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ゲームストリーミングは5Gを象徴する分野になる(かもしれない):本田雅一のウィークリー5Gサマリー

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年3月24日, 午後12:00 in 5G
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ゴルフ場に設置したカメラやゴルフ用弾道計測器から得られる打球データを5Gで送信し、サーバを通じてコンペ参加者が共有したり、コースを回った後にレッスンプロの指導を受けられたりする。そんなアプリケーションの実証実験をNTTドコモ九州が始めたらしいのですが、ゴルフはまったくやらないので、何が美味しいのかわからない本田です。ごめんなさい。

ではKDDIはどうかというと、JALとの実証実験がニュースとして取り上げられました。こちらはもっと実用面への訴求で、たとえば5Gの位置検出精度の高さを活かし、端末を持っていればQRコードはもちろん、NFCなどのタッチ操作もなくゲートを通過できるというもの。

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ゲートをくぐり抜けるだけでなく、駅の改札や買い物などの決済などSuicaが使われている場所でも使えるというのですが、端末を盗まれたらどうするんでしょうか......。いや、モバイルSuicaも盗まれたら使われるか(汗)。

もっとも、4K映像のリアルタイム配信でリモートから飛行機の整備指示が出せる......という点については、そもそもWANを使う必要があるのかしら。LAN+光回線ではダメなの? と、まだ5Gらしさ探しには時間がかかりそうだというのが、今週の5G関連ニュースでしたが、方向性が見出せていないのは日本だけではありません。

みんな目標なんて定まらない中で、それでも前に進まなければならないから、前に進んでいるのです。そして、前に進んでいれば、いつか何かのブレークスルーが起こるはずなのです。

5Gと関係してくるかもしれないゲームストリーミングサービス

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5Gという枠を取り払うと、この1週間、テック業界でもっとも多くの注目を集めたのはGoogleの「STADIA」です。英語の発音を聞いていると「ステイディア」って感じですが、日本語的には「スタジア」でしょうか?

STADIAは、サーバ上で実行しているコンピュータゲームの画面を、リアルタイムで圧縮しつつ端末へ送信、表示し、操作情報をサーバに送信することで、インターネットを通じたリモートでのゲーム体験を実現するサービスです。

クラウドゲーミングなんて言葉も使われていましたが、Googleは「ゲームストリーミングサービス」と言っているので、ここではゲームストリーミングで統一することにします。

ゲームストリーミングサービスの草分けは、いくつか議論のあるところでしょうけれど、僕の認識ではGaikaiというベンチャーです。そしてGaikaiを買収したのが当時のSCE(ソニーコンピュータエンターテインメント)。

PS4がPS3との互換性を保てないことが決定的だったため、SCEはGaikaiの技術を元に改良を加え、PS3用ゲームがインターネット経由で楽しめるPlayStation NowをPS4へ提供しました。現在はPS4用ゲームの一部も提供されているようですね。

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Microsoftもこのトレンドはきっちりと押さえていて、「Project xCloud」の名前で開発を続けてきていました。Project xCloudは年内にはプレサービスが開始される予定です。そういう意味では、時期的にはSTADIA(年内サービス開始)と近い存在ですね。

ゲームストリーミングサービスでは、ネットを通じて一連の操作シーケンスを送り、その操作に応答したグラフィクスをサーバが端末に送信する。つまり往復でインターネットを通過するのですから、操作に対する応答性......すなわち"遅延"が問題になることは想像に難くないでしょう。

ゲームの種類によっては、まったく問題ないものもあれば、問題ありまくりなゲームもある。よって、ゲームストリーミングサービスが、ゲーム機の業界を脅かすことはないというのが、これまでの定説でした。

しかし、将来を見渡すならば、社会基盤が5Gに向かうことでゲームストリーミングが、ゲームコンソールを駆逐する手伝いをすることになるかもしれません。

5Gとともに進むエッジコンピューティングの普及

「Google STADIAを実際にプレイした感想 遅延はどう?」にもあるように、STADIAの......というよりも、ゲームストリーミングサービスが広まるかどうかは、ゲームを遊ぶ人たちの大半(エンスージアストは除く)が、遅延に耐えられるかどうかにかかっています。

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上記記事では、GoogleのPhil Harrison氏が「人間が何かを知覚してから反応するまでの時間よりも遅延は短い」と話し、その具体的な数字に関してGoogleのスタッフは「70ミリ秒から130ミリ秒程度」と述べています。

仮に70ミリ秒とするとおよそ1/14秒ですから、毎秒60フレームで描画するゲームであれば、4フレーム以上の遅れということになりますから、うーん、本当にそれでいいのか? という気がしますが、何らかの弱点があっても、別に圧倒的な優位性があれば、ゲームコンテンツ側がそれを克服した遊び方を提案するものです。

個人的には、コンピュータゲームのエンスージアストを満足させるには、まだ5年、あるいはそれ以上はかかると思っていますが、世の中に低遅延を求めるアプリケーションが増えてくれば、もっと早い時期に常識を越えるときがくるかもしれません。

ということで、ややこじつけかもしれませんが、5G向けアプリケーションとインフラの研究開発は、ゲーム業界の行く末を左右するかもしれませんよ。

5G時代に拡がるエッジの活用

"遅延"は距離によって変化します。サービスを提供するサーバと端末の物理的な距離は、遅延時間を決めるファクターの中でも大きなものです。しかし、本来のインターネットの仕組み、あるいはクラウドの仕組みでは、サービスを提供するコンピュータと端末の距離や遅延は保証されていません。出たとこ勝負です。

しかし、それでは困る用途もあるため、エッジコンピューティング──端末近く......すなわち、インターネットのエッジ(淵)にサーバを分散配置することで、通信遅延を抑制する手法──が用いられます。

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STADIAの場合、7500の拠点にエッジが配置されるそうです。ウェブなどのコンテンツではCDN(Content Delivery Network)と言いますが、ゲームの場合はどう呼称するのでしょうか? まあ、いずれにしろ、端末に対してすぐに送出せねばならない映像をエッジで処理し、マルチプレーヤーゲームにおける各プレーヤーの操作に対する結果・調停はクラウド側で行うといったの仕組みがあるのでしょう。

エッジをどう使いこなすかに関しては、ゲームだけでなく様々な分野で開発が進んでいます。自動運転や自動物流システムにおける予期せぬ遅延は、大きな社会問題にもなりかねません。5Gの普及が進み、エッジの使いこなしが進んでいけば、STADIAに限らずゲームストリーミングが、ゲーム産業の基幹を支えるプラットフォームになるかもしれません。もちろん、それがGoogleの提供するSTADIAであるという保証はありませんけどね。

しかし、ソニーや任天堂は自社でのクラウドやエッジを提供していません。Microsoftは提供していますし、あるいはAmazonもここへ参入するかもしれません。

いずれにしろ、専用ハードウェアからネットワークサービスへの流れは止まらないでしょう。もちろん変わりゆく速度には議論の余地があります。すぐには変わらない。あっという間だ。考えは多様ですが、時間が逆戻りすることはおそらくないでしょう。

"AI処理"の功罪

ところで、5Gとはなんの関係もありませんが、Googleマップの日本国内データがゼンリン提供のものから、独自開発のデータへと切り替わったようです。"ようです"というのは、正式な発表が行われたわけではないためです。

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しかし、「『Googleマップが劣化した』指摘にGoogle『早急な解決に向け調査中』」という記事からもわかるとおり、まったく別物のデータになっていることは間違いありません。

というか"調査中"はないんじゃないですかね?調査するまでもなく、大きな違いが全国であるのだし、著作権クレジットの表示もなくしているのはGoogle自身なのだから、何を調査するのやら......。

Googleマップに関しては、サービス開始当初からずっとゼンリンのデータを使っていたわけですが、上記の記事にもあるように、航空写真からの自動判別で作っている部分が多そうです。"多そう"といのは、必ずしもそれが全てではないという意味で、たとえば大規模商業施設の各階ごとのマップデータなどは、Googleが元から持っていたものだと考えられます(実際に残っています)。

しかし、多くのデータは衛星写真の認識をニューラルネットワーク処理で行い、それを機械学習などでチューニングしつつベクトルデータに変換したデータを使っているのではないでしょうか。そこに公式な交通機関の情報(路線図など)もオーバーレイしつつ、技術の力で詳細な市街地データを生成したのでしょう。

とはいえ、"AI処理"といっても、何か確信をもって認識をしているわけではありません。"より確からしい"結果を導き出すことはできても、それが何かを認識はしませんから、道ではないところを道と認識することもあるわけです。

ゼンリンの地図が"人海戦術"とたゆまぬ努力によるメンテナンスで作られているのに対し、Googleの新しいデータはAIによる極めて効率的な地図です。どちらが費用対効果が高いかと言えば、おそらくGoogleの地図なのでしょうが、しかしユーザー体験の質を考えればゼンリンの方がいいですよね。

ちなみにネットを見ていると、Android端末を持って歩いている経路は道路として認識しているのに、立ち入っていない細かい道には引かれていない......などの報告もあり、機械学習だけでなくAndroid端末からのGPS情報の発信を使って、衛星写真から地図データに変換する際のパラメータとして反映しているようですね。

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"人の手が入ること"の重要性は、Appleが独自の地図アプリをiOS標準にした時に、かなり多くの人が認識したことだったのではないでしょうか? 今やAppleの地図アプリは大きく改良され、特にお店などのデータはGoogleよりも品質が高いと感じるほど。Googleマップより地点の正確さは上というのが個人的な感想です。

結局は細かなディテールの"作り込み"が大切というわけで、AIや端末から得られたデータの分析を中心に地図生成を行うだけでなく、現在の技術レベルではそこから現実とのギャップを埋める必要がまだあるのではないでしょうか。

そのうち改善されるでしょうけれど、しばらくはGoogleマップから、Yahoo!マップやApple純正地図アプリなどへと切り替えた方が無難かもしれませんね。いずれ改良されたなら、戻ってくればいいのですから。




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