなく、ひたすらにカメラまかせに「撮影したい」ので、撮影対象に合わせてレリーズボタンを押すのみです。それだけでも充分に"欲しい写真が得られる"のです。

単に高画質というだけなら他にもたくさんのカメラがあります。高画質や高倍率ズーム、速写性などを追求する製品とはまったく別の軸の進化として、GR IIIには確かに素晴らしいと思える要素が詰め込まれていました。

スペックを語れば堕ちる筆者の価値。普段、作品を撮影することのない僕でも、日常の中に残したいと思う風景がある。レンズ交換式カメラ、スマートフォン、現在、市場を二分する両者とはまったく異なる価値を生み出していたGR IIIを、僕は侮っていたのでしょう。

GR3

GR IIIは素直に欲しいと思えるカメラです。実用性やスペックではなく、毎日、たくさんのシーンを切り取るスナップマシーン。GR IIIにはブレのないコンセプトを感じました。

細かなスペックや操作感、画質評価は専門媒体にまかせるとして、スマホと共に持ち歩きたいカメラかどうか。僕はそのように判断しています。スマホと併用して気持ち良く、スマホのカメラでは捉えられない価値。

まるで禅問答のようですが、そのあたりのマインドセットをカメラメーカーは学び、新たな価値創造に向かうべきなのでしょう。いつもお世辞は書かない僕ですが、今回ばかりは「脱帽」でした。 (作例が下手くそなことはご容赦ください)

Gallery: Richo GR III作例 | 16 Photos

16






CAREERS TechCrunch Japan
連載:KAKEHASHI取締役CTO海老原氏に聞くスタートアップへの転職


 


広告掲載についてのお問い合わせはad-sales@oath.com までお知らせください。各種データなどはこちらのメディアガイドをあわせてご覧ください。

関連キーワード: camera, GR, ricoh, smartphone
1211シェア
950
237
0
24

Sponsored Contents